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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

554ピュゼロ:2016/05/08(日) 11:38:17 ID:Xo8qSb6.0

「どうすれば……いいのか」
 そう言って、力なく、魔理沙は目を伏せた。黙して項垂れる様は年相応の幼い少女である。
 黄色いまなざしを下ろした先にあるのは、ところどころほつれた跡のある、年季のうかがえる古臭い畳の縁だ。
「迷っておられるのですか」
「迷う……? いや……」
 そいつの声は、普段話すの時と同じく、おおよそ温和といってもさしつかえないものだ。
 しかし、どこか苛立たしそうでもある。手ぬぐいの下で眉間に皺を寄せたその顔は、なんともつまらなさそうだった。「こんな簡単な事もわからないのか」という表情をありありと浮かべていた。
「迷うというのは、これは信じていないんです。それどころか、実につまらない事を考えてしまっている」
「あー。いや、信じるっつーかさ……」
「別にいいじゃないですか。難しく考える必要はない。信じて何の不都合があります」
 畳の縁をすうっとなぞっていくように視線がからっ滑りしていく。肩の上でくるくると髪をいらう。
 狸はとんとんと畳の縁を叩いて、とくに力をこめたりもせずに、いった。
「それとも、やめますか」
「やめるって、何をだ」
「他人を信じる事をですよ」
 さらりとそういった。
 魔理沙は初め、何を言われたのかよくわからず……沈黙した。さっぱり、わからなかったのだ。


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