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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
356
:
深紅の協奏曲 ―真実へ向かうための行進曲 4―
:2015/03/01(日) 00:19:24 ID:7hyTWeVM0
「……? まさか、本当に死んで生き返ったわけじゃあないだろう? どこぞの医者たちではないのだから、身体は一つ、生命は一つだ」
「……そうだな。むしろ、死なない者も居るのか幻想郷は」
「妖怪ではそれなりに居るが、人間でもそれなりに居る。広義の意味なら、聖も不死に近いよ。もっとも、老化による寿命が無い程度で刺されれば死ぬけど」
刺せればね、と起きつつまた珈琲を一口すする。
不死でも、長い戦闘の末に力尽きることはあるのだろうか。そういう意味では勝利することはできるが、最も自分よりその弱点について耐性を持つようにするだろう、それは難しいかもしれない。
ともかく、ページを少し飛ばして言われた者を探してみる。種族の項を飛ばしていくうちに英雄伝と打たれた項から、その存在は載っているようだ。
博麗の巫女や道具屋の、普通の魔法使い。時を操るメイドに古道具屋の主人。
その先に載っている三人が、どうやらその不死であるようだ。
「…………」
偉人伝として評価はされているが、ややも漠然としていてどうにも掴むことができない、といったところだった。
むしろ、興味を引くのはさっきから目にする所属の一つ。それは、時を操るメイドの所にも記述があった。
その不死の三人もどうやら同じ、永遠亭の所属のようだが、それより先に気の付いたところを探すために、またページを戻す。
魔法使い。妖獣。獣人。……そして。
「……、吸血、鬼……」
そこに書かれていた内容は、外に当たる自分たちの世界でもよく言われている吸血鬼のイメージ。
人間の血液を食料とし、驚異的な能力を備えるが弱点は多い。その項目の最初の紹介者こそ、今までに気にかかった紅魔館の主。
「…………」
今更幼い少女だということには驚きを持たないし、嘘っぱちな伝承でも若年の姿でやれ百年だか千年だかと言われている。
そんなことはどうだっていい。今は重要なのはそこに書かれている内容。
急速に動いていた手は止まり、そこに食い入るように動かない。新しい玩具が手に入り、その取扱説明書を読んている少年の様な、そんな姿。
「スカーレット姉妹かい? そいつが相手なら、さぞかし楽しめるだろうね」
少し安堵の色の入った様子でナズーリンが口を開く。問題を起こす対象が、問題の巣窟に向いたことだろう。縁起にも凡そ問題を起こす中核の様にも書かれている。
それでも、ディアボロはその二人が気にかかった。何より、実在する吸血鬼という存在。
『それは本当にあの吸血鬼なのだろうか?』
この一点が、彼の思考を支配していた。
「……ネズミよ」
「ナズーリン、だ。呼ぶならちゃんと呼びたまえ」
「ならばナズーリン。……いや」
思わず尋ねてしまったが、彼女には自分の質問に答える義理もないしそれをさせる術もない。また、『あれ』について知ってしまえば、また新たな火種になる恐れもある。
もっとも、この幻想郷に存在するのは幻想に実在する吸血鬼。そして、自分が知っている『実在した吸血鬼』とはまた別の存在なのだろう。そう信じたいだけであって、至る証拠はないが。
……対面の少女の怪訝な目が、変わらない内に続きを聞いた方がいいだろう。
「……今、何時だかわかるか?」
「? 昼近くのー、11時ごろだが」
適当な相槌を交わして、再び本に目を戻す。もし自分の思い描く通りであれば、恐れられた存在の証明であるし、なければないで何も変わらない。
だが、確かに自らが最も興味を引き、かつ打ち倒すに足る器の持ち主。その者が、ようやく見つかった。
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