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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

162東方魔蓮記第四十五話:2014/06/19(木) 21:38:40 ID:qQ3hNGVE0
「いずれ気づかせる必要はあったが、大したヒントも与えずに姿を変えていることに気づくとは思わなかったな」
若干呆れ顔でディアボロはそう言う。
周りの狸はちょっと警戒しているらしく、ディアボロからかなり距離を取っている。
「なんじゃ、あの時会ったその場で正体を見せておけばよかったものを」
「それもできたが、お前の実力をこの目で見ておきたくてな」
そう言ってディアボロはイエローテンパランスのDISCを額から出す。
それを見た狸たちは今まで見たこともない光景に驚き、さらに距離を取る。
「……何度見ても額からそれが出たり入ったりする光景は異様じゃのう。更に出入りの痕も見当たらぬから不思議じゃ」
「他の奴らはあまり気にしていないように見えるが、心の中ではそう思われていたりするかも知れないな……」
ディアボロはマミゾウとそう言葉を交わしながらイエローテンパランスのDISCをケースに入れる。
ディアボロからだいぶ距離を取っていた狸たちも、マミゾウとディアボロが親しげに会話しているのを見て少しずつマミゾウの元に戻ってくる。
「ところで、お主の用事はこれで済んだのかい?」
「まだ済んではいない。……むしろこれからが本題だ」
ディアボロの少々柔らか目になっていた表情が再び真剣になる。
「俺はこれからあの聖人の元に偵察に行く」
「ほう……」
ディアボロの発言に、マミゾウが反応する。
まだ『情報が揃っておらず』、『敵になる可能性が高い』存在の元へ、自ら偵察に行くと言い出したのだから。

「だが、一人では難しいだろう。何せ相手は『聖人』だ。どんな力を持つのかわからない」
「……だから、お前の助けを借りたい」
マミゾウはディアボロに呼びかける。
妖力が大きい故に正体の発覚の可能性は他より高いが、『経験』も『知識』も『技術』も、他の狸を超えているのは確実であるからだ。
「儂がぬえに呼ばれたのは、妖怪のピンチだから助けてほしいと言われたからじゃ」
マミゾウはそう言ってディアボロに笑みを見せる。
「故に、お主が聖人達について探るというのなら、手を貸してやらねばならぬ。そうしなければ、儂がここに来た意味がないわい」
彼女がこの幻想郷に来たのは、ぬえに助けを求められたから。
ぬえが助けを求めたのは、『聖人』が復活したから。
そしてぬえの知り合いであるとある人間が、自身に『聖人が本当に妖怪にピンチを齎(もたら)すのかどうか探りたいから助けを借りたい』と自分に頼みに来た。

化かすのは化け狸の得意技。ならば、その力を使ってその人間が聖人の考えを探る手助けをしてあげるのは道理である。
それが聖人たちの思想について知るチャンスにもなるし、懐く思想によっては妖怪のピンチを『杞憂だった』という形で救うことにもなりうるのだから。


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