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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

435まるく:2015/09/09(水) 00:16:23 ID:SNX6KJOc0
「ふっ!」

 愚かな弱者を踏み躙るため、蹂躙するためならばそのような手を汚さない方法が大多数の精神に打撃を与えられるために有効だが、勇敢な単騎を落とすには自らで手掛けた方がいい。ただ殺すためではなく、互いに相手を認め合い、真っ向から称賛を浴びせあう。
 何もいらない、ただそれだけで。煩わしい全てを削ぎ落した、最もシンプルな解答方法。
 彼の答えの一つ一つを、自分の問いの一つ一つを。境を経て、それは逆転してぶつかり合う。
 今もまた、速度を乗せた重打を『何か』で逸らして受け流された。並の盾なら、例えば美鈴の気塊ならそのまま砕き爆ぜる程度には力はこめていたというのに。
 眼前にナイフが迫り来る。咲夜が使う、銀製の投げナイフ。彼女が扱うものとして、直接使用することもあるためむしろ普通のナイフのような重さと大きさ。元々女性用であり、相手が使う分には少々小さい。
 だがそのバランスにもすぐに適応し、余計に振り回すことなく的確に急所を狙う。
 本体として、能力は並の人間、もしくはそれを上回るが少なくとも自分の様な、妖怪を相手取る力はないのだろう。並の妖怪にすら歯が立つかどうかもわからない。
 補うかのように彼の身体を中心に取り巻いている人型の『何か』。美鈴相手時に感じていた違和感。相対してみればそれの存在は明らかだ。自分自身には隠す余裕がないのかもしれない。頼りになる部下だが、それでも力の差は圧倒的だから。
 自分の攻撃を受けた時の肉打つ感触。自分に攻撃をする拳、脚。全く見えてはいないが、物理的干渉は行えるのだろう。それの挙動に関連して、音や風圧は隠されていない。
 そんな『何か』こそが彼をここまでの高みにあげる存在。それこそが彼の懐刀。

「ハァッ!!」

 一瞬に身を潜め、自身にも見切れない速さでナイフを振るわれる。顔面に振るわれたそれを右腕で防御するが、衝撃。
 左側頭部に頭蓋を直接砕き中を覗きみるための一撃が響く。骨にヒビが入るその音が、中から軋んで鼓膜を揺らす。
 
「っ、ぐぅぅういぃぃっ!」

 右手には深い裂傷があるが、そんなものは気にならない。頭に受けた腕を残した左腕で振り払う。
 後手で先も取れないが、直接に触れて払うことができるという確かなこと。
 受けた負傷を持ちながらも、全身をバネに後ろに飛び跳ね、距離を離す。彼の追撃はなく、一旦の膠着になる。

「ははは、今のは危なかったかな? いかなものでも、頭を砕けば続行は危ういからね。死にはしないけど」

 不思議に思うことは一つ。徹底して彼は追撃を嫌う。機会の後続を狙おうとしない。……もっとも、今の一撃でもそんなことをしようものならとっくに彼の首は永遠に治らない傷痕を負うことになっていただろうけど。


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