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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
445
:
深紅の協奏曲 ―スカーレットクイーンの迷宮 5―
:2015/10/08(木) 09:22:33 ID:2./TCeyA0
「……うあ、あぁ、あ」
ほんの僅か、足りなかった。それを認識しようと反応が遅れる。竦んだ脚が、小さく相手から離れようとする。
その身体を、僅かに残っている服の切れ端を近づけ、フランドールはディアボロの顔を強引に近づける。
近づいた、困惑を多分に、恐怖に徐々に彩られていく直前の彼の頬に、小さく口付けをして。
「おしまい」
投げ捨てる様に、床面へ叩きつける。空気の揺れ、走るヒビは、唯の人間に耐えられるものではない威力を証明する。
横たわる肉体に、後ろに大きく振り上げた足を勢いよくぶつけ、吹き飛ばす。
椅子に戻っていたレミリアの方へ吹き飛んでいくそれは、脇の壁へ衝突し、それでもなお余る勢いは壁の崩落を持って分散していく。
「……ん〜〜〜、はぁー。すっとしたー」
「…………やりすぎてない? フラン。私の分が無いんだけど」
「先にやってたからもういいでしょ? 可愛い妹の分も残してあげるっていうのが筋ってものでしょ年長者。でも面白かった! 目を取られると宿ったそこに移るだけなのね。奪い取ろうとする人なんて初めてだったから知らなかった」
「ああそうかい。……私の時には退かなかったのに、フランには退くっていうのもなんだかなぁ」
「それにさそれにさ。あの人、以前あったことあるわ。前にも話した、恐怖の消える人間。近くで見たらその通りだったの、本当よ。きっと、今頃死体は消えているはず」
「あー、あんたの与太話。嘘でしょ? ……死体が残ってればわかるし、無くなっても証明か。確定しちゃうじゃない」
まるで遠くで話されているような。それも、どんどんと遠ざかっていくような。
わずかに繋ぎ止められた何かが、しかし流れ出ていって消えていく。
まだだ、まだ……。そう思っても、温かく小さな光が、差しては消え、差しては消えていく。
でも、何か、小さく、それでも聞こえてくる。忘れてはいけない、最初の、最後の声が。
「誰からも証明されなかったちょっと前の波紋がいま証明される時よ。あ、遺品。これも消えるのかな」
転がった右腕を、ひょいと持ち上げる。まだわずかに流れ出る血は、口づけした時に付いた食事と同じ物。
「……さすがに行儀悪いなー、あいつと同じになるのはヤだし」
「ふむ、しかし紫が言っていた奴も、こんなものか……楽しかったけど、いい勝負、とまでは行かなかったなー」
がたがたと、瓦礫をどかし遺体となった彼の肉体を探す。
「楽しかった? 私にとっては裏切られた感じ。驚きはしたけど、あれじゃ魔理沙とかの方が全然強いし面白かった……ぇ」
「それはそれ、これはこれ。少なくとも当時の咲夜並には強かったってあれ。……あれ?」
血に濡れた壁材を見つけ、そのあたりをどかすとそこには動かなくなった彼の肉体があった。
それを持ち出そうとさらに細かく除くと、あったのは。
「……子ども?」
自分たちよりかは肉体の成長はしているが、それは確かに先ほどまでの男の身体ではない。
示すものは失われた右腕、来ていた衣服、重傷の傷跡。全てが先ほどまで存在していた来訪者だと告げている。
不審に思い、その身体を持ち上げる。自分より圧倒的に大きかったその身体は、今は何とか手を上げればつま先を引きずる程度までには持ち上げられるほどに小さい。
持ち上げた拍子に、からと小さく。履いていたズボンのポケットが破れ何かが落ちる。
「何だろ、タリスマンかしら?」
鏃の形をしたそれを不審に思ったその時。
「ぎぃぃいいいいいいいい、やあああああああああああぁぁぁ!!!!!!!」
フランドールの慟哭が、レミリアを、紅魔館を揺らした。
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