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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

434まるく:2015/09/09(水) 00:15:39 ID:SNX6KJOc0
 スカーレットは自負している。己の強さも、弱さも。一芸に秀でていない、その凡庸さも。
 私たちには鬼の様な力強さもない。天狗の様な俊敏さもない。魔法使いの様な知識もない。蓬莱人の様な不死でもない。人間の様な多様性もない。
 一極、尖ったものがあればそれを人が見て羨望と嫉妬、恐怖の目を向けるだろう。力を持つ者とは、知性を持つ者とは。生きる者、比べたがるものとはそういうものだ。
 吸血鬼とは、なんとも凡庸で目の無い種族だろうと。

 そんなわけあるか!

 鬼に俊敏さも知識も不死性も多様性もあるか?
 天狗に力も知識も不死性も多様性もないだろう?
 魔法使いが力も不死性も多様性も持たないだろう?
 蓬莱人に身体能力と知識で負けるか?
 人間に、どこか一つとして劣るところがあるか?

 そんなはずないだろう!

 己に誇りを持て。その血も、その種も、その命を。
 持ちうるすべてを傲慢に振るえ。歩けば、自ずと道になる。それは、彼の者達にはできぬ業。進めば自ずと臣下は歩く。それが、私たちに許された業。
 あいつらにできて、自分にはできないことなど何もない。
 ……だからこそ、だからこそ。


「くくっ、ははははは!」

 戦いの最中、自然と笑みがこぼれる。目の前の、この世界で一番矮小であるはずの人間と立ち向かうたびに。
 近づかずに攻めるのはやめた。僅かな思考を与える程度の弾幕では、悉く避けられる。通常のスペルカードルールでは使用しない、逃げ場のない密度でさえも、気づけば彼はそれを抜け、こちらに刃を向けるのだ。
 以前に立ち会った天狗の写真機とは違い、弾幕を無視して『すり抜けて』いる様な。咲夜のように時を止めて抜けることとは、少し違う。どれほどの厚い幕にも、僅かな隙間を瞬時に把握し、そこから漏れ出てくる。
 弾幕の防御は行うが、反撃を行わずに詰め寄ってくる以上、おそらく相手は遠距離に対応できるような技術はない。相手の心が折れるまで、いつまでもいつまでも追い払うのは簡単だが、血肉はそれでは湧き立たない。


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