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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
580
:
深紅の協奏曲 ―無意識に奏でられる即興曲 2―
:2016/07/16(土) 16:57:37 ID:4pN8s2To0
ディアボロの手を引いて行こうとするこいしの前に、一人の声がそれを止める。
よく見れば、橋の欄干にもたれるように、一人の少女が佇んでいるのが見える。
「好き好んで近づく者のいない隔世の橋、寄り付く輩にそんなことを言われてしまうのではしょうがないわね、妬ましい」
「パルスィ……」
橋の上に佇むその少女―水橋パルスィ―は目線を合わせないまま、手に持った煙草を含み、辺りの空気に散らす。
辺りに、幻想に似つかわしくない、不快ともとられそうな匂いが立ち込めていく。
「煙草やめてよって言ったじゃん……私、好きじゃない」
「あなたに何を言われようと関心はないわ。自分だけが通るとでも思っているのかしら」
「むむむ〜」
「地上と地下への行き来にもほとんど使われなくなった、渡る者の途絶えた橋。使うのは後ろ暗い心を持つもの位。……さて、あなたはどうなのかしらね」
彼女の口から紫煙が噴かれ、その後ディアボロのほうへ向かれる。こいしのような明るい緑の瞳が、しかし悪意と敵意に満ちた目がこちらに刺さる。
横にいる当の彼女は、今は確かにディアボロを見つめていた。
「行こう、おにいさん。パルスィに構われたらいつまで経っても進めない」
「心外ね。私は橋姫、ここを通るものを祝福する立場だっていうのに。気に入らなければ打ち倒していけばいいじゃないの、妬ましいように」
「なんだっていいもん、行こう」
彼女を振り切るように、無視するようにと強引にディアボロの手を引く。僅かに姿勢も崩れるが、すぐに持ち直し、
「お前……パルスィ、だったか」
「何かしら? あぁ、別に私は今更人間が入ろうが咎めないわ。どうせすぐに帰りたいというのがオチだから」
「かもしれないが。……その『煙草』は、地下でしか作られていないのか?」
それを聞くと、見た目の年齢相応ににこりと微笑んだ。しかし、覗き込まれているようなその瞳にはこちらも共に引き込まれるような感覚はない。
「また会うと思うわ、必ずね」
「……それは地底では流行っているのか? あの猫も言っていたが」
「かも、しれないわ」
離している間に留まっていたことに不満なのか、引く手は強くなり、振り返るその瞳はややも不満そうな……パルスィと話をすることを妬むような感情のこもった瞳をしていた。
大股に手を引くこいしの後に着いていき、その行先には人里と同じ光、月も空も見えないが確かに夜の中の眠らない光が灯っている。
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