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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

104名無しさん:2014/04/22(火) 22:00:05 ID:wwR12Xww0

「……してもいいよ。だけど、それは約束。脅しているつもりなら今ここで必死の抵抗をしてあげるよ?」

 それを読めたか、諏訪子は顔を歪ませて答える。その歪みは、悦楽を含んだ、敵対の意志も感じ取れる。
 こう出てくることが、ディアボロにとっては好機だ。その先を促すように、口を開かず待つ。

「抱いてよ、君を私に感じさせてよ。久しぶりなんだ、私が満足できるような男が来たのは。……ねぇ、いいだろう? それとも、私の見た目じゃ君が満足できない?」

 提案した見返りは、予想は付いていた。……本当に要求してくるとは思わなかったが。
 確かに今まで男性で力のある者は少なかった。人里であった霖之助も線が細く、この女が喜ぶような人間ではないだろう。

「……悪いが、女に対してそのようなことはしないことにしている。痛い目を見たのでな」

 諏訪子に対して、外見だけであれば何の感情も抱かないが、精神や振る舞いはおそらく一流の娼婦に劣ることはないだろう。おそらく、欲求を全て叶え自らに陥らせるくらいはできると見える。
 だが、あの忌まわしき出来事が、その過去の過ちこそが全ての原因。あの娘さえ生まれていなければ。

「……子供の心配なんてしなくていいよ? もう年中安全日だ、気に入ったら作れる」
「そういう問題じゃない」
「……じゃあさ、せめて顔を見せてよ。誰にも言わない。君を、私の心に刻んでおきたい」

 これには、少しの間を置いてからスタンドによる拘束をやめる。そして、今までほとんど動かしていなかった自身の身体で、諏訪子の身体を仰向けにする。
 その顔は血にまみれてとても見れた顔じゃないが、それでも、喜びと悦びの表情をしているのがわかる。

「……ああ、理解した。さっきの違和感。何でさっき感じ取れなかったのか。……そっちの身体が本当の身体。だから、どこか見せかけの様な感じだったんだね。
 ……自らの為ならばいくらでも他人を使い捨てられる。いくらでも手に血を染めることができる。拭い去れなくなるほどの血の匂い……ふふふっ」

 実際に相手にしなくても、『自分に気を向けていてくれている』だけで舞い上がる女もいる。
 最後に見せた諏訪子の笑みも、それに近しい物だった。

「……行きなよ。私の事は放っておいてくれてもいい。むしろその方が互いに助かると思うよ。君が欲するであろうものは私は全て出したし、私は、まあ、満足ということにしておいてあげる、から」

 見れば、腹の傷は少しずつ蠢き小さくなってきている。それでも十分すぎる大穴は空いているが、やはり殺すには足りず、殺しきれるかはわからないといったところか。
 手持ちにすることができれば、まさに最高の駒になることだろう。

「……当然だが、そこではないな……」

 ここにいるとだんだん自分も違うものになっていく気がする、とディアボロは感じた。今までの現実から乖離しすぎたそれは、やはり感覚を鈍らせてきている。
 相手は神だ。自分は人だ。神を求めようとして地に落ちる逸話は、なんであったか。
 そんな逸話では苦労して手に入れた翼を、いともたやすく自分は扱えるようになっているが、それは違う。
 違うのだ。

「見抜け」

 そんな矛盾を持ちながら、その先を向く。それは、高い山よりさらに高い、彼方空、雲の上を目指していた。


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