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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

380深紅の協奏曲 ―BGM2 三枚の写真―:2015/04/15(水) 22:37:25 ID:40zn9w1c0

「あー、おなかへったー。ねぇ、まだつかないの?」
「この辺りだけど……そもそも捕まってないかなぁ。最近はうろついてるのもレアだし」

 暗闇の森の中を、二人の少女が木の間を縫うように飛んでいる。
 夜の闇、照らす星の明りさえも木々に阻まれほとんど見えていないはずなのにそれを障害とすることなく飛行する。

「久しぶりの人間でしょ? 私が先に見つけたら多めにもらうからね」
「それはいいけど、それでも頭は残しておいてほしいかなー。あの子たちのいい食事兼寝床になるからさ。できればお腹がいいんだけど……」
「お腹はいちばんお肉たっぷりだからダメだよーう」
「だよねぇ……」

 不満そうな顔をして答える金髪の少女、それに対して当然かと苦笑いを浮かべる緑の触覚、緑髪の少女、そんな二人。
 『人間の消える道』とも呼ばれる道の一つ、そんなところを飛ぶ二人の妖怪。

「お墓の周りには外から来る人が多いから狙い目なんだけどねぇ」
「なんだけどねぇ。じゃないよ、そっちはちゃんと探してるの?」
「見えないからあんたに頼ってるんじゃない」

 会話からも、人間の捕食を目的とした、本当にただそれだけの内容。
 人間が家畜を食す自らに何も異議を持たない様に、彼女たちが人間を食す自らに何も異議を持たない。

「……はぁ。私のはあんたと同じくらいにはよく食べる子たちが多いんだから。私の分はなくても問題ないけど、強い蟲になってもらわないと」
「前から思ってたけど、蟲に食べさせてどうするの? 食べるものなら草でも何でもいいじゃん、蟲なんだし」
「蟲だからってなめないでよね。自分より強い者を喰らえば生き物としての位が上がる。より強い妖怪蟲の何かになれるかもしれないってこと。地位向上には強い人間や妖怪を食べさせるのが一番だわ。
 そっちだって、前に里の桃色を食べようとしてとっちめられたじゃない。その時に言われてなかった?」
「忘れた」
「……はぁ。……んん?」

 緑の触覚がぴくぴくと動く。

「対象を発見、10時の方向!」
「おー! どっち?」
「んー、あっち?」
「よーしっ!」

 方角を指さすと、金髪の少女から黒い何かが広がる。
 その黒は辺りを包み、木々を、草を、大地を、夜を闇に染め上げる。


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