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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
100
:
名無しさん
:2014/04/22(火) 21:55:48 ID:wwR12Xww0
そう呟くと、両腕から押さえて拘束していた二人がドッピオを仰向けにするようにひっくり返す。
二人の諏訪子は、赤い霊体の様にうっすらと色を帯び、実際に存在しないように揺らいでいる。
三人の諏訪子は、くすくす、くすくすと静かな笑みを湛えていた。
「……何をする気だ? 憂さ晴らしのつもりか?」
「そんな! そんな頭の悪いことをしたいわけじゃないよ。もっとも、人によってはもっと頭の悪いことと言うかもしれないけどね」
そう言うと、本体である諏訪子がドッピオの胸に顔をうずめる。
「んっ……すぅ、んはぁ……!! んんっ、はっ……!」
彼の服の上から、激しく、それを貪りつくすかのように香りを味わい始める。
聞こえる吐息から、熱くなり抑えきれない劣情をありありと感じられる。
その姿からは、外側だけ同じで中身は全くの別人であるかのように、見た目は幼い子供にしか見えないが、本質はまるで別であることを嫌でも感じさせた。
「はぁ、ぁ、久しぶりだ、長らく味わっていなかったよ。この雄の香りと、どれだけ落としても拭いきれない、染み着いた血の香り。……興奮する」
顔を上げた彼女は、顔を紅く上気させ、求める様な上ずった声で語りかける。
薄く開いた目、唇から出る舌は上唇をなめずり、
「だが、まだ足りない」
「!? っ、がっ」
変貌にあっけにとられていたドッピオの首にその小さな両の手を伸ばし、へし折るかのように力を入れる。
「ぐ、あっ……!! ぎ、ぁ……ぁ!!」
「絞められて、落ちる瞬間が最も気持ちいいんだ。……知らなかったでしょう? 少しずつでいいから、頭から抜けていく気力と共に最後の抵抗を示してみなさいな」
ぎりぎりと、容赦など全くなく。
その細腕にどれだけの力がこもっているのかと、もし当人でなければ何の感情も抱かず考えてしまうほどに。
今、ドッピオの両腕は変わらず赤い霊体の様な諏訪子に押さえつけられ全く動かすことができない。
それでも、このまま、こんなところで。
「ぎ、ん、ぐぅっ!!」
動かない両腕の代わりに、見えない何かが諏訪子の手首を掴み、そのまま握りつぶすかのように力を加える。
視覚として存在しないにも関わらず、確かにある何かは万力の様な力で細い腕を砕こうとする。
「出したね、『スタンド』を」
そのまま両の腕を潰されることを受け入れるかのように、諏訪子は特に何もしなかった。ただ何もせず、ドッピオの首を絞め続けていた。
「ようやく出してくれたというべきかな。……存在しえない、認知の無い。そんな外の力、幻想郷をも揺るがすことのできる……こんなものじゃないはずだ。さあ、私に見せてみてよ」
「ぐ、そぉ……っ!! が……っ!!」
「確かに感じるんだよ、でも違う。『この身体なのに人を殺した事があるのは君じゃない』。それは確かなんだ!
さあ!! もっと! もっと!! 私は見たいんだ、君の力を、味わいたいんだ、君の身体を!! 偽りの身体なんざ捨てて、私に感じ てちょうだい!」
一声ごとに、諏訪子の力が強まっていく。身体もどんどんと前にのめり、自らの体重全てがその両腕に掛るように、その苦しむ顔の全てを収めようとなる。
対して、ドッピオは視界がぼやけ、徐々にスタンドの力も薄れていく。諏訪子の両の腕に刻む腕の痕も、それに合わせて薄くなっていく。
そして、体の力も抜けていき、意識も薄れ、やがて閉じていく。
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