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孤空の月〜崩れゆく廃坑〜

1参加者:新之剣・歌藤玲・アイリ・セイスイ・グレイヴッチ・エゴ:2008/08/11(月) 10:42:07
■13:00 08月01日
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・・・汽笛の音が街中に響き渡る。
暑い日射しの中、鈍行列車は寂れた駅にたどり着いた。
窓の外には既に無人となった廃屋が見える。
「次の列車は一ヶ月後ですぜ。・・・引き返すならそのまま
乗っててもらえば帰りの汽車賃は半額にでもしますんで。」
ぼろぼろの帽子をかぶった車掌が珍しいものを見るかのように
車内を見回しながら言う。
しかし、次々と乗客は席を立ち列車から降りていった。
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車掌だけとなった列車は煙をはきながら線路を戻っていく。
駅内には自分以外にも多くのものたちがいた。
分厚いコートのものもいれば旅行者のような格好のものもいる。
「・・・・・・・・。」
ナイン・シュガーは腰の銃の弾丸を確認する。
・・・頭数分の弾丸は十分ある。だが、既にこの街に誰か
いるかもしれない。とりあえず他の乗客の様子を見るか・・
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2じおん:2008/08/11(月) 11:36:50

異色、 第一感想。
此処へ来た理由さえ、検討もつかない様な連中ばかりだ。

しかし。
そういった考えを抱くのは、ナインに限ったことではないのだろう。
それぞれが。それぞれの理由で。互いに警戒し合う空気。
乾ききった風と混じり合って、肌に染み込んでくる。

「さて」

猛暑は水分補給を忘れずに。

*

今シーズン、まだ美人のお姉ちゃんにかき氷作ってもらってないなあ。
最愛の人ならず果物、スイカさえ食べていない。
夏らしいこと、したっけ。
オカマだらけの水泳大会、ポロリもあるよ!に強制参加させられたくらいかなあ。

雑念の主の青髪は、
パープルシャツに黒いスーツを纏っていた。
この季節、そんな恰好で外を歩けば
「吐血するくらい、暑い」なあんて言葉も自然と出てくる。

「全身から血を噴き出すくらい、あ」
言い終える前に彼、セイスイは倒れた。
「誕生日には…俺の部屋を・・・ハイビスカスで埋め尽くしてくれ」

*

日焼け止めの効果が無さそうな日差し。

3腐れ飯:2008/08/11(月) 23:47:55

一攫千金なんてものは狙うものではない。
そもそもギャンブルというのは所詮自分の度胸を試すものであって、金なんて
二の次である。と、常々思っていたつもりだ。
しかしギャンブルはギャンブルだ。度胸のために、旅のための金がノリで一気に空気と
なる場合もある。場合もあって…
俺はまた一攫千金を狙っている。

新之剣は、とりあえず乗る前に水だけは大量に買い込んでおいて、今になって
重いと後悔しつつも、電車を降りた。
「…にしても、なんだこりゃ。」
先程この電車に乗るとき、駅は随分とにぎやかだったものだが、この変わりよう
はなんだと、新之は驚いていた。とりあえず。剣と荷物を置いて、ベンチに座る。

今更トレジャーハンターに転職なんて、お笑い種になりそうな話はしない。
「今にも崩れそうな鉱山には宝がたくさんある」と、街で噂になったのを聞いた。
新之は面倒くさい事は嫌いだが、勢いで金を無くした今、そうも言っていられ
なくなった。
たとえ金が手に入らなくても、金目当てのお尋ね者なんかをしばけば、なんとか
金は入るだろうと、新之は意外と深くまで考えていた。
「…とりあえず、暑いな。」
ここら一帯の地図を広げる。鉱山の場所を指でなぞりながら探していると、何やら
×マークがついた場所があった。ここが鉱山だと確認する。新之は溜息をついた。
「宝があるということなのか。 危険ということなのか。」
とりあえず、暑いので荷物から水の入ったペットボトルを一本取り出す。
なにやらガンマンのような奴もいる。新之は、どこかで面倒くさいことに
巻き込まれそうな気がしていた。

4羅刻:2008/08/12(火) 01:32:17
 ―――黒いコート 黒い帽子 丈の長い紫のスカート
見てるだけで暑苦しい・・・奇異な小柄で銀髪の少女だ。
日焼けとは無縁の白い肌で日傘を差し、売店で購入したブルーハワイ味のカキ氷を口に運んでいる。
彼女も鉱山の話を聞いて此処に来た様だ。
名は、アイリと云う。

「ブルーハワイ味って何の味なんだろ・・」
額に汗を浮かべ、そんなどうでもいい事を考えながら街の人達を見つめる。

そもそも彼女が此処に来た理由はというと金脈の事を聞いて来たわけであるが・・真の目的は別にある。
――――金脈があると言う情報の真偽 それを狙う者の観察―――
・・それが彼女に与えられた任務であった、もっとも本人は金が手に入ればそれで良いと思っていたようだが。
「これだけ暑いなんて聞いてないわよ・・」
このままでは倒れてしまうのではないか、そう思いながら歩いていると何かを踏んだ。
青髪で女顔の男のようだ、そのうめき声にアイリの体に寒気が走る。
肩を叩く・・息はあるが意識は無いようだ。引きずってその男を日陰に運び応急処置を始めるが。
「あれ?この人って・・」
風通しをよくするため男の服を緩めると何か違和感を持ったようだ。

