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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
691
:
深紅の協奏曲 ―独奏、王へと届くこと願い 1―
:2017/07/28(金) 20:35:44 ID:JHQpBNUw0
眼を閉じ、笑みが消える。此方の行動を待っているのだろう。聞きたいことが、それが全て既に読み取られているはず。けれど、本人の整理のために口を開かせようとする。
ここでも手のひらの上で転がされているような気分に侵され、気持ちのいい物ではない。誰からも好意的に取られないと言われる所以だろうか。
その心を読み取られたのか、くつくつと声を抑えた笑いが、さとりから湧き出ている。
「古明地さとり……お前はすでにアレの明確な解放の仕方を準備し、だが敢えて何も伝えなかった」
「既にお燐から聞いているようでしたので、私から伝えることは何もありませんでした。パルスィとは既知でしてね、もしもの時にはお願いしていたのです。彼女……友達いないので」
眼は閉じたまま、けれどそれが来ることは当然といったように。
「ならば何故初めからあの女を使い止めなかった? 奴ならば、被害を出すこともなく食い止めることができただろうに」
「くく、言ったじゃあないですか。こいしを縛ることなど、あの子も私も望んじゃいない。私はあの子の幸せを願っていると。選んだ結果は受け入れるべきですが、選ぶための道筋を縛ることはこいしに限らず誰もが望まないことです」
決してこちらを見ようとはせずに笑みを浮かべる。だが、変わらず胸の瞳はこちらを睨み続けている。
「…………アレは事あるごとにお前を引き合いに出していた。過去に、アレに何をした」
第二の疑問を口にする。こいしの暴走の発端、彼女の能力を知っていることを告白した時から付きまとっていた違和感。
それまではいつも姉を第一に置くような物言いが見られてたが、あの最中では、事あるごとにさとりに対して、姉としての尊敬より、何か別の薄ら暗い感情を抱いていたように見える。
「そんなこと、たいして重要ではないと思いますが……? そうですね、命が懸かっていましたもの、疑問は当然です。端的に言ってしまえば、私の愛があの子には重かった、という事でしょうか。だから、今は手をかけていない。妖怪だって学びます」
引き出された答えは、あまりにもあっけない肯定。それが答えだというのならば、こいしの現状を作り出したのは、なんてことなく答えた目の前の存在。そしてその者がとった次の策は放任というあまりに無責任な解答。
「あぁ、怒らないでください。結果としてあの子は私に愛憎両方を抱くようになってしまいましたが、あの子の本質は知っての通り。望むは皆の笑顔。私だけがそこからはみ出ている、それでいいのです。……覚とは元来そういうものなのですから……」
一度、閉じた目を開いてこちらの顔を直に伺い、そしてすぐにまた自嘲を秘めた笑みを浮かべながら目を閉じる。
誰からも好かれない、と周りから評価を置かれている。そして、それを他者から知れてしまう。
そうであることが妖怪として、覚の矜持というものなのだろう。最初に会ったときにこいしの事を話しているとき、その矜持を踏み躙ったとこいしの事を誹っていた。
互いの想いに、過去に、二人の間に何があったのか、どのようにすれ違ったのか。……ディアボロに興味が全くないわけではない。だが、今はそれに付き合えるほどではなかった。
「……ならば、もういい。人間の私にはこの地の底は暗すぎる。お前たちの歪んだ関係に付き合わされた事は大いに不服だが……解決した今、何も言わない。地上に、戻ることにしようと思っている」
「そうですか、それは残念です」
口調は確かに遺憾は籠っていた。だが、片目を開けてこちらを見据える彼女からは、敵意とも、悪意とも取れるねばついた空気が湧き出ている。
「…………ですが……どうやって?」
「……だからお前に質問しよう。あのネズミを……ナズーリンを、どうした?」
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