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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

399深紅の協奏曲 ―スカーレットクイーンの迷宮 2―:2015/05/01(金) 21:48:54 ID:ySrGHjTA0

 語っていたディアボロに、興味を失ったかの表情を浮かべてレミリアが口を挟む。

「つまるところ、唯の力試し程度なのだろう? 私も見縊られたものだ……それとも、あまりに現実離れしたこの地に馴染み、私たちのような妖怪に対する認識がぐらついているのか……
 どちらにしろ、面白い来客だと思っていたのにその程度とは。……興醒めだよ」

 レミリアが手の叩き、乾いた音が響く。それと同時に、ディアボロの右手が何者かに掴まれる。
 取った相手は、着いてきていなかったはずの門番。「残念ですが」と、彼女の唇から小声で紡がれる。

「美鈴、そいつはもうここに用はないみたいだ。丁重に送ってあげて」

 ぐいと手を引かれ、退室を促される。
 当然だ。自分より格下の者に、同じ人間同士の戦いのための踏み台になれと言われているのだ。……吸血鬼でなくても、怒りにも呆れにもとられるだろう。
 しかし、だからとてそこを偽るつもりはない。こちらの真意を伝えたうえで、向かってもらわねば、到底奴に太刀打ちできるとは思えない。
 あの敗北が、レクイエムの呪縛が、自分の中のジョルノを大きくしているのだろうとはわかっている。が、それほどの相手だと、今までの自分の積み上げた物を一瞬で崩したあの男が、目の前の吸血鬼に比類しないとは思えない。

「、っ」

 引かれる手を弾き、自らの意志を再度示す。

「……何のつもりだ?」
「今言ったとおりだ。これから起こる出来事は、私にとっての岐路となる。己の野望を燻らしたままに生きていくことは有り得ない。
 もしこのまま元の世界に戻ったとしても、幻想郷で過ごしていくとしても、過去を忘れて生きていくことなど、私にはできはしない」

 先ほどの射るような目線に返すがごとくレミリアを睨み返す。
 強大な相手への宣戦布告。それでも、あの女狐に相対した時の様な恐怖感を、少なくともこの時は感じない。

「……お嬢様?」

 美鈴が問う。発したのはその一言だけだが、その意味合いは今は一つ。

「変わらないよ。丁重に送り出してやりな」

 その言葉が発せられた瞬間に、ディアボロと美鈴の間に火花が散る。
 一瞬の目線のやり取りは、美鈴に下がらせることを選択させた。

「、っとぉ。……頂けませんね、その顔は。少々痛い目を見ることになりますが……よろしいのですね?」
「……」
「二言は無いということですか。……?」

 レミリアの眼前の広間にて対峙する。
 肩幅よりやや広めに足を開き構える美鈴に対して、何をするわけでもなくただ歩いて距離を詰めるディアボロ。
 どう見ても、美鈴と渡り合えるようには見えない振る舞い。少なくとも、道としての武の研鑽を積んでいるようには見えず、人間と比べれば対なきほどの経験を重ねた彼女には太刀打ちできそうもない、印象。

「…………」


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