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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

258東方魔蓮記第五十話:2014/10/12(日) 22:40:48 ID:HXUBrABY0
「(……ん?)」
また地図を見ながら進んでいるうちに、ふと足を止めた。
正面から、誰かやってくるのが、スタープラチナで確認できる。
その正体を知っているディアボロは、咄嗟に全てのスタンドを戻し、生命探知器を消す。
傘を被ったその者は、ディアボロに気づいて足を止めた。
「あら、おはようございます」
傘を被ったものは、ディアボロに挨拶をする。
「おはよう。……お前は人里で薬を売っていたな。確か名前は鈴仙だったか」
ディアボロも挨拶を返しながら、目の前の者についてそう言った。

ディアボロはそう言っているが、薬売りの正体については既に把握している。
この者の名は鈴仙(れいせん)・優曇華院(うどんげいん)・イナバ。変わった名前だが本当にこの名前である。
……あまりにもおかしな名前のため、ネーミングセンスの悪い人が名づけた偽名のようにも思えてくる。

彼女は人間ではなく、兎の妖怪……ではあるのだが、ただの兎の妖怪ではない。
彼女の正体は月に住む妖怪。つまり、言い方を変えれば異星人である。
何故彼女が地球にある幻想郷に来たのか……そこには色々とあるのだが、まあそこは機会があれば後に綴るとしよう。
兎に角、彼女は妖怪であることを隠すために傘を被って兎の妖怪の特長である長い耳を隠している。
命蓮寺ができてなお、妖怪を毛嫌いする者は少なくないからだ。
「これから商売か?売れるといいな」
「貴方こそ、奥に進むのなら気を付けてくださいね。命蓮寺のディアボロさん」
二人はそう言って進むべき方向に進む。
「そうだ、一つ聞きたいことがある」
「?」
すれ違い際に、ディアボロが鈴仙に質問をする。
「藤原妹紅を探しているが、見なかったか?」
藤原妹紅(ふじわら もこう)。
その人こそ、慧音がディアボロに会ってみたらどうだと言われた人物だ。
慧音がディアボロと妹紅を接触させたい意図はわからない。
単純に話し相手を欲しているのか、それとも何か別の理由があるのか……。
推測はできないが、今はただ会いに行けばいいだけのことだ。
「いいえ、見ていないわ」
「そうか、ありがとう」
質問の答えを聞いて鈴仙にお礼を言うと、再び二人は進みたい方向へと進んでいく。
鈴仙は人里へ。ディアボロは竹林の奥へ。
互いに優先すべき目的を有している以上、二人が交戦に至ることはなかった。
「(下手に何かに感づかれても困るからスタンドを全て戻したが……)」
ディアボロが警戒するのは、彼女の『未知』。
能力の全容を含めたその全てが知られているわけではない以上、語られていない『何か』があってもおかしくはない。
その『何か』が分からない以上、スタンドを引っ込め、交戦を避けてでも今彼が使える手段を隠しておく必要があるのだ。
「(……もう大丈夫だな)」
ディアボロは鈴仙と一定以上の距離ができ、かつ彼女がこちらを見ていないことを確認すると、再び生命探知器とスタープラチナを出す。
生命探知器が鈴仙の進んでいく方向以外から反応していないことと、スタープラチナで背後から襲い掛かる者がいないことを確認すると、彼は地図を見ながら再び進みだした。


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