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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
604
:
深紅の協奏曲 ―無意識に奏でられる即興曲 3―
:2016/09/30(金) 22:54:23 ID:IctBC4bI0
「わざとじゃあないのか」
それに対しての悪態を用意した中、その言葉は発されることはなかった。
「ぐっ」
「んがっ!?」
突然衝撃が走り、視点がぐらりと歪む。全身に走る反動、たたらを踏む自らの足。壁にでもぶつかったか、しかしこいしが前に走っていたはず、そんなはずは。
歪みが戻れば、目の前には自分を上回る背丈の男たち。自分の握られていた手は今は空になっており、感じていたぬくもりはなくなっていた。
「ぐぅーーッ!? んげ、げげげぇーーーッ!!」
「おいっ、大丈夫かぁーッ!?」
男は一人ではなかったようだ。彼の周りを囲んでいた3人がぶつかった男を取り囲む。
せき込む声には粘性の音も交じっており、それは次第に嗚咽も交じり激しくなる。
「……あいつ、どこに行った?」
周りを見回してみるが、こいしの姿はどこにも見当たらない。人ごみに紛れたか、それともそばの家屋に隠れたか? 彼女の能力を考えれば、見落とした以上、再度探すことは困難だろう。
目の前にもう一度視線を向ける。先ほどぶつかった男に周りが介抱をしているがこの集団を横切ること、こいしにならできるだろうがそれを行う理由がわからない。
「二人とも、速すぎだ! 追いつくのが……ひっ」
後ろからようやく追いついたナズーリンの声が届くが、急にそれが低く戦慄く。
ディアボロの目の前に、ぶつかったであろう男とその周りが怒りに満ちた目で見下ろしている。
「……おいてめぇ、どこ見て歩いてんだコラ」
「まさか俺たち4人が見えなかったなんてことはないだろ?」
「なぁ、答えてくれよ兄ちゃん、ついでに怪我したコイツ、どうすればいいと思う?」
「がぅっぷ、ぷぇっ」
一人一人が大木を思わせるほどの肉体、自分の力量に裏打ちされた自信、髪をかき分けるように生える揃いの角。
見たことはないが、日本のイメージ、伝承に伝わる有名な姿、縁起に乗っていた情報。今目の前にいるのは地上から消えた鬼、だろうか。
なるほど、風格はある。人間にもこれくらいの体格を持つ者もいるだろうが、ここまで威圧感を出すものもいないだろう。群れているから、後ろ盾があるから、武器を隠し持っているから……そういった自身の力以外による強者の余裕ではなく、純粋な自負。
それらが4人。ぶつかった男はまだ肉の残っている串を地面に捨て口の中に残った血を吐き出し改めて前に出る。
「……お前、人間じゃあないか。しかも、博麗や霧雨とも違う、『ただの』人間。都で何をしていやがる?」
怒りの中に疑問を持ちながら、何とか拳を抑えながらといった面持ちでディアボロの顔を覗く。鼻息も荒く顔面も紅潮している。癖だろうか、左目の瞼がピクピクと痙攣している。
返答次第ではただでは済まさない。それも、正論ではなく感情を優先とさせた答えを出せ。それを、言葉なくとも雄弁と語っている。
「……ナズーリン、あの子供を見なかったか? いなければ探してくれ」
「えっ? ……えっ?」
「……んだとぉぉお?」
その中で、彼は何事もないように後ろを振り返り身体を縮こまらせているナズーリンに話しかける。彼女の目が怯えから困惑に変わり、再び焦燥へとぐるぐると変わる。
「え、今、なんて」
「おい、誰か探してんのか? その前に探すべきがいると思うだがなぁ、えぇ?」
困惑した声に被せるように男の声、共にディアボロの肩を両の手で掴みよせる。ずいと引き寄せられ、相手も顔を近づけ視界一面に男の顔が映る。
「まず一つ、これは簡単だ。お前の謝る相手だ。それは目の前にいる。二つ目、これも簡単だ。お前の理解する相手。目の前に一人、周りにもたくさーーーーんいる。何の目的か知らねぇが、分を弁えなきゃあいけない。わかるよな、なぁ?」
「……勘違いしているようだが」
「あぁ? ……ぐっ!?」
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