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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

475深紅の協奏曲 ―深紅の協奏曲 2―:2016/02/09(火) 01:06:10 ID:YIi0InD60

「ぎぃやああああああああああああああああああっ!!!!!」
「グゥイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!!!」



 一瞬にして視界が歪み、自身を殺さず逸らすという手段に気付いても。その勢いは留まらせず魔力の奔流を重ねてそのまま強引に突き破ろうと。
 最初はただの暇つぶしだった。次第にそれは相手のプライドを満たすための遊びになり、妹を虐げた怒りの矛先になり、気づけば自分のプライドも互いに突きつける貴族の泥遊び。
 それらが自身を構成していることを大いに理解している。もしどちらかが安易な敗北を選べば、自分も相手も互いに尊厳を傷つけあう、下らぬ自傷行為に成り果てる。
 それだけは避けたかった。気づけばそう思っていた。おそらく相手も同じだろう。……違う所は、相手は賭けるプライドが最初は一つ、今は二つ。
 それは自分と比べれば少ないだろう。だが、数の問題ではない。こちらからすれば戦う相手が倍になった、そんな印象。決してそんなことは有り得ないはずなのに、けれど目の前に事実がある。
 認めないのは礼を失する。それを認めたうえであえて叩き潰そう。それが彼の望みであり、自身の誇りなのだから。



「うああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!!」
「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!!」



 ディアボロの肉体が傷ついていく。踏ん張る両脚、太腿から体幹へ、頭部の血管からも、失われた右腕痕からも、食いしばられ欠けた歯が口内を傷つけ、負荷に耐えきれない損傷した内臓が血液が、出口を求めてありとあらゆる隙間を駆け巡る。
 レミリアの勢いが衰えを見せ始める。並はずれたその力の貯蔵ももはや底を突き、雄大な流れ星を思わせる輝きも尾を失い光量が落ちて。右眼から滴る血液が、自身の力に耐えきれなかったはずの血がほんの少しその在り方を取り戻して。



「「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!」」



 互いに、一歩も引かない。もはや再起など望まぬほどに。一縷の勝利を掴むために。
 だから勝敗を分けたのは、傷ついていても吸血鬼だったからか。最後の最後で欺いた人間だったからか。


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