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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
330
:
深紅の協奏曲 ―真実へ向かうための行進曲 3―
:2015/01/29(木) 00:12:31 ID:dpoNFIaY0
――――どしゃ どしゃ どしゃ
土をかける音。掘った穴の中に『彼女』を入れる。
――――ぶち ぶち ぶち ぶち
縫い合わせる音。『彼女』が救いを求めないように
――――がつ がつ がつ がつ
殴りつける音。自らの罪を『彼女』が理解するために。
ひどく滑稽な光景だった。小さな子供がいつまでも起きない母親にじゃれつくような光景だった。
子供が大きく手を振り上げ、女の顔を叩く。その度に、耳障りな衝撃音が辺りを支配する。
そんな力を、子供が持っているとは思えなかった。だが、辺りに血しぶきが舞い、女の意識を消しては覚まし、消しては覚ます。
互いに、表情はなかった。子供の顔は、まるで無感情な機械の様に。女は、表情というものが既に消失してしまったかのように。
一切の言葉もなく、ただただ肉を殴る不快な音だけがその場を埋め尽くしていた。
「何故、僕を生んだ」
女は答えない。否、答えられないというのが正しいだろう。度重なる殴打によって肉体、精神共に負傷し反抗どころか応答すらままならくなっている。
「何故、僕を生んだ」
子供が顔を近づけ、口づけを行えるかの距離で問う。浅く上下する胸から押し出される息が彼の顔を掠める。
「二人か? 三人か?」
脳裏に浮かぶ、この目の前の女と養父が行った汚らわしい姿。それはどこまでも欲望に忠実な姿。
己を信じていた、己が信じていた姿を汚し蹂躙する、何も考えていない瞳。
その瞳に映る姿は、
「…………」
温かく軽い何かに包まれる感触と、自分を射す強い光。
まどろみの頭を溶かす様な温かさ。その誘惑は再び目を閉じれば味わえそうな。
「ッ、ここ、は……!?」
働かない頭から急に電気信号が送られ、身体全体に熱が送り込まれたかのように、徐々に稼働し始める。
周りは幻想郷ではよく見た家造り。手入れはしっかりされていて、人間の住居、その一室というのは間違いない。
自らが横たわっていた布団の傍らには軽食と水が置かれていて、いつ目が覚めても問題ないように配慮されている。
時計といったものが存在しないが、陽の射す角度からして9時から10時ほどであろうか。
部屋を別ける戸の先からは、自分を介抱した人間か。何人かの穏やかな談笑が聞こえる。男も女も、そしてどうやら中年から。
「おう、あんちゃん起きたのか!」
その戸の先に向かうと、どうやら昨日の盛り場で間違いないようだった。声をかけた店主も同じであり、店の構造も変わっていない。
だが、雰囲気は違う。昨日の様な酒にまつわる場ではなく軽食や時間を過ごすカフェの様だ。
「来るなり倒れちまってよ、大丈夫かい? 背中にひどい傷もあったし、妖怪にでも襲われたか?」
言われて背中を擦るが、そういえば痛みはない。今まで治療をしていなかったはずなのだが。
「ああ、怪我の具合なら大丈夫だろって! 永遠印の塗り薬はよく効くからなぁ。けれど、少しは休んでいた方がいいってよ。あんちゃんが倒れたのは傷より疲労具合だろうからって」
ディアボロが口を挟もうとする前に、その禿げ上がった店主が聞こうと思っていたことを話す。大きな声には不快感はなく、確かにこれが店主なら昨日の盛り上がりも理解できる。
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