・・・・後は意識が戻るか誰かが助けに来るだろう

カキ氷を食べ終えゴミを捨てると街中を見渡す。
・・・まずはあの怪しいガンマン風の男を観察してみるか

5木野:2008/08/12(火) 18:07:40
・・・列車から降りた乗客は互いの様子を伺っているようだ
無理も無い。こんな寂れた街に来る目的といったら一攫千金・・・
互いに敵になりうる存在なのだ
「・・・・・・。」
既にさっきからカキ氷を食べている女性がこっちの方を向いている。
この暑い中見せ付けるかのようにカキ氷を食べているのだ
・・・喉の渇きや暑さは我慢できても、甘さはなんとかして得たいものだ
あいにくここの駅は無人で売店など無い。
駅構内の壁にある地図を見るとすぐ近くに宿屋が一件あるようだ。
逆にいえばその一件しかないともいえるのだが・・・・・
とりあえず切符を支払い宿屋へと向かうとしよう。
途中で倒れている男性に話しかけている人物がいたが問題ないだろう・・・
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6Mark@『6.離れたり集まったり』:2008/08/12(火) 23:39:37
■■14:16 8/1

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駅のそばにある商店街にはシャッターの閉まった建物が目立つ。
錆びた看板をいくつか越えた所で、ナインはある建物の前で足を止めた。
三階建ての古びた洋館で、白いペンキが塗られた箇所は所々汚れている。
ナインは地図と洋館の看板を交互に見、それが目的の宿と判断すると、呼び鈴を鳴らして宿主を待った。

中へ案内されたナインの目に、最初に飛び込んだのは少女の人形だった。
カウンターの向こうに置かれた、妙に精巧なそれ。下には十字架が敷かれている。
黄緑の瞳をぼんやりと見つめていたナインに、宿主が声を掛けて来た。
「この前もらったんだ。気味の悪い人形だろ?」

「昔はここもそれなりに栄えてたもんさ」
宿主の世間話を適当にかわしつつ、宿泊の手続きを済ませる。
その後も彼はよく喋ったが、苛立ったナインが睨むとすぐにお喋りは止んだ。
「…甘いものが今すぐ欲しい」
「だったら向こうの食堂に行きな。ここの飯はマズイって評判さ」
そう言い、宿主は窓の向こうに見える建物を差す。
すでに駅で会った何人かが中に入る所だった。
「………」
ナインは深く帽子を被り、宿のドアを開けた。

7カーnabi:2008/08/13(水) 01:42:31
「何処だー!此処はー!」

商店街をとぼとぼと歩く青年が1人。
彼の名はレイド。ハチマキと赤い髪が目立つ剣を持った青年だ。
彼はこの場所に来るつもりは無かった。
では何故その青年がこの場所に着たかと言うと・・・
「寝過ごしたッ!」
っという何とも簡単でしょうもない理由だ。
寝過ごしたと慌てて降りる彼のことだ、車掌の言葉も聞こえず考えも無しに降り立った。
そこが一攫千金を狙う者達が集う場所だとも知らずに・・・


「・・・なんか寂しい所だなー」

彼の歩く商店街は全てシャッターが閉まっており
誰1人も歩いておらず閑散としており、見物に来たとするならば最悪だ。
彼から見て多くの者が集いそうな所と言えば遠くにある宿と、
大勢が一攫千金を夢見て望む鉱山ぐらいだ。
しかし、寝過ごしてここに降りた彼が一攫千金を狙える鉱山の事を知っている訳が無く。
今行く場所とすれば宿ぐらいだろうが・・・

「そうだ!今からでも戻れば・・・」

彼は希望を持って駅の方向へと振り返るが
無論列車はとうの昔に出発しており、そこに残るモノは何も無し。

「はぁ・・・とりあえず、宿に言って考えるとするか」

と、宿に向かって歩き出し、程なくして宿の前に到着する。
それは丁度ナインが宿から出ようとする時だった。

8じおん:2008/08/13(水) 10:30:31

アイリが去った後、しばらくしてから彼は目覚めた。
緩んだ服装に疑問を思いながらも、ネクタイを締め直す。
「もしかして誰かが助けてくれたんじゃなかろうか」
なんて。
ただでさえ、このような気候なのに、
彼の性格に若干の異常があるときたら、
そんな事は思わないのだろう。

「ちょ…、怖あ・・・」
とだけ言い、立ち上がった。

*

しばらく歩くと宿が見えた。

赤い髪の男と、銃を持った男が居る。
喧嘩でもしているのだろうか、何か言い合っているのが、
この距離からでもよく、わかった。
あ、違った、赤い方が一方的に何か言ってるような。

俺と対照的な赤だ、目に悪い。
ただでさえ目が細いのにこれ以上目、細めたら、もう線じゃねえか。
自然と眉間にしわが寄る。
相当目付き、悪くなってるだろうな。

「兄ちゃんたち、何してんだい」
声を掛けると、二人は引き攣った顔でこちらを見た。

あれ…。
もしかして、悪人にしか見えなかった…、かな。

9Mark@『9.喧騒と戦慄のあいだ』:2008/08/13(水) 12:00:30
二人ともすぐに口論をやめ、お互いセイスイに視線を向ける。
「……何だ?」
糖分不足の上赤い男に絡まれ、その上厄介者がもう一人。
いい加減我慢の限界に来ていたナインの手は、まだ使われてない拳銃を掴んでいた。
「お前は…!」
一方、セイスイを直感で悪と察したレイドは剣に手を掛ける。
「ハイビスカス…」
セイスイはと言うと、悪化した状況の中。何故か遠い日の友を思い出していた。



