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なぞ

1医者36:2019/09/13(金) 22:53:43

 ―――満月の夜。

その日は、特に"風が強く"…。悠悠閑閑と枯れ葉が散り、浅瀬の川にふわり、と。葉が舞い落ちる。

 ……カラン。
   ……カラン。

 突如に下駄の音が木橋に響く。
その音周りには、旋風がやけに夜風の寒さを痛感できる程にも吹く。

 「―――罷(まか)り越すは、宵の風。」


 その旋風と童謡を見聞きした者は口を揃えて告げる―――『逃げろ』と。


 「遅ェよ」

77医者36:2019/10/11(金) 20:04:39

 「虎視眈々と機会を窺っていたが、」

 「周囲の穴を突いて脱するのが得策だが、」

78医者36:2019/10/11(金) 21:08:43

 「───オレを本気にさせたな」

79医者36:2019/10/12(土) 09:52:46

 「……呆れたモノだ。
 外道を気取りながらも、非道に為りきれない半端者が。」

 「オレは瞳に見えるモノしか信用しない。」

80医者36:2019/10/12(土) 16:24:09

 頭蓋 肩関節 手先 爪先 視線。―――僅かな傾きで次の動作を予測し、

連撃を受け凌いだ

倒錯的だな

眉一つさえ動かさずに

81医者36:2019/10/12(土) 16:26:23

 「……自明の事実を確認する無駄は止した方が賢明だぞ。」

82医者36:2019/10/12(土) 19:44:10

 「厭世的」


眉間に皺を寄せ、いつになく不機嫌そうな風情でセイバーを見据え

───よい開幕だ。死に物狂いで謳え雑念───!」

83医者36:2019/10/13(日) 17:16:57

 「……………………ふわぁ〜あ。」
 「―――眠い。思わず大欠伸(あくび)など出てしまった。
 して、懺悔でもすましたのか?」

84医者36:2019/10/13(日) 18:13:45

 「花剣 」

85医者36:2019/10/13(日) 18:15:09

 「花剣 」

86医者36:2019/10/13(日) 18:58:09

 「飛燕─── “嘴”」
 
  迫る驚異に怯む事無く、背に全体重を委ね重力に従い、身体が揺れ後方へと動けば、追撃は鼻を掠り紙一重に回避する。
 薄く瞳を閉じれば、一瞬の間に生まれる隙を逃す事無く。脚を踏み込み常気離れした速度の〝突き〟が至近距離から穿たれる

87医者36:2019/10/13(日) 19:42:42

 「飛燕───爪」

88医者36:2019/10/13(日) 20:03:49
中段の構えから剣を一気に振り上げ、一瞬で振り下ろす

日本刀では通常斬れぬとされている鉄製の甲(かぶと)を両断する剛剣。(貪藻矢

相手の心臓部分を的確に掌底することによって、心臓停止の状態にさせる。 その際に発する衝撃波によって横隔膜も停止させる。要するに心肺停止にさせる技。 強靭な筋肉を持った相手には通用しない。

89医者36:2019/10/13(日) 20:13:34
>>86
嘴穿

90医者36:2019/10/13(日) 20:30:35

 「飛燕───“鳴嚇”」

91医者36:2019/10/14(月) 11:35:37

 「……飛燕────」

 流れる動作で前傾姿勢を取れば、土煙の跡を一切残さない足取りで低い姿勢を維持し、猛進する。無理な姿勢を取れば、膝や足首に負担が掛かる事を知っているのにも関わらず、その集中力は途切れる事を知らない。
 その時間は、瞬きにも満たないだろうが、寸で肉薄し〇の影を踏み付ける。

 「────“旋回”」

 ―――下段の構えから刀を一気に振り上げる。その御業は目にも止まらず正に空を舞う燕の如く。

92医者36:2019/10/14(月) 12:22:56

 「……飛燕────」

 流れる動作で前傾姿勢を取れば、土煙の跡を一切残さない足取りで低い姿勢を維持し、猛進する。無理な姿勢を取れば、膝や足首に負担が掛かる事を知っているのにも関わらず、その集中力は途切れる事を知らない。
 その時間は、瞬きにも満たないだろうが、寸で肉薄し〇の影を踏み付ける。

 「────“旋回”」

 着物の女は細い言の葉が残響する―――下段の構えから刀を一気に振り上げる。その御業は目にも止まらず正に空を舞う燕の如き速さで在る。

93医者36:2019/10/14(月) 14:03:42

 「飛燕───“鳴嚇”」

 〝キンッ!〟

 激しい耳鳴りする様な鍔と鞘が重なる音が耳を擽れば、“納刀”する。

94医者36:2019/10/14(月) 15:42:13

 「飛燕───“鳴嚇”」

 〝キンッ!〟

 片目を綴じ、鍔と鞘が重なる音が耳を擽れば、“納刀”する。

95医者36:2019/10/14(月) 15:50:04

 「飛燕───“爪襲”」

 着物の女は地を力強く踏み込めば、次いで左脚の下駄を目掛け投げ蹴り上げる。
 勿論、それは『陽動』であり一瞬でも其れに気取られたならば、彼女の姿は消えているだろう。

