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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
327
:
深紅の協奏曲 ―真実へ向かうための行進曲 3―
:2015/01/29(木) 00:10:27 ID:dpoNFIaY0
「いやあ、驚いたよ。あはは、死体ならともかく生きている人間が空から降ってくるとはね」
幻想郷の夜を、ディアボロは一人の少女と行く。
猫の妖怪であろう、赤い三つ編みに頭にはそのまま黒い猫の耳がついており、押し車を持ったその少女。
彼女の証言通り、空から落ちてくるディアボロを偶然に見かけ、さぞ何か、と思い駆けつけてくれた。
「あんまり壊れちゃうとアレだし急いで受け止めてみたら生きているんだし、そりゃあ驚いたよ。あはは」
彼女が笑うと共に、能力で呼び出したのか、赤ん坊の頭程の大きさの青白く燃える髑髏が笑っているかのように震える。
不気味な外見だが、それが月明かりしかない道に更なる明かりをもたらしている。
「血濡れも大体拭き取れたけど、背中の傷はあたいにゃあどうしようもないねぇ。痛まないかい?」
「痛まないと言えば嘘になるが、里で手当てをすれば問題ないだろう」
どうしようもないと言われた以上、これ以上干渉されないように答えるが、処置もしていない灼かれた痕が痛まないはずがない。
今の彼には、ただ耐えることしかできなかった。それでも弱みを見せない辺りはさすがというべきだろうか。
「ふーん……見た感じ、死にたがりって顔でもないしー……どうしてこんな傷を負いながらも落下散歩してたのか、あたい気になるなぁ?」
「人里は、こっちでいいのか?」
「……いけずぅ」
まさしく猫なで声、と言わんばかりの声色で彼女はディアボロに問うが、それについては答えない。単純に、話しても理解を得られないと思ったから。
自分の考えの通り、死ななかった事を頭の中で反芻をしている。
死のうと思って行動をすれば死ぬだろう。しかし、『死なない』と思って行った事に関しては死なないと思った。白玉楼から飛び降りるという奇行は結局のところこの点に集約される。
死なないと思っていても、どこかに不安を抱えていたからこその予知。今までの自分の心の拠り所の一つを敢えて捨て去った行動。
結果それは功を奏しディアボロに一種の自信を植え付けた。
「んー……まあいいか。いやぁね? あたいは火車って言ってさ、死体運びがお仕事なのさ。好きものこそうまくなれーって、生きているより死んでいる方がお好みなわけでー」
「…………」
「あはは、安心してちょうだいよ。生きてるのをわざわざ殺す様な品の無いことはしないさ。あたいはこれでも行儀のいい方で通っているんだよ?」
「品が無いのか? それは」
「無い」
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