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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
7
:
深紅の協奏曲 ―嘘と真の三重奏 2―
:2014/02/22(土) 22:49:32 ID:xOPXXY6Y0
写真を受け取ったドッピオは、雲から降りて石畳の傍らに適当に座り込む。
手にしたものを、じっと見つめる。
一つは森の中。ほとんど光がないことから夜なのかもしれない。もちろん単純に深い森の中という可能性もある。
中の男はカメラに向かって恐怖の表情と悲鳴をあげている。物言わぬ写真越しにもそれは伝わってくる。
二つは湖のほとり。写真のメインは緑髪の羽の生えた少女なのだろう。少しはにかむ顔のその後ろ、湖の中から這い上がるように。
中の男は何とか岸に着いたといった疲れ切った表情。湖に浮いた氷から察するにかなりの低温を泳いできたに違いない。
三つは建物のそば。朽ちた建物にもたれかかり、追い立てられたウサギのように怯えている。
中の男は頭を抱え、少しでも隠れようと陰に逃げ込んだのだろう。そこを撮影した、と考えられる。。
どの写真にもその男は写っており、一様に恐怖の感情を浮かべている。
だが、一つ目の写真は『これから起こることに対しての恐怖』に対して二つ、三つ目は『既に起きた事柄に対しての恐怖』であるようにも感じられる。
時間帯、場所はどれもバラバラとしており写真からは読み取ることは難しい。
「……ねぇ」
「この写真はどこで撮ったんだい?」
「この写真はどこで……あ?」
手に持った自分のカメラをいじりながら顔を合わせずにはたてはドッピオの質問を先取りする。
「情報は交換よ、交換。あなたが何か提供したら私も一つ提供する。先に出すのはあなた」
「……なんでさ」
「負けたじゃん」
確かにほとんど敗北していた。が、ここまで来たもののドッピオは彼については全く知らない。見たことも、会ったこともないのだ。
何故あの時にあそこまで会ったことの無い男が写っている写真を思ったのかはわからない。
何故かはわからないが、知らなくてはいけない。こみ上げてくる使命感の理由はわからない。
「……こいつは僕と同じ国の人間だろう。たぶん、イタリア人」
とりあえずわかる情報をひねり出す。自分で言っても苦し紛れの情報とは思えるが。
人種が同じであれど、自国の人間はどこかわかる。色や種別が同じでも国によっては生活の習慣が違う。そこから生まれる人間性は長らく過ごした者なら感じ取れる。
「……えー、それだけ?」
「何か提供してるだろう」
「まーねー。まー……じゃあ、どっち聞きたい?」
不服そうだが、一度自分が言ったこと、撤回する気はないらしい。意外と義理堅いというか。
彼女は自分のカメラと写真を交互に目をやりドッピオに尋ねる。
「その写真をどこで撮ったか。それとも写真についてか。最初の質問かそうじゃないか。どうする?」
「……うーん」
悩む。どちらも知りたいが、これ以上こちらから提供するものもない。
次も納得できるような情報でなければ話が打ち切られてしまう可能性もあるだろう。
「……じゃあ、その写真はどこで撮ったか。それを教えてくれないか?」
少しの逡巡、前者の質問を選択した。
もしこれ以上答えることができずに情報を得ることができなくても、その場所に行けば何かつかめるかもしれない。
また、写っている人物、特にこの緑髪の少女。この者に何かを聞くことができる、かもしれない。
「はいよ。まー、こういうのもあれだけどこれ、厳密には私が撮ったわけじゃないんだよね」
「え?」
自分が撮ったわけじゃない。どういうことか。
その疑問が表情に出たのだろう。うんうんと頷くとはたては一つの箱状の物をドッピオに放る。
受け取った手のひら大のそれは、ドッピオでも、誰でも見知ったもの。
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