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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

385深紅の協奏曲 ―BGM2 三枚の写真―:2015/04/15(水) 22:40:54 ID:40zn9w1c0
「いいよ! 姉さんすごくいい! そのポーズがすごく『イイ』!!」
「そう!? そうよね!! 輝いてる? ねぇ私輝いてる!?」
「輝いてる輝いてる! すっごく輝いてる! メル姉さん、ここらでそこのボタンも外してみようか!」
「いいえリリカ! ここはそんなすっトロイことをしている場合ではないわ! 全部『脱ぐ』ッ!!」
「うおーい姉さんマジ!? そりゃマジ?? いいのそんなにしちゃって! 麗しいメルランボディーがまっさらだよ! 初雪積る山の様なそのボディー!」
「あぁっ、いい! すごくいいわ! 興奮してきた! リリカ、あなたも脱ぎなさい!」
「え? いやそれはないわ」

 洋館の一部屋、卓の上に少女が一人立ち、その姿を撮影しているもう一人。
 彼女たちの周りにはトランペットやトロンボーン、ホルンなどの金管楽器が宙を舞い、卓上の少女が何か動いたり喋ったりするたびに音を奏でる。
 一見めちゃくちゃな音に聞こえるが、それは妙につながった音にも聞こえ、人間が効いたら否応にも気が周ってくるような、そんな音。

「そんなこと言わないで! 姉さんはリリカと一緒に写真が撮りたいの! 姉妹が揃って仲睦まじく卓上で踊っている姿を記録に残したいのよ!」
「だからといって脱ぐのはないわー」
「そんなことない! これからは暑くもなるのだし姉妹同士で仲睦まじく卓上で踊っている姿が流行になるわ! 次のライブのチラシにするの!」
「ルナ姉にそういうの振って」

 卓上の半裸の姉が、撮影していた妹の体を揺すって訴えかけるが、先ほどまでの高いテンションとは打って変わって完全に冷めた目で対応する。
 先ほどまでのはただの合わせだったのだろうか。しかしもし彼女を知る者がいたらまさしくその通りだというだろう。

「……お茶、置いておくわよ。こぼさないでね」

 黒い衣装に身を包んだもう一人の少女が、戸を少しだけ開けると中にお盆だけを入れて退場した。
 二人になるべく気取られない様に、ということだろうか。

「……まったく。新しいおもちゃを手に入れたからって……二人はまだまだ子供ね」

 そう言いながら黒い衣装の少女は洋館の外に出る。傍らには卓上の少女の周りに浮いていた金管楽器の様に、ヴァイオリンが宙を舞う。
 空いた手にはカメラ。幻想郷の住人である彼女が持つには似つかわしくない、やや大型の機構が付いたポラロイドカメラ。

「……うん、撮るなら人や物事よりこういう自然がいい。人には人の役割がある。妹達ならともかく、私はこれくらいでちょうどいい」

 そう呟きながら、洋館の周りに存在する自然を撮影していく。彼女が出てきた洋館はとてもじゃないが人が住んでいるとは思えないほど荒廃しており、その周りの自然も同じように全く手の入っていない原風景。
 廃洋館自体は珍しいが、その周りの自然は珍しいわけではない。彼女はそんな二つが入り交じった風景が好きだった。
 いつも見られる風景に、いつもは見られないその姿。そんな風景はエンターテイメントを提供する自分たちのようだ。彼女はいつも、そう思っている。
 かしゃり、かしゃり。シャッターを切る度にその風景が切り取られて一枚の絵となって現れる。
 音楽もいいけれど、こういう写真を撮りためて飾るのもいいかもしれない。ああ、同じ場所を季節ごとに違う風景を切り取るのも美しいかな?

「天狗はこういった使い方をしない。いつも目を引くものにだけにしか使わないから。私がこういうものを撮っていることは記事にしてもその先は記事にはしない」


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