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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

69深紅の協奏曲 ―嘘と真の三重奏 3―:2014/03/24(月) 16:12:26 ID:V1cqd/cI0
「お騒がせしました」
「まったくだよ」

 守矢神社本殿の前で、早苗は深々と頭を下げて謝罪する。
 その姿を見せられては、さすがにドッピオも何も言えない。

「あんたは普段からまじめ口調のいい子ちゃんみたいなのにすぐ暴走するんだから」
「返す言葉もありません……」
「……はは、は」

 気落ちした早苗に対して気の利いた言葉も出てこない。
 もし自身が普段と変わらない状況であるなら慰めの言葉も浮かんだのであろうが。

「……して、今日はどういったご用件で? あ、アリスさんは今朝帰られましたよ」
「いや、アリスに用はないけど」
「ん、何であの人形遣いが出るの?」
「昨日は霊夢さんの所にアリスさんを訪ねてきましたので。神社あるところにアリスさんがいる、と言うわけではないことを」
「アリスには用はないって言ってるだろ」
「あ、はい」

 それに早苗は特に気づかない。気づく素振りもないその姿をみると、今の自分の気持ちを共有させようとする心が引ける。

「私がこいつをここに連れてきたのは、早苗の話を聞かせてやりたいからだよ」

 その空気を切ったのははたてだった。
 けしてからかう空気はなく、実直に彼の為に動いていた。

「私の話……ですか? えぇ、良いですけど、何を聞きたいんです? 神奈子様の伝説?」
「早苗がここに来た時の話と、それからどれくらい経っているか。その前後を、ドッピオに聞かせてほしい」

 はたてが強く、はっきりとした口調で言い切る。
 その言葉を聞くと、早苗は明らかに体を強張らせ、目を丸くしてこちらを見やる。

「……どういう、ことです?」
「僕の一番新しい記憶では、僕が現実に……外の世界に居た頃は2001年だったはずだ。それは絶対に間違いない」

 はたてに続き、ドッピオを同じく語気を強めて話す。その言葉には、現実を強く認識し乗り越えようとする意志がある。

「早苗、君は元は外の世界の人間なんだろう? 誰かから、それこそはたてからしっかり聞いたわけじゃあないが、流れからそれは推測できる。
 ならば知っているんだろう。『今』が何年なのか。どれほどの時間が経っているのか、その答えを!」

 だんだんと語調が強くなる。息を吐ききってもまだ出るかのような感覚。
 言い切ったころには浅く、肩で息をしているその状態。
 事実を認めるのは辛くとも、それは確かにしなくてはならないという気持ちが、彼の心拍数を速めている。

「……そんなこと、あるわけないじゃないですか」

 早苗は、そんな彼に目を細め異物を見る様な視線を向ける。
 小さく漏れ出たその返答は、明らかに彼を異常と思った答えだった。


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