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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
636
:
ピュゼロ
:2016/11/26(土) 21:04:09 ID:WuAK45Gg0
※
純狐にふれられ、鈴仙は自力で上半身を寝台に起こす事に成功した。
おそらく、脊椎動物だから頭と背中をぐしゃぐしゃにされた後遺症で動けません、などと言っていられなくなったからだろう。
「そうだ。お土産があります」
純化した想いが膨れ上がり、気の弱い兎ならば心臓がひっくり返るような力を一面にばらまき、鈴仙の耳をしわしわにした純狐は、それですっきりしたようで、けろりとした顔でそういった。激昂してトチ狂いそうになるとそうやって頭を冷静にすることにしているのかもしれない。
鈴仙はなんだか笑みのようなものを浮かべようとしたが、顔が引き攣って失敗した。「き…気持ち悪いぜ。ダダっ子のように泣きわめいてやがる」とは、もちろん言わなかった。
「はあ……? あの、すみません、なんと」
「少しばたばたして忘れていましたね。ああ、ほら、これです」
そういって純狐は持ち込んだ風呂敷包みから、畳まれた衣類のようなものを取り出した。
その変なTシャツにはなんだか見覚えがあった。
そのTシャツには、「GO TO HELL(地獄に落ちろ)」というのが殴り書きされていた。
「……」
ふと鈴仙は、地獄の女神ヘカーティアが言った言葉を――純狐から「目の前の兎は、われわれの策を台無しにした敵である」と話を聞かされた時の、
「しょうがない
消すしか無いか」
という言葉を思い出した。
その冷たい目を……いたいけな兎の一匹など、なんとも思っていないような目を思い出した。
鈴仙は耳がしわしわになった。
ちなみに、その時鈴仙は彼女に対して、
「そうか、月で見た妖精のご主人様って
貴方の事ね
変な格好してるからすぐに判ったわ」
と言ったのを忘れてしまっているが、それを指摘するものもいなかった。
「ヘカテーからですよ」
「……私、ヘカーティアさんを怒らせましたか」
「あら。どうして?」
「急にあの人に……本当に突然なんですけど、嫌われている気がして」
「そんな事ないわ」
手に持って広げていたTシャツを裏返して、純狐が不思議そうにいった。
「ほら、ぜひ地獄に遊びに来てください、と書いてあります」
「そうでしょうか……」
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