「玲ちゃん踊りまーす!」
南国調のリズムが食堂中に流れる中、客の視線はそれに合わせて踊る金髪の娘に集する。
ただ一人、アイリだけは踊り子に目も暮れず、外で揉める三人を窓越しから見つめていた。
ふと、
「ダンスは見ねぇのか?」
近くからの低い声が自分に向けられた物と察し、アイリは抑揚のない声で返す。
「…シュミじゃない」
「結構いい感じだぜ?子供には分からねぇだろうがな」
『子供』と言う単語に反応したアイリは顔を赤く染め、
「っ!子供じゃな 」
反論のため、立ち上がって相手に振り向くと、
「……!」

硬直し、身構えた彼女の目先には、全身が毛に覆われたハイエナの獣人がいた。

10腐れ飯:2008/08/13(水) 18:04:23

踊り子が踊っている。当たり前のことだ。
ウェスタン風の食堂の隅。新之は四人用の丸テーブルを一人で占領していた。
時々座ろうとした人達がいたが、新之が狛犬のような顔をすると、へこへこと
どこか別の席に座った。
新之は、オムライスをすくっとスプーンで掬う。鼻をつらぬくように強いトマトのにおいがする。

「…うっ。あっ。」
踊り子とランク的には中の中であるオムライスは、先程からどうでもよかった。
一人の少女が、獣人に対して何か言いたげだが口を金魚のようにパクパクさせうろたえていた。まぁわからないでもない。
アイリは、自分の座っていた椅子をしまう。
「…な。何?こんな暑いところで大丈夫なの?」
うろたえてようやく搾り出した言葉だった。獣人はどうでもよさそうに天井や、踊り子を
見ていた。
「俺はグレイヴッチだ。何、名乗っておこうと思ってな。お子様には優しいのさ。」
「な、何を…。」
アイリは、なにやらナイフのようなものを握っている。バターナイフだ。どうにもならない。

「おい!そこの君達!!」
新之は大声をあげる。そろそろ飽き飽きしていたところだ。なにやら情報も聞き出せる
かもしれない。新之は立ち上がり、喧嘩にまきこまれないようにと口火を切った。
アイリとグレイヴッチは新之を見ている。新之は一言。

「俺のオムライス食ってくれ。」

11木野:2008/08/13(水) 19:25:35
「・・・チッ。」
小さく舌打ちをし、ナインはレイドとセイスイを放置して食堂に入っていった。
「え・・?おいっ・・・ちょっと・・・」
勝手に去っていったナインに呆然としながらセイスイのほうをみるが、
こちらはなにやらさっきから思い出に浸っているのか目が宙を泳いだままである。
「・・・・・。」
しかたなくレイドも食堂へと入っていった。
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ガブリ。

皿に噛み付くようにグレイヴッチは新之のオムライスをたいらげた。
ズッと、オムライスの皿を抜くとケチャップが血のようにずるりと垂れた。
「ありがたくいただいとくぜ。」
グレイヴッチから受け取った皿をテーブルに置くと新之はアイリのほうに近づいた。
「・・・何のようだ?」
「おいおい、俺が助けてやったのにその言い草はないだろ?
・・・まぁ、いいや。お礼といっちゃあなんだがなんかいい情報があったら
教えてくれないか?・・・・・お宝とかさ。」

「すまないが、何も知っていることはない。」
アイリはバターナイフをテーブルに置くと、食堂の外へと出て行った。
それを見送った新之はウェイターにスパゲッティを頼みグラスの水を飲み干した。
「・・・ふぅ、どうやらそう簡単にはいかなさそうだな。」
新之は空になったグラス越しに食堂へと入ってきたナインをみつけた
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12ヨモギ茶:2008/08/18(月) 21:22:55
新之は空になったグラス越しに食堂へと入ってきたナインをみつけた

今度は、あいつに聞き込みをしてみようかな

新之は、テーブルから立ち上がってナインに5歩程近寄り、はたと止まった
(なんだか、やばそうだなあ・・、苛立っているみたいだし)
そう思って、新之は踵をかえそうとし___

「おい。」

後ろから遠くだけど、声が聞こえた。ふりかえるとナインの他。
とりのこされている青髪、セイスイ。
後を追って入ってくる、ナインと同じ赤髪で、剣をもったレイドの姿が見えた
セイスイは、何やらぼお・・・っと、しているようだけど、それよりも・・・

(あら、目ェ、あっちまった。)

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所代わってこちらは宿・・・・

「きみがわるい。いわれちゃった。」

カウンターの向こうから声がきこえる。たどたどしい少女の声。
宿主の姿はなく、少女の声がきこえていても、何処か静かだった

「んん・・じっとしてて、つかれちゃった。ここ、何処なのかな。」

じっとしていて、カウンターがある部屋には、今はひとっこ一人いない。
今、いるのは、否。そこにあるのは、食堂へ向かう前のナインがみた。

そう、妙に精巧につくられていて、持ち主が「気味悪い」と言った
少女の人形 しか。

その少女の人形は、ボーダーセーターの袖で隠れた小さい手を動かして
背伸びをした。しかれていた十字架は頭上にあり、まるで、それについた糸
でつられているようだったが・・

