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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

317深紅の協奏曲 ―真実へ向かうための行進曲 2―:2014/12/26(金) 23:18:25 ID:NaoiPVXc0

「おい、何を、した?」

 彼女の髪の毛を掴み引き上げる。片目は潰れ鼻は拉げ血に染まったその顔でも、男の本能を揺さぶる何かを感じられる。
 歯の欠け血の流れるその口がにやりと歪むと、

「……さあな。どうした、止めを、刺せばいい」

 その顔と声色は、とてもじゃないが運命を諦めた顔ではない。死を受け入れた顔でもない。

「ああ、何だ……そんな顔を、するなよな。勝利を、刻みたければ、刻めばいい。征服は男の性だろう」

 ぜいぜいと声を出すたび胸から出血する。揺れる乳房が、艶やかな唇が、見据える瞳が、……どれも崩れているにもかかわらず、ディアボロの脳を刺激する。
 今野生を晒せばどれほど楽になろう。獣欲を満たそうとすれば、今までにない快楽が身を包むだろう。
 どちらの本懐も、それで満たせるだろう。

「……ッ」
「!! ……ん、はぁ」

 彼の取った行動は、その赤い果実を貪ることだった。
 顔面に彼女の血液が付着する。口内の鉄の味が共有される。ほの甘い液が、背の焼けた痛みをも忘れさせる。
 全てを忘れて、彼女を得たい。力無いその肉体を自分に寄せ、強く強く抱き寄せる。

「んぅ……ん、っ、…………」

 強く抱き合い寄せ合う故にわかるのは二人の体温のみ。表情を窺えるほどの隙間もないほどに。
 ディアボロから、求めさせた。彼の欲を煽り、征服『させた』。その一歩を藍は味わう。
 脳が溶ける様な得難いその味わい。主を裏切り、自らを捨て得たこのひと時。
 これは、永遠となるだろう……

「ふぁ……ッ!! ギッ!!!」

 突然の熱に目を見開き、動転する。抵抗するその脳に、身体は反応しない。
 ぎちぎちと、絡めた舌が猛烈に危険信号を放つ。
 同時に、ディアボロは髪を掴んでいたその頭を、床に叩きつける様に振り下ろす。
 その衝撃と、強く押さえられた舌は耳に残る不快音を残しつつ。

「ばがっ、あぁ……!! あっ、っ…………!!!」

 ディアボロは紅い小さな肉塊を吐き出す。共に、多量の唾液と混じった血液と。

「……恐ろしいな、妖怪というものは……そうだな、その程度では死なないのであれば、そういうこともしてくるということか……」

 敏感な苦痛と全身の痛みから混乱する。魅了が、効いていないことに。
 単純に抗えたか、それとも? そう考えるにも、時間が、状態が。

「……ッ、ぁ……ッ!!!」
「同じだよ、気を取り戻そうと私もした。危なかったよ女狐。魔性の女」

 薄れゆく意識の中に、ディアボロは藍に左手を見せる。
 その左手の小指、薬指はあまりに不自然なふくらみをしている。

「一本折る程度では意識は戻らない。三本目は取り返しに時間がかかる。戻しは苦痛だが……その点はお前と一緒だ。死なない程度に苦しめればいい」

 最後まで、自分を驚かせる奴だ。苦悶の中にもそのような表情を浮かべる。
 おかしいと感じながらも、それに乗った振りをして。同じように、自分を痛めつけて。
 多量の出血と舌が切れたことによる呼吸困難で、藍の意識は徐々に霞んでいく。


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