だが、アームストロングは私たちの番組「Prof G Markets」で、混乱を引き起こすこと自体が目的かもしれないと指摘した※3。トランプと側近たちは既存システムを心底軽蔑しているため、「村を救うために村を焼く」ことに何のリスクも感じていないのだ。
こうした政策の乱高下により、 米国というブランドには「毒性のある不確実性」というイメージが染み付いてしまった。わずか数ヵ月で50を超える関税政策を打ち出したり修正したりする※4のは一見支離滅裂だが、実はそこに狙いがある。
トランプが株価を乱高下させる力は、インサイダー取引の温床を作り出している。そして米国市場への信頼を失墜させ、この国の繁栄を支えてきた大黒柱──公正な競争──を根底から揺るがしている。トランプが市場に爆弾を投下してから手のひらを返すとき、ワシントンにもウォール街にも巣食う彼の取り巻きたちに、一方的に儲けられる絶好の機会が転がり込む。彼らは一般の投資家(買い手も売り手も)が知らない情報を握っているからだ。
Scott Galloway From No Mercy No Malice
イスラエルが独自の極秘核計画を拡大していると見る専門家もいる Photo: Dave Sanders / The New York Times
イスラエルがイランに仕掛けている戦争は、イランの核計画を排除しようとするものだ。世界の大部分が危機感を抱くこの核計画は、数ヵ月以内に核兵器を製造できるほどまでに進んでいると専門家たちは述べている。
クリラ大将は、これまで2度のパープルハート勲章(名誉負傷章)を授与されたほか、2005年にはイラクでの戦闘で勇敢さを称えるブロンズスターメダル(青銅星章)を授与された。彼は、2022年にバイデン前大統領の指名によって中央軍司令官に就任する以前は、第82空挺師団の指揮官および中央軍の参謀長を務めていた。
Ty Roush
しかし最大の一撃は首脳会議後のトランプ氏による記者会見で下された。「支払っていないのはあなただけだ」とトランプ氏はスペインを名指しで批判。関税を通じて「2倍支払わせる」と警告し、「こちらで帳尻を合わせる」と述べた。
トランプ氏にとって最大のハイライトは、オランダ王室との交流だった。「美しい人たちだ。まさに王室にふさわしい」と感想を語っている。
オランダ王室が今回のサミットで、単なる脇役以上の役割を果たしたことは間違いない。
原題:Royal Pomp and Political Flattery Help Sway Trump on NATO Unity(抜粋)
--取材協力:Michael Nienaber、Alex Wickham、Alberto Nardelli、Ania Nussbaum、Donato Paolo Mancini、Andrea Dudik、Milda Seputyte、Daryna Krasnolutska、Patrick Van Oosterom.
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Andrea Palasciano, Flavia Krause-Jackson, Josh Wingrove
中国の生産能力に対する懸念がある場合、その解決策は米経済の強化に投資することであり、気候変動や感染症のパンデミック(世界的な流行)といった人類の存在を脅かす課題に対処するために必要な資金や人材を軍拡競争に投入することではない。こうした新たな世界の脅威に対処するには中国と対立するのではなく、協力することが必要だ。米中は最も親密な関係になる必要はないが、核兵器や航空母艦、ロボット兵器の建造では解決できない、私たちが直面している最も差し迫った脅威からそれぞれの国民をいかに守るかについて理解し合う必要がある。
中国との関係構築では、冷戦時代、ましてや第二次世界大戦を想起させるような政策ではなく、新たな方法が必要だ。結果が世界を大きく左右する以上、戦争の可能性を高めるだけの時代遅れの考え方にとらわれるべきではない。
William Hartung