ふわり。
人形はパラシュートで降下するようにカウンターのある台から降りると、
僅かにふらついているようでも歩き、ドアの側までたどりつき・・

なんとなく、後ろを振り返った。

いつの間にか戻ってきた宿主の、血の毛のない、異様に開いた顔があった

「おじちゃん・・おそと、いっていい?」

クロスがわかぼしかたむき、少女の人形は首をかたむけながら無邪気に問うた
宿主が悲鳴をあげるか、その間々倒れるか・・
どちらにせよ。時間の問題だろう

13木野:2008/08/19(火) 16:06:15
アイリは一足先に宿屋へと戻ってきた。結局たいして食べることもできないまま
帰ってきたので小さくおなかがなる。まずいと評判らしいがここの宿屋の軽食でも
とるとするか・・・
「ん?」
ドアを開けるとそこには床に倒れたままの宿屋の主が。気を失っているようなので
近くのソファーに寝かせておいた。
「いったいどうしたっていうんだ・・・?」
ふと、カウンターの向こうの不自然な空間が目に付く。まわりがほこりだらけ
なのに対してそこだけ「さっきまで何かあった」かのようにほこりがない。
「・・・やはり何も起こらずに過ごせないか・・」
アイリはカウンターの鍵を拝借し、ひとまず自分の部屋に帰ることにした。
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14腐れ飯:2008/08/24(日) 23:38:55

「何だ。お前は、人の顔をみて退くなど、失礼千万だぞ。」
「っていうか何その面倒くさそうな顔。いらつくんだよ喧嘩うってんのか?」
「ところで腹減ったな!何か食わんか!」
新之はタバスコをコツコツと机に当てながら座っている。
ナイン、セイスイはそれを潰すような目で立って見下ろし、レイドだけは大声で全く別のことをいっていた。
踊り子の歌声が聞こえる。レイドの大声でも、それは掻き消せなかった。
新之は、貧乏ゆすりをする。いけない癖だ。
「あの、いや、すみません何でもないんで。とりあえず勘弁してください。」
「いや、何でもないではないだろう。とりあえず俺に何を聞きたかった?」
「いや、何でもないです。聞いても今怒ってるじゃないすか勘弁してくださいよ。」
セイスイは、ペッと唾を吐いた。その唾は新之の頬に当たる。
「さっさと言えよごもってんじゃねぇぞこの薄らハゲ茶髪。」
新之は、それを、そっと拭く。そして、首を左右に揺らしたかと思うと、
唐突に立ち上がった。
「おいこら。てめぇ食堂で人の顔に唾吐くとかどういう神経してんだよ?あ?
もうこうなったら絶対聞きませんー。お前等に聞いても無駄ですぅ。」
新之は、レロレロと舌を出して、セイスイの顔にありえないほど接近する。
「あ?何だよ強がってひねくれてんのか?ガキだなおい。もっかい家帰って
勉強しなおせ。」
「そうだな。そうするぜ。じゃぁな!」
そういうと新之は、手に持っていたタバスコを、セイスイの目にかける。
「あっっ!あぁぁぁぁ!」
新之は、タバスコをポイと床に捨てると、そのまま向かいの宿へと向かった。
セイスイは、目を抑えながら呻いている。ナインは、新之とセイスイを交互に
見ていた。
「てめ!見てたら助けろや!」
「いや、すまん。しかし、あまり『言え』と責める意味がなくなった気がしてな。」
気付けば、歌が終わっている。周りの客が昼なのにやけにうるさい。
「おいおいお二方!」
レイドは、いつのまにかナポリタンを口一杯に頬張っていた。
その隣には、女の子が座っている。机に肘をたてて、両手で頬を支えていた。
よくみると、先程まで歌っていた踊り子だった。
レイドはナポリタンを飲み込む。
「この女の子、なんか宝がどうのこうの言っているんだが…。」




=======================


「疲れたわ。」
ベットに腰をかける。窓から見る景色も、外でみた景色もかわらない。
さして景色がいいわけでも、眺めがいいわけでもなかった。
「…にしてもあの狼男…。」
思い出す。自分を子供呼ばわりするのが気にくわなかったからもある。
しかし、宝について何か知っているのではないか?
あんな狼男は、この近くにはいなかった。となると、やはり宝目当てになる。じゃないと突然来る理由がない。
アイリは、荷物の中から地図を取り出す。鉱山の場所。周りに危険区域が多すぎる場所。
「…うーん。すこしは手に入るかなぁ?」
いやいやと、首を振る。調査のためにきたのであって、ちゃんと宝に関わる
人物を観察せねばならない。宝が欲しいとか、そういうのは

グゥゥ

音が鳴る。誰も聞いていないが、不思議と顔が赤くなる。
アイリは地図をしまい、少しベットに横になる。
暑さで倒れた人。狼男。茶髪男。倒れていた宿主。
それらを順々に思い浮かべ、身をおこす。

今は飯が優先だった。

15木野:2008/08/30(土) 11:16:09
「はぁ〜い、あたし玲っていうの。よろしくね〜」
大きなバスタオルで汗を拭きながら歌藤玲はレイドの食べている
ナポリタンにタバスコを入れて遊んでいる。
レイドはそれに気づかないのかガツガツと食べ続けている・・
「あいつめ・・・今度あったら口の中にタバスコ突っ込んでやる・・・」
「もうその話はいいだろ・・・
それで、君が宝の話を知っているということだが・・・」
ナインは宝自体には興味がなかった。しかし、宝の場所がわかっていながら
いまだ宝があるとすればそこには・・・・

