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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

557ピュゼロ:2016/05/08(日) 11:41:36 ID:Xo8qSb6.0

「私は、ひとまずあいつを……追う事にする。世話をかけたな」
 その信条は、弾幕はパワー。当たって砕けろ、そこから足掻け、なのである。
「追いかける、ですか。左様で……」
 魔理沙の言葉を聞いた青島は、しばらく頭を手のひらで何度か擦っていたが、やがて。
 大きく二度、頷いた。
「あい、お話はよくわかりました、魔理沙さん。そういう事情でしたら、もしかしたらば、力になれるかもしれません。今から教える場所にすぐにでも向かいなさい。おそらくですが、あなたはあの方に会うべきだ」
「うん? ……そいつはいったい誰なんだ?」
「ブン屋さんですよ。きっと、話せばすぐにでもわかるはずだ」
「……なるほど。あいつか」
 きっとそのとき、魔理沙は相当に渋い顔をしたのだろう。
 あの堅物そうな渋面が、ちょっと黙ったあとに、小さく笑い出したからである。
「そこまで嫌そうにしますか。お気持ちは重々わかりますがね。天狗らが弱いものをいじめるのは、これはもう仕方がないと諦めた方が、色々と良いのではないかと思いますよ。それになんといっても、彼女は里に一番近い天狗ですから」
「いやあ、そういう事じゃあなくて……なんか困ったら射命丸だしとけ、みたいな風潮がさ……」
 ううん……と首を一二度ひねった魔理沙は、ともかくそれで気持ちを切り替えた。
「とにかく射命丸に会えばいいのか?」
「はい。その通りです」
「あいつは何を知っているんだ? どうして会う必要が――あるんだ」
 どうして、ですか。簡単な話です。
 追いかけるものが同じなら、直接訊かれるがよろしいでしょう。
 笑顔が辛そうだといつもいつも言われている渋面柔和な妖怪狸は、普段と同じくした様相のまま。
 そういう事を言った。

「ドアぐらい、開けてから出て行かれても遅くはないでしょうに」
 別れのと謝辞が混在した言葉が狸にまで届いて、それをそいつが拾い上げた時。
 そこにはすでに誰もいない。
 ぽつりと小さくつぶやいた。


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