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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

396深紅の協奏曲 ―スカーレットクイーンの迷宮 2―:2015/05/01(金) 21:47:08 ID:ySrGHjTA0
「綺麗でしょう、この庭。私が手入れしているんですよ。さすがに白玉楼の彼女には劣りますけど……あくまで彼女とは専門が違いますからね。私は門番の傍ら庭の手入れ、彼女は庭師の傍ら侵入者の掃除ですから」

 穏やかに語りかけながらよく手入れされた庭を横切る。
 白玉楼で見た物とは大きく様式は違う。あの庭が、あの敷地が和風だったこと。幻想郷自体が日本に存在するということでそれが当然なのだが、この紅魔館の趣向はそんな和とは違う、ディアボロの祖国イタリアを属する欧州の趣。
 故にその様式に美を感じる前にどこかの懐かしさを覚える。もちろん、その剪定技術も並ではないことを感じさせるのだが。

「幻想郷では門番やってても暇が多いですからね。ある程度は門番担当の妖精に任せてこういうことをする時間が取れてしまうんですよ。……まー、それでも侵入しようとするのがいないわけじゃないんですけどね。黒白とか魔理沙とか」

 特に対話を求めてディアボロに話しかけているわけではない。進行も、美鈴が先を行きその後に距離を離して彼がついてきている。
 もちろん話にかまけているだけではない。歩きに油断は見えないし、決して顔を合わせるわけではなく後ろに居ることを認識するために話している。
 隙はない。

「侵入者は普段から丁重にお帰りいただいているし、塀に囲まれているので普段はこの景色を見せることは少ないのですが、少なくない宴のときにここが寂しいのでは主の器量が知れてしまいますからね。
 もっとセンスある方が担当できればいいんですけれども、咲夜さんも多忙だし、私たちのような存在がいるのに人間に肉体労働させるのはなんですからねぇ」

 この広さの庭を重機などを用いずに準備をするのは骨が折れるだろう。その後の剪定でも同じ理由で苦労が見える。白玉楼の庭師の労力もおそらく相当であっただろう。
 そのような会話をしている間に館の扉の前に来る。こちらは門の様な強固な造りには見えず、美鈴もそれを特に力を入れずに開く。

「改めまして。ようこそ、紅魔館へ。主君の命により、館はあなたを歓迎し」
「咲夜ー。どこー?」

 扉を開いたその先、エントランスにかかる両階段。その上をとことこと歩く寝間着姿の幼子。

「これはフランの着物よ! サイズは一緒でもこんなの着れないわ! 洗った後は妖精メイドに任せないであなたがやるように言ったでしょー!」


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