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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
697
:
みりん
:2017/10/19(木) 15:46:38 ID:4Bs0obxg0
地底の全体は薄暗い。元々光の射さない空間に人工の灯りだけが頼りだから。地霊殿の下には核熱の灯りが恒常的に照らし続け、一線を画すものだった。
だから、先の騒動で破壊され、誰も手をかけていない入口から都市部までの道のりは夜の闇が降りたように暗く、僅かな光を頼りに進むしかない。その先にある、既に喧騒を取り戻しつつある眠らない都まで。
どうしてもすぐに行く気にはなれなかった。上から見下すようなあの傲慢な笑みをすぐにでもすり潰してやりたい気持ちは十二分にある、だが敵の胃の中、それに相手のを知ることも少なく、決定づける理由に足る読心の能力。
機会の見極めは重要だ。感情だけに任せてしまえば後悔を呼び込むこともあるかもしれない。……まさしく、それはあの敗北を指しているが。
もぞもぞとポケットに突っ込まれた片割れが主張をする。ディアボロの行動に何を思っているか……彼は敢えて確認をしなかった。それは、いくらか残されていた、彼自信の呵責の一つ。
「ケガ人は一か所に集めろ! 生きそうなやつから助けていけ!!」
「ボーンナム、どこだー!! 返事しやがれッ!」
「え、いや私はそろそろ上戻らないとまずい……わかったわかった! だから服引っ張んないでください!」
「水、食いもの、酒、たくさん持ってきたよーっ! 食える奴は食っておくんだよーっ!」
地霊殿から離れ、都市部に近づく度に威勢の良い声が耳に入ってくる。あらかじめ知ることのできた災害だからか、既にそのための準備をしていたのだろうか。一度の往路から考えればその喧騒はいくらか早すぎる。住人たちの生命力もまた、地底を支える力の一つだろうか。
あの空間の中に入るつもりはない。入ろうも、何をされるかわからない。彼らはディアボロを騒動を治めた英雄とみるだろうか? 引き起こした悪魔とみるだろうか? もちろんその前提に、地底の鬼、その頭領であるあの女のプライドを傷つけている。そんな自分に、都合の良い言葉を押し付けたりするだろうか。
……さとりにたいして何かを聞くのであれば、少なくも関係のあるのは橋姫だろうか。いや、そもそもはあの二人が最初から動いていれば怒らなかった騒動。妹のためと塗り固められた姉のエゴに自分は宛てられ、押し付けられた、簡潔にしてしまえばそれだけの事。
それでもあの橋姫はそれに組み込まれ、敢えての憎まれ役、汚れ仕事を引き受けている。それを良しとするまでの間柄、それとも。
一度離れた所にまた足を向けるのは癪ではあるが、それでも唯一の情報源に変わりはない。不確かを携えながら都市部を歩き回るよりかはいいだろう。
「……おや?」
陰に隠れつつ再び歩を進めようとしたとき、間の抜けた声が喧噪の中からこちらに向けられる。直接ディアボロを認識したわけではないだろう、隠れる者に向けた疑問の声だ。
「怪我人かー? 今弱ってるやつを食おうとしているわけじゃあないからこっちに御出で、あんたも大変だろう?」
特に警戒する様子もなく、ガタガタと瓦礫を踏み越えながら近づいてくる。
その他大勢の一人に関わる気はない。今は負傷者と思い近づいてきているが、それがディアボロだと、災禍の中心に近しい人物だとわかればどう出るかわかったものではない。
隠れ離れよう、と意を決し動いた時、
「……あん? ……なんで逃げる?」
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