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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

529深紅の協奏曲 ―深紅の協奏曲 4―:2016/04/20(水) 21:55:41 ID:y37Qs2Pw0
「始まりあれば終わりもあり。終わりもまたはじまふっ」

 口上を述べ、垂れた頭を上げたその瞬間、紫の前面から膨大な質量を伴った妖魔の槍が炸裂する。
 それは戦いの最中何度も使ってきたレミリアの一撃。彼女の気勢を表す激を伴っている。
 一瞬の後、背後の壁に大きな穴を作って霧散した。もっとも、そこから射す光は暗幕によって遮られている。良くできた従者だ。

「……いきなり何をするの」
「いや、さっきバカにされた分だけど」

 投げた本人も投げて当然という顔をし、受けた本人も投げられて当然といった顔のまま。紫の上半身はスキマを境に消え去り、少し前から新たなスキマを作りそこから出されている。
 随所で話に上がっていたが、いともたやすく不可解な現象を引き起こせる。噂に聞いた者だとディアボロは思う。そして、彼女が現れてから身の毛のよだつ空気も感じられる。産毛が逆撫でされ、肌が粟立つような空気が、この緩やかな空気の中でも感じられる。

「相変わらず、いろいろ足りていないわね」
「羨ましいか。若さは武器だ」
「子どもの背伸びほど見苦しいものはないわね」
「わざわざ腰を曲げる必要をまだ感じないなぁー」

 言いあう二人も微笑ましいが、冷えた空気は変わらない。それは、まだ自分が人間であることを示しているのか。

「……と、貴女と話をしに来たわけじゃあないの。もっとも、楽しい時間は過ごせたみたいね」
「ああ、おかげさまでな。まあしばらくはおとなしくしておいてあげるよ」

 少し忌々しげに言い放つレミリア、それを受け微笑を浮かべ、紫はディアボロの方へ向く。

「……賢者、彼に何の用だ?」

 一歩、ナズーリンが前に出て彼女を窺う。少なからず、何も知らぬであろう彼を守ってやろうという気持ちが少しはあるだろうか。

「……ユカリ、私もお前に言いたいことがある。大丈夫だ……ナズーリン」
「……」

 しかし何も知らない彼女を退け、紫に向き合う。今まで、自分の事を測ってきた者達、その頂点。
 目と目が合い、わざとらしい笑顔を形作る少女は、確かに夢の少女と変わりない。

「……お前が姿を現したということは、『全ては終わった』……ということか?」
「…………ご明察。希望ならば、席を外させますが?」
「ちょっと、あんたたちに何があったかは知らない。けど吸血鬼の城の中でそんなこと言われる筋合いはないよ」

 一番に噛みつくのはレミリア。言葉の中に潜む移動ではなく排除を選ぶセンスに主として怒りを隠さない。傍らにはいつもの通り、咲夜が待機している。いつもの通りの赤い瞳で。

「やめろ。わざわざ争いを起こす必要はない。スカーレット達も私に関わった以上、聞きたければ聞けばいい。今の私に傍聴を止める権利はないし、どこまで行っても、関係の無いものには関係の無い話なのだからな」

 一触即発の空気の中を割り入る。ディアボロはすでに受け取っていた。彼女の決意と熱意を。

「お兄さん……どういうこと?」


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