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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

484東方魔蓮記第五十七話:2016/02/18(木) 01:04:35 ID:9B4vADzA0

そして、とうとう永琳の無力化と拘束に成功した。
随分と永遠亭から離れた上に時間をくってしまったが、どうにか戦いに勝つことができた。
ディアボロは永琳を完全に拘束したことを確認すると、深く息を吐いて安堵する。
正直なところ、知恵比べとなるとディアボロには完全に勝ち目がない。
こうして『永琳が知らないこと』を沢山使うしか勝算が見えなかったのだ。

「さて……」
ディアボロはもう一度大きく息を吸い込み、周囲を見渡す。
「妹紅の方は大丈夫だろうか」
ディアボロはそう言って、ジャンピン・ジャック・フラッシュとクリームをケースに直す。
代わりに取り出したのはエアロスミスとウェザー・リポート、そして最初に竹林に入った時に使った地図だ。

……念の為にもう一度書いておくが、ここは迷いの竹林。
白兎の加護か案内人の導きがなければ、普通は延々と彷徨う羽目になる場所。
いくらディアボロでも、手段がなければ上空より集落に戻るしかない。

地図を改めて確認したディアボロは、永琳を拘束されたまま背負いながら竹林を進んでいく。
そして少し時間がかかったものの、無事に永遠亭へと戻ってくることができた。
そこでディアボロが見た光景は……輝夜と妹紅、両者が地面に突っ伏している光景だった。
「………フッ」
その光景を見て、ディアボロは「やれやれ」と言った表情をするのだった……。

その後、永琳を解放したのちに目を覚まさせ、ついでにサバイバーの能力も解除しておいた。
意識を取り戻した永琳は地面に突っ伏した二人を見ると、同じように「やれやれ」といった感じで輝夜に近寄り、肩を貸す。
ディアボロも同じように妹紅に近寄り、彼女に肩を貸す。
「今回はここまでだな」
「ええ、たまにはいつもと違うのもありね」
妹紅は不敵な笑みを浮かべながらそう語り、輝夜も似たような表情を浮かべながら妹紅の言葉にためらいもなく返す。

ここの二人が、トムとジェリーのように仲良く喧嘩している関係なのかはディアボロには判らない。
しかし、この二人はずっとこんなことを繰り返してきたことは、今の彼には十分理解できた。
……そしてきっと、これからも繰り返すのだろう。
恐らく、何世代先になっても、ずっと。

「行くぞ妹紅。そのままじゃ動くのも辛いだろう」
「ああ、ありがとう」

「行きましょう姫様。お茶を用意します」
「ええ、わかったわ」

4人はそう言葉を紡ぎ、片や永遠亭の中に、片や竹林の中に歩みを進める、

ディアボロは所詮、彼女たちの因縁の表面に触れたに過ぎない。
これ以上、この因縁に踏み込むのは今は無理な話だろう。
……そしてこれからも、踏み込めないものなのかもしれない。
それほどまでに彼女たちの因縁は深く、背負う物もまた重たいのだ……。




「(そういえば、こんなこともあったな……)」
少し前のことを思い出しながら、妹紅と輝夜のことを考える。
今思えば、幻想郷の場所についてはある程度の知識は得ているが、そこに住む人や妖の歴史については紫の記憶からしか知識を得られていない。
今後はもっと知る機会に恵まれるかも知れないが、その時彼は一体何を知り、何を思うのだろうか。


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