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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

101名無しさん:2014/04/22(火) 21:56:34 ID:wwR12Xww0


 絶頂に達しようとしていた諏訪子が気が付いた時、そこには地面に手をついている自分の姿だった。
 そしてそれは自分の分身も同じ。押さえつけていた少年の姿はどこにも存在しなかった。
 次に気が付いたことは三つ。自分を覆うような影、それにより自分の背後に誰かが立っていること。
 もう一つは、その誰かが自分の首根をがっちりと掴んでいること。先まで自分がやっていたように。
 最後の一つは、ドッピオの首を折らんばかりに握っていた両腕、その腕を砕かんばかりに掴んでいたスタンドによる痕。それに合わせて砕けた自分の腕。

「……? がぶふっ、……」

 わからないまま、自らの腹部が何かに貫かれる様。
 大量の血と臓物が前面に飛び散り、ドッピオが倒れていた地面を汚す。
 貫かれた穴から飛び散るには足らず、衝撃で顔まで逆流してきた血が口や鼻から飛び出、垂れる。
 そこまでして、分身の視界に入り、ようやく共有している感覚が自分を攻撃してきた正体を知る。
 そこにいたのは、逞しい肉体、どこまでも深い闇を見てきた暗い瞳、それでも淵から立ち上がろうと、前に進もうとする覚悟の意志。

「……キングクリムゾン」

 今までの様なふらついた足取りではない。明確な意志を持って目的の為に歩く、そのための足。
 ディアボロは、そこに立っていた。

「……なん、て……いつか、ら……」

 わずかに残る体内の空気が、諏訪子の血でかすれた声から漏れる。
 そんな明らかな重傷状態でもディアボロは全く警戒を解かずに見つめる。
 それは当然。本体である身体が傷ついてもその分身は全く傷ついていないから。ディアボロからすれば、その分身たちからいつ次の攻撃が来てもおかしくはない状態。
 だが、諏訪子からすれば『当人が何もしていない状態』で『質量をもった何かで攻撃を行った』という状態。

「このまま殺してもよかったが……おそらく人間とは違いこの程度では死なないだろう。その点においては信用する。それより、聞いておきたいことがあるからな」

 掴んでいる諏訪子ごとスタンドを手近に戻し、左手は首、右手は背中。足で腰を踏みつけて、そのまま地面に押さえつける。
 立場は完全に逆転した。

「……確か、に。神殺しには及ばないけど、このままじゃあ抵抗すらも、ぼほっ、できない、ね……」
「……想像以上に元気そうだな。恐ろしいものだ」
「あは、口だけね。……答えるのも辛い。そういった意味での抵抗はもうしない。だから、あれを戻してもいいかな? 少しは力が戻って、話しやすくはなる」
「…………許可する」

 どうも、というと二つと分身が消え失せる。そして、その力は諏訪子に戻ったのだろう。僅かだが、押さえつけている諏訪子の体が力を増したように感じる。もっとも、傷は戻っておらず確かに抵抗しきる力まではないようだ。
 ディアボロは辺りを見回す。周囲は閑散としており人気は感じないが、同時に隠れる所も見当たらず尋問をするには不向きである。
 一連の流れをもし最初から見られていたのならば――もちろんそれはディアボロが良しとするわけではないが――まだ諏訪子から仕掛けてきたと言い訳はできるがここだけを見てしまえばどうにも弁解はできない。

「……安心しなよ。ここは妖怪の山と守矢神社との領域の空間地帯だ。本当に通りすがりがない限りは誰の目にも止まらない。私と一部の天狗以外は空間の存在を知らないし、ここで何があっても咎めない。悪巧みには便利でしょ?」

 その考えを察したのか、血に濡れた顔を歪めて諏訪子が話す。
 確かにはたても同じことを言っていた。一部の天狗が既に知った顔なのも、近隣にいることを知ったことも、それはいい都合である。


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