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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

414深紅の協奏曲 ―スカーレットクイーンの迷宮 3―:2015/07/01(水) 12:20:46 ID:UEwtahiw0
「今の一撃、かなりの威力がありました。そうですねー、魔理沙のナロースパーク……いや萃香さんの生パンくらいありましたかね」

 ストレッチ……というには大仰な、ゆっくりとした運動を重ねながら美鈴は評価する。

「ためらいもありませんでした、『相手が死んだって構わない』というのが十分に感じ取れましたよ。……だからこそ、少し解せないものがあります。
 何か兼ねていたのでしょうか? それとも慢心でしたか? 私が思いの外強かった……なんてものではないですよね?」

 その流れるような動きを重ねる度、彼女の身体から、目には見えないが知覚できるような『何か』を感じ取れる。
 あれは中国拳法にてよく見られる動きか。そして気を使う程度と称された彼女の能力。
 人間の力には科学では証明しきれないような不思議な現象を起こせるものがある。一説には己の能力を何倍にも引き出すことができたり、傷の再生を速め、痛みを鈍らせることができたり。
 他者に流用すれば触れた者の病や負傷を癒し、逆に溢れる過剰な力は相手を破壊する力に転ずる。
 そういった物に近しい『何か』であろうか。

「……あの力量で、より正確に良い急所を狙えば即死、あるいは戦闘不能だった。それをしなかったのは何故か……覚悟と行動にややも矛盾を感じられます。殺人に抵抗を感じられるような人間ではないと思いましたが」

 だん、と力強く地を踏み鳴らす。同時に、先ほどまで感じられた『何か』が目に見える形となってその踏み鳴らした場から吹き上がる。
 その確かな奔流は周辺に強い風圧を巻きディアボロの身体を激しく撫ぜ、美鈴自身の身体も衣装も激しく揺らす。
 先ほどに打った腹部は普通と変わらない、健常な色がちらと見える。
 不意を打てたとはいえ、神の身体を貫けた一打を気を廻すことによってここまで抑えられることができるという証明だった。

「その程度であるならば、本来紅魔の門を潜れはしない! 陽の当たる舞台へお帰り願おう!」

 見得を切るのと同時に、高らかに足を振り上げる。同時に、虹色に輝く、彼女より二回りほど大きな気塊が放たれ、それが円を成してディアボロを襲う。
 一瞬の光景にややも面を喰らうが、ゆっくりと前進するそれは回避、防御には余裕がある。
 ……つまり。

「せぇいっ!!」

 その気塊を突き破るように、拳に同じく虹色の気を纏った美鈴が突っ込んでくる。
 初段は目くらまし、その後の追撃が本命。そのことは『視えて』いたことだ。
 その拳をキングクリムゾンの手で受け、流す。それはディアボロの本体の動きに合わせて動き、あたかも自身の力のみでそれをやりおおせたように見せかけて。

「ふっ、はっ、ぃやあっ!!」

 そのまま、流れるような連撃がディアボロを追い詰めようとする。右の拳が彼を討とうと振るわれ、それを避ければ回転、左脚、右脚と独楽のように回り追撃の手を緩めない。
 一挙一挙を受け、躱す。最初の突撃のように、難なく防御できているように。
 美鈴が虹色の気を脚に纏いながら小さく空を舞い、弧を描くようにそれを振り下ろす。予定されていた一撃を、後ろに避け躱す。
 明確な大振りの一撃、それを避けたことによる機。美鈴の着地に生まれる僅かな姿勢の揺らぎ。


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