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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
172
:
深紅の協奏曲 ―飛べよ、踊れよ、円舞曲と共に 1―
:2014/07/04(金) 20:17:59 ID:IS/fltSA0
空を進み、高度を増すごとにだんだんと空気が冷え込んでくる。が、山を見下ろすほどの高所になっても酸素が薄くなることによる息苦しさは感じられない。
良いことではあったが、途中でそのことを想像の外から置いていたことに対して後悔していただけあり、ドッピオは胸をなでおろす。
生身でここまでの高さ、もはや下を見ても恐怖の感情は浮かんでこない。現実離れした所に存在しているという、どこか感慨深い感情が浮かび上がってくる。
上を見ても下を見ても死の世界。そんな通路で身を守る物は預かり物のこの雲だけ。こんなもの、幻想と言わずになんというだろうか。
「……!! あれ、か……?」
その中を進んでいくと、上も下も果ての無い、とてつもなく巨大な門が現れる。
傍らにはいくつもの柱が浮かび、門自体にも大きな紋章が浮かんでいる。
どこを基点として建造されているのか、それともこれほど巨大な物が浮かんでいるのか。その先を見せぬように、沿うように建っている壁らが、大地から見えないのはどういうことか――
様々な疑問が入り組み浮かび上がるも、そのすべてを昇華させる、感動。
それが、たどり着いての第一印象だった。
「……けれど、どうすればいいんだろう」
勝手知ったるように、乗っている雲は進んでいくが、ドッピオ自身は先の通りここについては何も知らない。
一見通れるようには思えない門を、どうするつもりなのか、どうすればいいのか。
そう考えている間にも、ぐんぐんと門に近づいていく。
「…………、わ」
少し身を乗り出せば紋様に手の届きそうになる距離まで近づいた時、石を投げ込まれた水面に浮かぶ波紋のように、紋様が揺れ動く。
その投げ込まれた石のごとく、ドッピオの全てを飲み込む。
一声上げる前に、身体が入り込むと、そこには最初から何もなかったかのように。荘厳な門だけが建っていた。
「わわあっ?!」
その出来事に驚き、身を縮めて構えるが、そのころには辺りは一変していた。
先ほどまでの雲海ではなく、目の前に広がるのは長い長い階段。門と同じく、その上は果ての見えない、洩矢神社の前にも長い階段が積まれていたが、その非ではなかった。
そして、先ほどまでに感じていた空気の冷え込みとはまた違う、体の芯から身震いを無理やりに引き起こされるようなうすら寒さ。
ドッピオには馴染みはない、死者を供養するための卒塔婆が階段の脇にいくつも、いくつも、いくつも立っておりその周りをうっすらと不定形の白い気体の様な物が漂っている。
まるで、ここに踏み入れた彼を仲間に導こうかと値踏みをしているように。
「……っ、ここが、冥界、か」
妖怪の山とは違う、人間の本質の恐怖を突き動かしているかのような恐怖感が感じられる。
もし何もなしにここに来たのであれば今すぐにでも逃げ出したいと思えただろう。
ボスの指令が無ければ。ボスの無事が聞けなかったのならば。ディアボロがここにはいないと知っているから。
その事実があるからこそ、彼はその先へ踏み出すことができた。
「そのまま階段を上って、でいいんだよな……頼むよ」
ドッピオの声と共に、雲は再び移動を開始する。ふわりふわり、冥界の奥へ向かって。
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