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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

504ピュゼロ:2016/03/04(金) 07:50:15 ID:6aKA4RoY0
「ちくしょう、ちくしょう、よくもやってくれたな。アイツはどこだ? 隠すとひどいぜ。ひどいヤツだぜ、お前は。まったくなんてひどいヤツだ」
「まだ何も言ってないだろう……」
 胡乱気な目で藍が言った。
 なんだか、泥にまみれて小汚いから、あんまり近づくなといっているようにも見えた。
「それに、さて、私の方こそ知りたいぐらいだ」
「アアん? だらしねえな――」
 魔理沙は、藍が近づいてきた時からずっと構えていた八卦炉を下ろした。いつまで経っても相手がスペルカードを出さないからだ。その代わりに、疑問が口から飛び出した。
「ならなんでアイツを追うんだ? そーゆー趣味なのか?」
「さてね」
 はぐらかしているのを隠す気もない返事だった。
「さてさて。サービス残業もこのぐらいにしておくかな?」
「……あっ」
 待て、とか、逃がすか、などと魔理沙が叫ぶよりも早く、八つ目、九つ目の尾がするりと虚空の中へ埋もれるようにして消えた。
 それを見た魔理沙に、ふと一つの疑問が浮かぶ。
 そういえば……さっきのも、丁度今みたいなヤツだった気がするような……。
 気のせいだろうか。
「……なんなんだよ」
 彼女の呟きに答える声は、ない。あのおどおどとした少年はもう、影も形もなかった。
 鬱蒼としたこずえを透かして見る夜空には、目の奥にちかちかと突き刺さるような月が輝いている。


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