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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

261東方魔蓮記第五十話:2014/10/12(日) 22:45:04 ID:HXUBrABY0
「ただ、そこでの貴方に関する情報はなんか嘘っぽくてね……人も妖怪も分け隔てなく接してくれるという情報もあれば、一人の人間を救うために躊躇なく妖怪を斬ったという情報もあるの」
「……」
ディアボロは黙って狼女の話を聞く。
草の根妖怪ネットワークに入っている自身の情報について、もう少し聞き出すつもりのようだ。
「他にも、風見幽香と互角に闘っていたなんていう特に怪しい情報もあれば、氷の妖精を止めてというまでくすぐっていたなんて変な情報まであるわ」
「……成程、様々な情報が飛び交うとは、想像以上に立派な情報網だな」
「(風見幽香との戦闘については、流石に聞いただけでは信じがたい話か……)」
ディアボロは草の根妖怪ネットワークを褒めつつ、思った以上に自身の情報が集められたことに警戒していた。
この狼女は先ほど挙げた情報の殆どを本当かどうか疑っているが、裏を返せば『俄かには信じがたい』情報が集まるほどこのネットワークは大規模であるということだ。
「ええ、そうでもしないと私達のような妖怪はうまく生き抜いていけないからね」
狼女はそう言って後ろに数歩下がる。
「どこか貴方の情報は怪しかったけど、こうして実際に能力を使われてわかったわ。私達のような妖怪だと、正面からじゃ絶対に勝てない」
狼女はまるで諦めたかのような感じでそう言った。
それは即ち、『今の状態では勝てる可能性は全くない』ということを彼女が認めたということだ。
「恐らく、さっき起きた竹林の霧を殆ど払ってしまった強風も貴方が起こしたものでしょう?」
「ああ。さすがにあの濃霧の中では地形や周りの景色の問題もあって地図があっても迷いかねないからな」
「本当、いきなり強風が吹いてきたから飛ばされるかと思ったわ」
「でも正しい判断よ。私達と違って人間は鼻が利かないから、疲れたり視界が悪いところを不意を突かれて襲われることは少なくないわ」
狼女は呆れながらも、彼の行動の正しさを認める。
「流石の俺もその状態で襲われたら傷を負う覚悟はしないといけないな」
ディアボロはそう言いながらも、その表情は笑っている。
……が、スタープラチナで炎の生命探知器を見ているあたり、気を緩めていないというべきなのだろうか。
ちなみにあの時狼女が不意打ちをしてきて、仮に攻撃を命中させることができたとしても、その瞬間にクラフトワークの能力が無意識に発動して対象は固定され、攻撃は浅手で終わってしまうのだ。

「それじゃあ、私はこの場を離れるけど……貴方なら問題なくこの竹林を抜けれるでしょうね」
狼女はその場で宙に浮き、その場から離脱できる状態を整える。
「ああ、こちらも行きたいところがあるからな」
ディアボロはそう言いながらも、その場から動かない。
彼女が飛んでいくのを見届けてから、再び動き始めるつもりだろう。
「そうだ、折角有名人に会えたんだし、私の名前ぐらいは覚えてもらおうかしら」
狼女はふと思いつくと、その顔に笑みを浮かべながら口を開く。
「私の名前は今泉影狼(いまいずみ かげろう)。貴方が一緒に暮らしている妖怪達ほどの実力はないけど、名前だけでも憶えていてくれたら嬉しいわ」
最後の方はお世辞なのかどうかわからないが、狼女……ではなく、影狼がどことなく嬉しそうに話しているのは気のせいだろうか。
「安心しろ、俺は物覚えはいいからな。名前と容姿ぐらいなら長く覚えていられる」
正確には『容姿も長く覚えていられる』だが、記憶を忘れないようにしていることを隠すためにこのような発言をしたのだ。
「そう、なら嬉しいわね」
影狼はそう言うと、その場を離れてどこかに飛んでいった。
恐らくこの竹林から出るわけではないと思うが、彼女を追いかけることが目的でない以上、追いかける意味はない。
そしてディアボロも影狼が飛び去るのを見届けると、再び迷いの竹林を進んでいく。

一度入ると出られない。
そんな迷いの竹林を、ディアボロは進んでいく。
霧を遥か遠くに吹き飛ばして視界は良好、地図も用意し、探知器も発動している。
目指すは藤原妹紅の家、そこに彼女がいなければ永遠亭。
どちらに妹紅がいるかどうかはわからないが、兎に角辿り着かなければ何も始まらないのだ。


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