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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

556ピュゼロ:2016/05/08(日) 11:40:35 ID:Xo8qSb6.0

「なあ、いったい何の話だよ」
 つられて話している内に、魔理沙はすっかり訳が分からなくなって、困り果てた声を出した。
「ですから、最初から話していますよ。信じるという事について。わたしたちは、信じなくてはならない。そういうふうにできているのです。本当は、もっと良い方法があるのかもしれず、しかしそれは今のわたしたちには通用しないものでしかない。であるなら、そうしないでは生きていられないのです。例えそれが、決して貴方に優しいばかりでなくともね」
 狸の口調はのんびりとさえしていた。
 信じた相手に裏切られる事。
 そのからだを蝕むもの。
 毒のようなものだ。
 しかし、例え恐ろしい猛毒であったとしても、そうと知って摂する分には、あるいはそれは、薬にもなり得るものなのかもしれない。
 それを聞いた魔理沙は。
「そうしないでは……生きて、いられない、のか」
「これはわたしが妖であるからなのかもしれませんが。別に人間なんて食って寝てひり出していればそれで生きていけるのでしょうし」
「そうか……」
 魔理沙は、何度か口の中でぶつぶつと、たった今言われた意味の通じにくい言葉を繰り返していた。
 ぶん殴るのか、それとも蹴り倒すのかさえもまだ決まっていなかったが。
 そもそも自分は魔法の森の職業魔法使いだ。
 霊夢との勝負はやや負け越し勝ち。和食派。魔法の力は、環境にも優しく、世に役立たない方向でふるうのが好き。
 すんなりと、胸裡に落ちたわけでは、決してない。
 けれど、いまこの瞬間にすべき事は。
 これは、迷う必要はないようだった。


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