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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

10深紅の協奏曲 ―嘘と真の三重奏 2―:2014/02/22(土) 22:54:43 ID:xOPXXY6Y0



 はたてに連れられ、石畳の先を行く。
 道中、互いに言葉一つ発しなかった。

 守矢神社、聞き覚えはある。あの時は大した紹介もなかったが、博麗神社にいた早苗の家、というか早苗が巫女を務めている神社。
 あの時は通信機の人形や、ここまでの自分の話で終始していて。その時は特に早苗は何か思っている様子はなかった。
 もし自分と同じ苦しみを抱えているのなら、自分と同じ境遇を前にしてあのようにいられるのか。底抜けに明るいだけなのか。
 真実とは一体。

「何用ですか!? ここは神聖なる領域、穢れた……あ、はたてさんこんにちわ」
「ちっす」

 微細な風が吹き抜けたかと思うと、それに乗って舞うかのように早苗が現れる。

「前も似たこと言ってたけどもしかして毎回口上言ってんの?」
「だいたいそうじゃありません? 緊迫感とか出ていいじゃないですか」
「あ、そう。ところでさ、早苗に話を聞いてもらいたい奴がいるんだけど」
「? あ、ドッピオさん!」

 はたての少し後ろに居たからか、今ドッピオの存在に気付いた早苗。

「昨日は霊夢さんの所にいるかと思えば今日はこちらまで……やはり最初の紹介が心に響いたということでしょうか! やはり博麗よりやはり守矢ですね……今回の事でよくわかりましたよ。ドッピオさん感謝します」
「いや、それは関係ないんだけど」

 相も変わらず勢いだけは良い少女だ。
 ドッピオがどう切り出そうか考えたとき、はた、と早苗が止まりドッピオを見つめる。

「……なんか、雰囲気違いますね。こう、言いづらいですけど……表面もそうだけど内面とかもなんだか……」
「ああ、それは」

 先ほどまで泣いていたから。まだ自身の鼻もぐずぐずと濡れていて、涙を流したばかりの顔だと一目で見てわかるだろう。


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