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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
313
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深紅の協奏曲 ―真実へ向かうための行進曲 2―
:2014/12/26(金) 23:15:49 ID:NaoiPVXc0
戦いの始まりはいつも静。それがいつ切れるか、その程度の話。スポーツであれば、審判を務める者が合図を出す。それをきっかけにする。その程度の話。
一旦は始まった二人の対峙は、互いの挙動を見つめ合い出方を窺う攻防に変わっていた。
ディアボロには『エピタフ』がある。『キングクリムゾン』がある。相手の行動を予知し、その行動を時間ごと吹っ飛ばし、なかったことにできる。
藍はそれを知っている。不用意に仕掛ければそれを躱される。無駄な労を行う必要はない。
何より二人とも、相手のデータが欲しい。
未知の相手に対する情報。動きの癖、目線の配り方、得意な足運び、色々、色々。武術に特別造詣のあるわけではないディアボロだが、戦いに少なからず身を置いた者、策無しに突撃することほど愚かな行動だと知っている。
既知の相手に対する情報。前例は少ない、完璧な動きは把握していない。ましてや技術以外の特異な能力を持っている。戦いとは、可能性の潰し合いだ。理詰めで一つ一つ可能性を潰していけば、王手などたやすい。そのための、道標。
先に出した方が負ける。互いにわかっているからこその静寂。正解とは言えないが間違いとも言えない、数ある答えの一つ。
「…………!!」
結果、先に動いたのはディアボロ。
いや、先に動かされたというべきか。藍との僅かな距離を攻撃のために詰めるその行動は、彼のいた所が何かによって炸裂する、その回避行動でもあった。
足元から伸びる影から、無数の触手ともいうべきものが彼を犯そうとその手を伸ばす。一度目標を見失ったその腕は再度目標を補足すると再びその腕を伸ばし始める。
藍も、向かってくるディアボロに対して手を顔の前で交差させ迎え撃つ。僅かな距離、行えた行動はそれ一つ。
「 ッ、ふっ!!」
一瞬、確かに意識を注視していたはずなのに認識がずれる。
正面から向かってきていたディアボロは視界の端に映り、彼に向けた触手が自身に向かってくる網膜からの情報。
迎撃の為に構えた腕は振るわれており、彼女の二重の迎撃が行われようとしている、事に気付く。
振るわれた軌跡に沿うように苦無型の青みがかった弾が生成され、そのまま切っ先を変えず真っ直ぐに飛んでいく。結果、それは彼女の盾となり近づこうとするディアボロを寄せ付けない。
再び、距離の離れた位置に二人は行き着く。薄暗い部屋の中、藍の影が主の元へと帰っていく。
「意識を集中させつつ、並列して不意を狙うか。……常套だが、それを感じさせない技術がある。見事なものだ」
「お褒めいただき恐悦至極。そちらも悠々と回避してくれて助かるよ。求めたいものが得られていく……くくっ」
互いにその技術を皮肉りあい、探り合いは進んでいく。
やはり、よく知っている。長所も、弱点も。ディアボロが抱いたのはその印象。
時間を吹っ飛ばしているときは、ディアボロは基本的に世界の事柄に干渉できない。その間は、ディアボロもスタンドのキングクリムゾンも、存在しないかのように扱われる。
それによって攻撃を回避したり拘束から抜けるといったこともできるが、絶対の攻撃には繋げ辛い。
藍もそのことを理解しているように、飛ばした後のフォローを兼ねた二重の攻撃を最初から行っている。飛んだ後を見てからの対処ではないため不用意に飛ばしすぎれば喰らってしまったという結果に行き着いてしまう。
予知も、その未来を映しだしている。そこに至らぬよう、飛ばすことさえも慎重さを持たなければならない。
「よく私の事を調べ上げたものだ。招いた者の右腕と自身で言っていたが……その程度は容易いものか?」
「あぁ、容易いさ。紫様の命とあれば冥府の底に沈む大罪人の下着の色も街の浄化に勤しむ為政者の愛人との歪んだ性癖でも何だって。……ああ、全てはあの方のため。そう思っていたのになぁ」
再び笑みを浮かべながら、彼女の周りに青白い炎が四つ、五つと浮かび上がる。
それは一つ一つがぐねぐねと生理的嫌悪をもたらすように蠢き、まるでそれそのものが生きているかのように錯覚をもさせる、そんな動き。
「この程度しか作れないが、圧倒するには十分だろう。さぁ、行け」
藍が命じると、意志を持ったかのように炎が動き出す。一つは素早く、一つはゆっくりと。一つは回り込むように、一つは上からかぶさるように。
それぞれが同じようには動かず、不規則な動きを以てディアボロに襲いかかる。
ディアボロはそれらが向かってくるのを確認すると、目を瞑り念じる。
その瞬間、彼だけに理解できること。世界が崩れ落ち、深紅に彩られた空間へと塗り替えられる。
「キングクリムゾン」
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