「ホラ、この地図だよ〜。」
ピラリと小さなハンカチぐらいの地図を広げる。そこには山のような三角が複数と
大きな×印。
「ふぇ・・・なんだかあっはりと見ふかってしまったへぇ。」
レイドは唇を真っ赤にさせながらももごもごとしゃべる。
「?・・この×印の周りの小さな○はいったいなんなんだ?」
「さぁ〜?でもこの×印にお宝があるらしいわ〜」
ガタリ。 ナインが席を立ち上がり地図を掴み取る。
「明日の昼12時に出発するぞ。それまでに準備をしておけ。」
「おいおい、仕切るなよ。それにいまからいったっていいんじゃないか?」
セイスイがつっかかる。ナインはバッと銃を抜き、セイスイの眉間に押し当てた。
『俺が眠いから駄目だ。』
銃口でセイスイの額を弾き、ナインはそのまま宿へと出て行った
「・・・あの目はマジだな・・・・・・・・・すげぇ眠そうだった」

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アイリは下へと降りて宿屋の食堂へと入った。
が、あいかわらず宿屋の主人はソファーで気を失ったままで
他に食事を作ってくれるような人も見当たらない。
「セルフサービスってのもありよね。」
アイリは右手にフライパン。左手に包丁をにぎり、巨大な冷蔵庫の前にたったのであった。
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16羅刻:2008/09/02(火) 19:35:14
「作りすぎたけど・・まぁそこそこね」
アイリの目の前には数多くの料理が並べられていた。
ハンバーグにサラダに鍋に満杯のトマトスープ等々。
その臭いにつれられたのだろうか、宿屋に泊まっていた人達が宿屋の食堂に降りてくる。
「・・・お召し上がりなって行きますか?」
冷ややかな顔からは想像できそうにも無い宿泊客を笑顔で迎え入れる。
彼女は元々飲食店で働いていた事もあり料理はお手の物であった。
彼等のテーブルに手馴れた手つきで次々と料理を運んでいく。

・・・・売り上げは彼女の財布の中に消えるのだろう。

――――――――――――――――――――――
ナインは休むために宿へと入って行った。
入るとそこには宿主がソファーに横たわっている。
「呑気なものだな・・・」
苛立ち、眉間にシワを寄せながらカウンターに置いてある宿泊者名簿に眼を通した後、自分の部屋に向かおうとした時
「・・誰だこんな所に人形を置いたのは?」
そこには昼間、カウンターに置いてあったあの不気味な人形がナインの部屋の前に佇んでいる。
構えていた銃を下ろし隣の部屋の前までその人形を蹴飛ばす。
そしてふと宿泊者名簿の記述を思い出した。
隣の部屋は「アイリ」と言う名の女性が泊まっているらしい。
お世辞にもふかふかとは言えないベッドに倒れこみ、自分を監視していた者の事も忘れ思考を止めた。

「・・・痛い・・・」
人気の無い宿屋の廊下でその声は確かに聞こえた。
・・日はまだ沈んでないようだ。

17木野:2008/09/08(月) 01:51:23
■00:00 08月02日
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新之介はふと目が覚めた。
トイレに行きたくなったのもあったが、いまだに手持ちの地図以外の有力な
情報を得ていないのが気になっていた。
「どうすっかなぁ・・・この地図どおりかどうかもあやしいところだし・・」
地図を机の上におき、新之介はトイレを探しに部屋を出た。

「ん、君は・・・?」
あけた扉越しにレイドが顔をのぞかせる。
「なんだ、おまえもトイレか?」
ああそうだ。と、うなずくレイド。まさか男二人で連れションすることに
なるとは・・・
「まぁ、いいや。ちょっと聞きたいことがあるんだが、
「あぁ、僕も尋ねたいことが・・・

『トイレはどこにあるんだ?』

「・・・・こりゃあ困ったな。」
あいにくここは古びた大型宿屋。親切な案内も無くついでに廊下の明かりも
ついていない。
「仕方ない。二人で分担して探そう。見つけたら声を掛けることにしよう!」
部屋に置いてあった小さなランタンを持ち出し、レイドは廊下を走っていった。
「ありゃーそーとー限界近いみたいだな・・・っと。こっちもヤバくなりそうだ・・」
新之介もランタンを持ち出し、レイドと反対方向へと走っていった・・・

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トン   トン     トントントントン・・・・

扉の前で繰り返されるノックのような小さく扉を叩く音・・・
その不気味な音で目覚めたアイリは手近に合った椅子を抱え込み、
扉の前に立っていた。
(・・・こんな時間に誰かしら・・)
扉を叩く音は今もなお続いており、鍵のかかった扉のドアノブも時折ガチャガチャ
とまわされる。
(・・・・まさかお宝を狙う他の人が・・?)
音を立てないように静かに扉の前まで近づく。すると、小さな声がノックの
音にまぎれて聞こえてきた・・・

「痛い・・・イタイ・・・・」
                       ガチャリ。

扉の鍵が外れる音がし、扉は静かに開いていく・・・
---------------------------------------------------------------------

18ヨモギ茶:2008/09/08(月) 19:28:24
「いたい・・・・おネエちゃん・・・、お姉ちゃん。デショウ・・?」

廊下側からこじ開けられ。風におされるかのごとく部屋の中へと入っていく扉板
その最中に響く音とくれば、まるで悪魔が笛をふいているようだ
扉がゆっくりと壁にはりつき、さっきまでそれをガチャガチャやっていた張本人が入ってくる

アイリは紫の瞳が小さくなってしまう程目をみひらき、袖で隠れた両手で右の頬を押え、恨めしそうに自分を見上げる女の子をみた。
マゼンダ色のふわふわした髪。涙を流す黄緑色の透きとおった瞳。その点だけを見ることができれば、アイリなら、優しく接しようと思うだろが
その少女の体からは赤い糸がのび、頭上のクロスにつながっている・・しかも、そのクロスには誰も触っていないのだ
もう一つ言ってしまえば、少女の肌は真っ白でまるで・・・まるで死人だ。

