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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

553ピュゼロ:2016/05/08(日) 11:37:16 ID:Xo8qSb6.0

 二、

 珍しく億劫げな魔理沙が、ようやく口を開いて、ぽつりぽつりと語りだした話。
 とぎれとぎれに、話している本人でさえも迷いながらのその話を、飲み込んで一つにまとめるなら、それは一人の人間が消えた話。
 いや、むしろそれは――
「“消えた人間”の話。でしょうか。ふむ……」
「その門番にも再度話した。だけど、誰かと戦ってずたずたにされたようで、そいつはよく覚えていなかったんだ。そもそも私としか戦っていないと言う。けど、あそこまで手酷くやった覚えはないし、そもそも私が通った時はぴんぴんしていた。だから私とは別に這入ったヤツがいるはずなんだ」
 その侵入者を、即座にイコールでドッピオと結びつけるには、早計だろうか。
 だとしても、まったくの見当違いの線ではないだろう。
「おまけに八雲のとこの狐まで出張ってきているみたいだ。絶対に、何かが起こってる。冗談じゃすまないような事が。……だけど、何がどーなってるのか、それがさっぱりなんだ」
 あの気弱な少年を単なる人間とするには、あまりにも状況が捩れている。
 しかし……魔理沙の中で、あのおどおどとしたドッピオというヤツのイメージと、それらの符号の断片とが、うまくくっついてくれないのだ。
 話すにつれて、改めて自分の中を見渡す余裕ができる。
 それは、「私はどうしたいんだ」というところにいきつく。
 会ってあいつをいっぺんぶん殴ってやりたいのか。それとも、騙していたな、と怒ったりするのか。
 でも、騙すってなにをだ。
 門番をぶっ潰したのはお前なのか。そもそも、どうしてあんな場所にいたんだ。何か、お前にはやるべき事があるのか。その目的に、わたしは……。
 わたしは。わたしは。わたしは……。


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