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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

386深紅の協奏曲 ―BGM2 三枚の写真―:2015/04/15(水) 22:41:29 ID:40zn9w1c0
 一枚、また一枚と景色を切り取ってはその写真をアルバムに挟み込む。
 この辺りから少し離れたところを撮ろうか、そう思った時に。

「……?」

 茂みを歩く音。荒い吐息。倒れる様な音。
 中から騒霊らしい音が響きまわる中、そんな音に引き寄せられるには異質な音。

「……誰か、いるの?」

 洋館の影、二人が騒いでいる反対側からその音は聞こえてきた。
 そんな来訪者を訪ね、恐る恐ると覗いてみる。

「……人?」

 見たことの無い人間だった。
 幻想郷の住人にしては、衣装は違う。外来人ではあるだろうけれど、それなら何に怯えているのだろう?
 確かにここは紅魔館の近くでもあるが、それでも自分たちの館の近くにまでくれば人を襲うような妖怪は出てこない。自分たちの音に影響されて人を襲う場合ではなくなるのがほとんどだから。
 何かに襲われてからの来訪だったのだろうか? それにしては傷は一切ない。攻撃された後ではなく、あれほど肌を露出しているのに、草木に擦れた傷すらも。
 そんな、不自然な人と自然の合成に。

「!?」

 突然の光にその人間は驚く。

「……あぁ、すまない。驚くよね。急に撮ってしまって。ちょっと、その姿が素敵で」
「うあ、あぁぁ……!!」
「……え」

 様子がおかしい。
 自分は人喰いの様な容姿はしていないし、見た目にそぐわぬ妖怪も今は多いからそれを警戒しているのだろうか?
 両手を上げてとりあえず襲わないことをアピールしながら、

「お、落ち着いてほしい。別にあなたを取って喰おうとしているわけじゃない。その、えーっと」
「や、やめろ、こ、来ないでくれ……!!」
「そ、そこまで恐れられなければならないのか……少しへこむ」

 表情を曇らせながらも、それでもなんとか距離を縮めようと思うが、男は怯えて下がるのみ。
 どうしようかと困っていたその時。

「あっ」
「えっ」

 突然、穴に落ちた様に姿を消す。慌ててその場所を探るが、穴どころか何もない。

「……スキマ妖怪?」

 幻想郷では名の知れた彼女、こんな芸当ができるのは彼女くらいしか思い当たらない。
 理由はわからないが、彼は、消えた。消されてしまった。


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