・・・間違いないと、アイリは何処かで思っていた。
カウンターのある部屋で倒れていた宿主。埃にまみれたカウンターには。何かが置かれていた所のみ、綺麗な箇所があったのだ
そしてこの目の前の女の子、・・・いや、操り人形だったか。自分でも結構はたいたのだろうが、その髪と衣服には埃が残っていた

「・・・・ねえ・・お姉ちゃん、なんでしょう・・?」
「  。な、にが・・?・・あなたは、この宿屋の、宿主さんのお嬢さん・・?」

不用意に、刺激してはまずい・・・アイリはこちらに近寄ってくる女の子に、視線があうように座り、落ち着かせるように震えながらも優しく声をかけた
だが、その女の子本人にとっては逆効果であったようだ。

「ちがうヨ・・・・!!おねえチャンハ、オネエチャンハエゴヲ。オヘヤノ前にたってただけで、サッカボールノヨウニケッタクセニ!!」
「・・・!?ちが・・っ!!」

バキイ!!

誤解よ!お人形の言葉を否定しようとしたアイリは、飛んできた物をイスで辛うじて防いだ。
カッターナイフだろうか、バターナイフだろうか・・・鈍く光を放つ刃物が、5本くらいイスの背もたれに刺さっている

「エゴ・・・エゴ、だまされないもん。ゼッタイオネエチャンガエゴヲケッタンダ・・!!」

お人形・・・エゴ、は、いつの間にか右手があった場所にたくさんのナイフを生やし。
アイリにむけていた。ナインに先ほど蹴り飛ばされたせいだろう。ほっぺた部分には卵のようにヒビが入り、血のようなものが滲んでいた

だめだ・・・・・!!

アイリは、こちらにむかってこようとするお人形にイスをなげつけ。悲鳴をあげもがいている隙に部屋を飛び出した。

_________________________________

ドタバタ!バキ!ガシャア!!

「・・・・・・・・__うるさい・・・・・!!」

一方・・・・・エゴこと少女人形を蹴り飛ばし。アイリのいる部屋まで転がした男。
赤髪赤眼のガンマンナインは、自分が発端かもしれないとなりの騒ぎの音で目を覚まし。
とても不機嫌そうに舌打ちをした。

__________________________________

19腐れ飯:2008/09/09(火) 00:01:27


すでに消灯時間は過ぎているので、古びた宿の廊下はどこまでも暗く、行き止まり
の壁はどこなのか、闇に目がなれはじめても、よくわからなかった。

そしてランタンが壊れていたのは予想外だった。

「………」
もうそこらでしてしまうかと新之の頭に邪念が過ぎったが、そのまま看過した。
とりあえず、一階にあるというのが無難だろうと、階段を探す。手に持ったランタンは
手提げバッグのようにブンブンと音をたてて振り回されていた。
宝の地図 大きな×マーク そして狼男や異様な連中
どうやら思っていたよりも状況は複雑なのではないかと新之は気付いた。軽視しすぎて、
よく考えないのは、悪い癖だ。
大きく欠伸をする。なにせ深夜だ。月の光は雲に隠れていて、世界全体が、こんな
沈黙に覆われているのではないかとおもえた。

その矢先、ドカリと何かがあたる。

「やぁ!」
高い声が廊下に響き、そのまま新之は倒れ、相手も倒れる。
「…ってぇ!何してんだ!廊下走っちゃいけないと教わらなか…」
暗いといっても、ここまでキョリが近ければわかる。たしか狼男と口論していた
少女だ。
「…ごめんなさい。ちょっと…。」
「まぁ夜にテンション上がるのはわかるさ。な、夜更かしはよくないぞ。」
新之はアイリの頭をポンポンと叩くと、アイリはその手を払った。
「子供扱いしないで。いい?今私の部屋の前に人形が歩いてきて血を流していた
の、それでイタイイタイっていうのよ?取り乱すでしょ、普通。」
新之は、ポカンという顔をしたつもりだった。暗くて相手の反応もわからないので
確証はない。
「あいあい。そういう悪い夢ってみるよね、みたら寝れないよね。でも寝れない
時こそ寝るしかないのさ。寝ろ。」
アイリは新之の下腹を殴る。尿意が込み上げる。
「ばかやろおま!…何してくれとんじゃぁぁぁ」
漏らしはしないが悶絶をする新之の胸倉をつかんだアイリは、顔をグイッと引き寄せる。
新之は、アイリの目を見る。その顔は苦痛に満ち溢れていて、アイリの顔は、冷静と怒りと焦りが
地味に入り混じっていた。
「来なさい。見せてあげる。」
「……もしかして怖いのか?」
「………違う。」
「………あそう。」
「何よその変な声。」
新之は、頭の中で蛍光灯が就いたような感覚になった。
んんと咳き込み、のどをならす。
「んじゃ、協力しよう。」
「………何?借り?怖くないっていってるじゃない。」
「いやいや」
新之は、アイリが唇をとんがらせているのをみて、可愛いなと思った。
それはいわない。今はそれよりも重要なことだ。
「いやね、俺も『明日の遠足』が気になって眠れないのさ。」


========================

一回のロビーのすみに、掃除が半年くらいされてないのではないかというほどに、
異臭を放つトイレが見つかった。
「………。」
ココ以外にトイレがあったかもしれないが、明日の朝に出かけるので、時間に
限界があったし、尿意のほうは、すでに限界を超えていた。
「…トイレがあったぞー!!」
ロビーにその声は響き、こだまする。先程会った男は、今どの辺にいるのか、
検討もつかない。
「よし!伝えたぞ!」
レイドの中では伝わっていたので、問題にはならなかった。

