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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
559
:
ピュゼロ
:2016/05/08(日) 11:44:59 ID:Xo8qSb6.0
藍はそうやっていつも考えている。計算をしている。
何故なのだろうか。どうして人は嘘をつくのか。どうして他人の嘘にはとても厳しいのか。そうやって「偽る」事は、そいつ自身にとって、何か有益なのだろうか。人が嘘をつく存在で、人は嘘が嫌いだというのなら、本質的に、人は人自身の事が嫌いなのだろうか。
人は誰かに嘘をつく。
その、ごまかし。
目の前に広がる世界さえ真っ直ぐ見る事ができないで、目をそらして、ごまかしている。
そこにあるのは不安だ。
(すでに今、こうして世界は形ができてしまっていて)
(人は互いに嘘をつく)
(つまり、世界は不安で満ちている)
あらゆるところに不和があり、闘争がある。世界は冷たくて厳しい。世界というものが先にある以上、人もそこに生まれてくるしかない。選びようもないし、拒否もできない。
絶対不変の真理などというものもない。どんなに正しいような事でも、別のどこかでは間違っていて、世界にはそうした矛盾が積み重なっている。
多少の想像力があれば容易にわかる事だ。
世界は人に優しくなんてないが、そうしたものを看過しているものまた、人なのである。
(中途半端は――駄目だ)
(殺すべき者を殺し損ねているというのは、この世も一等の不都合だ)
何かを信じるという気持ちは不安から生まれているのではないのか。現実を直視するだけの力がなくて、その上で、自分の思うがままにあって欲しいのだ。
けれどそんなもの、起きながら見ている夢のような勝手なものでしかなくて、慌ててそのつじつまを合わせて、そのまま平気な顔をしている。そもそもの不安がどこから来ているのか、自分がどんなものの上に立っているのか、それさえ知りもしないままに。
だからああも簡単に――心が折れる。
(死ぬべき人間を――)
(確認されたはずだ)
(八雲紫が御自ら確かめられた筈。あの少年の事は)
(もうすでに)
(レクイエムという現象下の中、一連の戦闘で、死んでいる筈で――)
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