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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
358
:
深紅の協奏曲 ―真実へ向かうための行進曲 4―
:2015/03/01(日) 00:20:27 ID:7hyTWeVM0
店主と同じ年くらいの女中が二人の席に声をかけてくる。確かに他に座れる席はなく、店の入り口には席を開くのを待機している組もいくらか見える。
「む……まあ、構わないよ」
ディアボロに尋ねる前に、ナズーリンが答える。そこに意見は聞く気はない様子だ。ナズーリンからすれば断る理由はないということだろう。
こちらも、自分にあまりに干渉するわけではないならどうでもいい。
「よかった! お客さん、こちらへどうぞ」
「ふむ、すまないね。……おや」
「げ」
そこに現れたのはメガネをかけた線の細い男性。その顔を見るなり、先ほどまでとは違う苦々しい顔をナズーリンが浮かべる。
彼にはドッピオの時には応対している。そして先ほどの偉人伝にもその名前は載っていた。そこを開き、顔を見比べる。
「人の顔を見るなりにそんな顔をするのはやめてくれないか? ……君は?」
「人の物を勝手に商品扱いして吹っかけたくせに何を。聞いた話だと庭師にも同じことをしていたみたいじゃないか」
霖之助とナズーリンはどうやらあまり相性が良くないらしい。が、以前の彼を省みるにそれほど立ち入ることはしないだろう。
ナズーリンと相席していることもあって気にはかかるようだが。
「以前に彼女に助けてもらったことがあるだけだ。席が無くたまたま相席している」
そちらに関心はないと言外に詰め、読書に戻る。
「そうかい、妖怪に助けられるとは災難だったね。僕は霖之助だ。それを読んでいるならそこに載っているからわかるだろうが、まあ古道具を扱っている。外から流れ着いた者も多いから何か興味があれば顔を出してくれ。
店主、えーっと……霧の湖の……この能書きのやたら長い大福をくれないか」
想像通り、大したことの無く読書を続けることはできる。
「おや、男性でも甘い物には興味が出てくるものなのかな」
「どうも頭を使う仕事をしているとそういったものが欲しくなる傾向だね。嗜好の問題以前に体が欲するんだ。そこに男も女も関係はないだろう。
それに、幽香が手にかけた子どもたちが使われているとの話だから、その感想の提出を求められている。彼女にしては珍しいが、乗らなきゃそれはそれで面倒があるからな。文では信用できないらしい」
捲し立てる様に、というわけではないが開いた口はなかなか止まらない。弁の立つ人物のようだ。……そういえばあの時も入道使いに止められていた記憶がある。
「元々大福は腹持ちの良さから男女問わず食べられていたからね。餡や砂糖などを使った甘い物が女性の嗜好品として目立ち始めたのはごく最近さ。
食に不自由していた昔だからこそ、そういった目的で食されてきたが今では外もここも飢饉で苦しむことなんてほとんど起きえない。大規模な水害や日照りなどもしばらくの間起きてはいないからね、貯蓄しなくても良いというわけではないがそういった傾向はむしろ吉の方向だろう」
「あーはいはい……結構おいしそうだね」
二人が話している内容も、興味はない。こちらに気に掛けないのであればそれでいい。
紅い悪魔、その妹。大図書館に華人。人間ながらに妖怪の館のメイドをしている少女。
読み進めれば進めるほど、興味は尽きない。ここまでの奇人たちを集めた館と、その主。
そればかりでなく、他の項目の妖怪にも目を通す。かつて目を通した、閻魔や亡霊姫。九尾や天狗。必ずしも全てが載っているわけではないようで、例えば河童の項目には大まかな種の記述はあるが個人の記述は何もない。
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