異臭を放つトイレは、扉をあけたらさらに凄まじい存在となった。
レイドは、息をとめながらも、便器に向かう。窓があったので、開けると、
心地よい風が入ってきた。雲の流れがはやく。月の光は見えないことが多いが、
チラリチラリと、月が顔を出していた。
すこし臭いが和らいだので、とりあえずはやいとこようをたす。

「…イタイ」

ビクリとレイドは身をすくめる。出し切ったところで、横を向くと、暗いトイレ
のおくで、人形が血を流していた。
「………。」
レイドは、自分の排泄したものを、流して、水道で手を洗う。この水もキレイか
どうかわからなかったが、レイドはこの一連の行動をしている間もずっと人形を
みていたので、然程気にならなかった。
「…女の人探してるの。」
エゴが先に問いかけてきた。レイドは、すこし不安が消えた。するとハッハッハと笑い出した。
「なんだなんだ。迷子か?しかしここは男子トイレ。ここにはいない…。」
「女の人探してるの。」
エゴは機械のように、同じ発音同じ調子で、レイドを一点に見て話しかける。
レイドは、あまり得意ではないが考えてみる。今すぐ寝たい。しかし、エゴを
ほっとくわけにもいかなかった。それは、レイドのポリシーによるものだった。

レイドは、思いついたように手のひらをポンと叩く。

「よし、じゃぁ明日の朝。俺と洞窟にいってその人を探そう。」

20木野:2008/09/13(土) 21:16:36
「・・・・・。」
ムスっと黙ったままのエゴはレイドに抱きかかえられながらふてくされていた。
レイドの方はすっきりしたのかだいぶ冷静になってきていた。
(この子はいったい・・?それになんだろうこの糸みたいなものは・・)
レイドの目の前にフワフワと浮かぶ糸と木の板。触ろうとしたがエゴに
にらまれたのでほおって置くことにした。

(それにしてもさっきの人はどこへいったのだろうか。トイレの場所を叫んでからも
こっちへくる様子が無いし・・・まぁとりあえず部屋へもどるか。)

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有力な情報をつかんでいるならば、一日でも早く行動に移すはず。
そう読んでカマをかけてみたが見事にヒットしたみたいだ。
「・・・なんであなたが知ってるのかしら。確かに明日の昼12時に鉱山へと
出発するわ。」
「はは、俺も同じ情報を手に入れていてね。せっかくだから一緒にいかないかい?」
適当に話をあわせ、同行を狙う。何が出るかわからない鉱山内だ。人数は多いほうがいい。
「勝手にすれば?そんなことよりもそこの私の部屋の中をみてきてくれないかしら。」
「はいはい・・・」

---------------------------------------------------------------------
ドアが静かに開く。新之の部屋と同じで、アイリの部屋には小さな机とベッド。
そして1つの開かない窓があるだけだった。
「ど・・どう?なにかいた?」
ドア越しにアイリの声が聞こえる。その手はしっかりとドアノブを握っていていつでも
自分を閉じ込めて逃げ出せるように構えていた。
「別になにもいないが・・・」
念のためにベッドのしたなども調べたが宿主の手入れが行き届いてるのかねずみ一匹
いない。

ガタッ

突然ドアが閉まる。
「・・・・?」
新之はドアを開けた。

そこにはへたれこんでるアイリとそれに飛び掛っていく人形の姿があった。
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21羅刻:2008/09/16(火) 23:06:15
――――どういうことだこれは?
新之がドアを開けた先に見たのは座り込んだ少女と・・それに飛び掛る人形の姿だった
「何してんだてめぇ!」
新之は咄嗟にエゴの前に立ちふさがるように動き、剣を抜き・・無い
剣の柄を握ろうとして空ぶる、どうやら自分の部屋に剣を置いてきた様だ。
何故置いて来たのか?・・・そうそう、トイレに行くからだった
「・・・ジャマするなァ!!」
「ぐおっ!?」
床に叩きつけられると同時に尿意が新之を襲う。このままでは色々な意味で不味い。
「私は何もしてない・・・証拠なんて何も無いでしょ・・?」
腰でも抜けたのだろうか、アイリは座り込んだ状態で後ずさりする。
エゴは倒れた新之の頭を踏みながらアイリに近付く。
「・・オネエチャンが部屋にハイルトキニジャマダッタカラケッタンデショ!!」
意味が分からない、エゴの手には銃器やら刃物がある。
その銃口がアイリに向けられた時――――

    パァンッ!!

何処からともなく乾いた銃声が響く――
エゴの軽い体はアイリの後方まで吹き飛ばされた。
「嬢ちゃん・・子どもが人形遊びする時間じゃねぇぜ?」
新之の傍らには褐色の体毛の長い鬣の獣人が拳銃を握っていた。
そして足元に倒れている新之の顔を覗き込む。
「・・昼間のオムライスの坊主か?」
「誰がオムライスだ・・」
新之は起き上がりグレイヴィッチを睨んだ。

