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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
497
:
ピュゼロ
:2016/03/04(金) 07:26:15 ID:6aKA4RoY0
「どうも、今晩は」
戸口には九尾の狐が立っていた。
みしりと森を震わせて、いくらか鬱陶しそうに顔を歪めながら、魔理沙たちの前に突如として姿を現したそいつ。その、見る者を等しく畏怖させる九つの尾。
虚空から這い出した八雲藍は、その艶やかな九尾を悠然とたゆたせ――二人をうっすらとねめつけた。そこに見て取れたのは、人が雀の群れを認めはしても一々数えたりしないで、大雑把に一つの群として捉えるような、「ああ、人間が二人いるなあ」という無関心で傲慢なものがあった。
「いきなり現われて、なんなんだ一体。ここは私の家だぜ」
「――では、ええと、そっちが霧雨魔理沙、だったかしら?」
「いいや違うな。人違いだ」
「おや。家主じゃなかったのか」
「家主は私だ。が、霧雨魔理沙はそっちのヤツだ」
ドッピオを顎でしゃくってみせる。
「いずれにしろ、家主は不法侵入者を追い返せるし、敷地内の狐は獲っていいんだ」
「ふん。あまり調子に乗るんじゃあないよ」
不機嫌そうに藍がいった。ごちゃごちゃ言い合っていてもしようがないというように、スペルカードを三枚、取り出す。完全に臨戦態勢だった。言葉で説得できそうにない――というより、できない。
今のコイツは、そういうふうに式が打ち込まれているのだろうから。
つまりは、このまま後ろのドッピオを庇って藍と戦うか、あるいは何も見なかったことにするか。シンプルな二択だった。
「お前に不法侵入云々という資格はあるのかしら」
「準一級だぜ」
「なら、私が勝ったら不法じゃなくなるんだな?」
「そんときゃ、煮るなり焼くなり好きにして構わないぜ」
「それはそれは」
――魅力的な提案だ。
冷ややかな声だった。何の躊躇いもなく、ケツの穴にツララを突っ込んでくるような温度と雰囲気があった。
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