――――――――――――――――――――――

・・銃声?・・・かなり近いな
発砲音で起きたナインは眠たそうな顔で銃を握っていた。

22ヨモギ茶:2008/09/27(土) 21:02:41
「で・・、一体何があったんだい?」

たてるかい?と座り込んだアイリに手を差し伸べながら、
グレイブッチは質問した。

アイリの後ろに倒れているのは、子供だけど間違いなくお人形だ

「わ・・わからないわよ・・!。部屋にお人形が泣きながら入ってきて・・
『お姉ちゃんがエゴを蹴ったんでしょ』って・・」

アイリは、最初拒んで自力で立とうとしたものの、足に力が入らず
結局はグレイブッチの手を借りた。立ち上がった後は、
その間々服や腕などにすがりながら、相手の背後にまわった
地面に落ちた、胸元から煙を出す少女の人形が怖いのだ

「・・ふうん・・」

グレイブッチはエゴに近づいてみようとした。だが、
後ろからアイリに抱きとめられた。
剣の方はというと、尿意の限界と先ほど起った出来事のせいで、
イライラが頂点に達しようとし・・・いや、達した

「〜あァもう・・・、さっきから訳がわかんねえや!何!こいつは部屋に
入る時邪魔になったから蹴ったんだろって!?犯人は現場に戻るっていうから
あんたが蹴っ飛ばしたにきまってr ぐんぎゃ!」

起き上がりながら怒鳴っている最中に、再びアイリの拳が下腹部を捉え
またしても新之の体は床にしずんだ。・・顔が真っ赤になっているのは
気のせいだとゆうことにさせていただこう(まて)

「ごら・・・、きのせいにしてんじゃねえよ・・」
「・・・・・。とにかく・・、私が自分の部屋に入る前は、お人形は
いなかったわ・・」

殴られた下腹部をおさえ、頭とひざを地面につく新之剣を放置し、
アイリはグレイブッチに訴える。

「そうか。・・・・む?」

グレイブッチは、苦笑いをしながら新之剣を見
そしてエゴの方へ顔をむけ――――

エゴは、影も形もなくなっていた・・・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――

コンコン。コン・・・

扉をたたく音が聞こえる・・・・

「・・・・ん・・・?」

コンコンコン・・・・

薄ぼんやりと覚醒し、レイドはベットから体を起こした。

ドアのノックの音は未だに続き、すすり泣く声も確かにきこえる
ほんの少し不気味に思いながらも、レイドは叩かれるドアのノブにてをかけ
ゆっくりと中へ開いてみた・・

「・・・おにいちゃん・・・」

扉の先には、さきほど抱きかかえた間々共に部屋に入ったはずの少女がいた
レイドは部屋の中へ顔を向けた。当然というのか、エゴはいなかった

「おかえり、何処へいってたの、・・!」

良く見ると、エゴの体には撃たれた跡があった。
エゴはけがをした所をおさえ、泣きながらレイドを見上げた

「痛いの・・お姉ちゃん見つけた・・痛い・・」
「・・何が、あったのかわからないけど、早く、手当てしなくちゃ・・」

レイドは、エゴをもう一度抱き抱え、ドアを閉めた

23kino:2008/10/16(木) 18:16:53
■11:00 08月02日
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「ふぁ・・・・あ。」
大きなあくびをしながらナインは1階へと降りた。既に他のメンバーも
食堂に揃っていたが誰もが眠そうにトーストをくわえている。
特にアイリは人形に狙われている恐怖感のためかコクリコクリとうなずきながら
コーヒーにミルクを入れている。 既に5個目なのだが彼女はまたもう一個ミルクを
取っている・・・
「んで、どうやってあの炭鉱にはいりこもうっていうんだい?」
ナインの隣にセイスイは座る。元気が有り余っているのか豪快に野菜を
挟み込んだサンドウィッチをほおばる。
「・・・さっき宿主に聞いてみたところ鉱山の東からトロッコ用の通路が
あるらしい。そこから鉱山の奥内部までいけるはずだ・・・ふぁ。」
そういいナインは自分のコーヒーに砂糖を9つ放り込み、一気にそれを飲み干した。

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24ヨモギ茶:2008/10/27(月) 17:57:26
「お姉ちゃん・・・・」
エゴは、レイドに背負われたリュックの隙間からじい・・・とアイリを睨んでいた
昨日お姉ちゃんに仕返しをしようとしたとき、パンダナの人とハイエナさんに
邪魔された。撃たれちゃった所・・このお兄ちゃんに手当をしてもらったけど・・

エゴの、ナインに蹴られたとこにはガーゼがはられ、撃たれた箇所には
包帯がまかれていた。レイドは、ちゃんとした治療をしたが、思いだすとまだ痛い気がする

「お姉ちゃん・・!」
「わ・・ちょっと・・!」

エゴはレイドの荷物から飛び出ようとした、それをレイドは必至で押さえる
――幸い、一人か二人振り返った物のすぐにレイド達から目を離し、
距離の為アイリにはエゴの声は聞こえなかった。

「おねえちゃ・・」
「落ち着いて、怪我しちゃってるんだから」
レイドは、汗をかきながらエゴをなだめた。飴をあげたら落ち着いてくれるかなと
ポケットの中を探してみる。飴の代わりにクッキーが出てきた。
レイドが、フクロにはいった真ん中にイチゴジャムがぬられたクッキーを渡すと
荷物の中から、クッキーをぽりぽりと食べる音と、すすり泣きが小さく聞こえる。

(この子、そのお姉ちゃんって人と何かあったのかな・・いつの間にかいなくなってるし、
帰ってきた時は怪我をしているし・・・。・・・まさかね・・。)

未だに、エゴがレイドの荷物に潜んでいるのは誰も気づいていない。
そして、今だにレイドは、その『お姉ちゃん』がナインの代わりにお人形に狙われている
アイリということは知らないのだった。


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