 〇の影が次第に濃くなり“重なる”。

 それは、無駄な動作を一切捨て天賦なる動きで、大きく〇の頭上へ飛翔した着物の女の影であり、それに気付いた時には、刃を頭蓋に目掛け急降下し振り下ろす姿であろう。

96医者36:2019/10/14(月) 16:32:42

 「………何故、オレがそんな事を 」

 眉間に皺を寄せ、いつになく不機嫌そうな風情で見据えれば、不意に胸に抱いていた言葉を遂には言葉が飛び出してしまう。
 流石に直球過ぎたのか。或いは、別の感情が合ったのかは定かでは無いが、罰が悪そうに色素が褪せた金髪を撫でりながら、そっぽを向く。

97医者36:2019/10/14(月) 16:36:10

 頭蓋 肩関節 手先 爪先 視線。―――僅かな傾きで次の動作を予測し、眉一つさえ動かずに的確に、かつ迅速に刀で傾け受け凌いでいく。

98医者36:2019/10/14(月) 17:40:28

 「容易い浅慮だ。」
 ……オレは串団子でも食べれば、食べた分だけ血潮に帰す。」
 「……? 」

99医者36:2019/10/14(月) 17:43:38

 虚ろの瞳で遥か遠くの満月に手を伸ばしても、其れは届く訳が無い事を知っていても、無邪気な子供の様に必死に手を伸ばす。―――いつかは、届くのでは無いかと云う絶望を知りながら。

100医者36:2019/10/14(月) 17:45:55

 「満月だ。」
 「眺めていた。」

 「オレはこの世界に収まるには些か異端と云う訳だ」

101医者36:2019/10/14(月) 17:55:17

 ステンレスさえ直ぐに溶かす腐食した錆びた心。忘れてはいけない記憶までも蝕んでいく。
並べた単語が頭の中で反響して踊っている。

 「私は死ぬ迄、踊る。 」

102医者36:2019/10/14(月) 18:17:23

 「ふ、花は散り際が一番美しいものだ。」

 「分からないですか?
 貴様が踏み込む前に猶予を与える」
 「蛮勇と勇敢の違いも分からない無知蒙昧と云う訳でもあるまい。」

 「もし、剣を握るなら敵対行為」

103医者36:2019/10/14(月) 18:42:03

 「……貴様、誰に命令をしている。」
 「よもや、オレに言っている訳じゃあるまいな?
 ……だとしたら、誰が命令される側か。その身体に直接思い知らせてやろう。」

104医者36:2019/10/14(月) 18:49:54

 「―――違うな。
 どんな勝負であろうと、手を抜くことは相手に失礼だ。」
 「尤も、頭を垂らし手加減を所望するなら考えもなくない。」

105医者36:2019/10/15(火) 17:58:26

 「……よく、その細腕で脆弱な足で戦い抜いた。
 それは誉れで在り、その功績は誇りだろう。」

106医者36:2019/10/15(火) 20:02:27

 「―――違うな。
 どんな勝負であろうと、手を抜くことは相手に失礼だ。」
 「尤も、頭(こうべ)を垂らして手加減を懇願するなら考えもなくないが?」

 謎の持論を掲げ、 片方の目を閉じながら不敵に。否。 馬鹿にした様な悪どい笑べれば、愉快そうに鼻を鳴らし一蹴する。
 普段は表情筋は一切動かさないのだが、この時だけは 妙に子供の様なあどけなさか残る表情をしていたわわ

107医者36:2019/10/15(火) 20:35:24

 「―――違うな。
 どんな勝負であろうと、手を抜くことは相手に失礼だ。」
 「尤も、頭(こうべ)を垂らして手加減を懇願するなら考えもなくないが?」

 謎の持論を掲げ、 片方の目を閉じながら不敵に。……否。 馬鹿にした様な悪どい笑べれば、愉快そうに鼻を鳴らして一蹴する。
 普段は表情筋は一切動かさないのだが、この時だけは 妙に子供の様なあどけなさか残る表情をしていたわわ

108医者36:2019/10/16(水) 17:52:35


 「波阿弥陀仏。
 岩撃波」
.
 隙の無い上段の構えで、出方を伺う様に摺り足で後ろに神妙な面持ちで下がっていけば、妖刀の刃周りに

 「───〝礫〟」

109医者36:2019/10/16(水) 18:08:56

 見開かれた紅の両目が己を貫く刀を凝視していた。臓器や身体からは絶え間なく血が溢れ出し、確認するのも億劫な程に命が砂時計の様に零れていく。
 歪むの意識の最中、痛覚すら機能しない腕を必死に伸ばし、〇の頬に触れれば血化粧の様に“くっきり”と血の跡が残る。灯火尽きる時でさえも相変らずの仏頂面だったが、頬に触れた瞬間、若干の変化があった、

110医者36:2019/10/16(水) 18:49:46

 「飛燕 一心一刀 ───」

 
 冷静沈着に着物の女は刃を鞘に納め、腰を深く落とす。黄金の両眼から窺える油断も侮りも欠片もなし。銀の鞘を握り、納められた剣の柄に手を添える。

全身に流れる力を、地を踏みしめる脚に収束させていく。求めるのはただ一撃、そのために全霊を籠めて。
迫る対敵、その気迫に圧されることなく静謐に時を測る。高まる膂力、刃の間合い。

……対峙する両者の間に、一陣の強い風が吹き抜けた。
どこからか舞いこんだ緑葉が宙に踊り、ひらひらと地面に落ちた。―――刹那。


「─────燕ッ!」

闇を切り裂き、白刃が閃く。
剣士の姿はいつの間にか名無ヶ原の背後に。すなわち踏み込み、飛び出した後に抜刀、勢いをすべて刀身に乗せ一文字に振り抜いた。
疾風の如き居合に抗しうる術もなく。男は手にした剣を振り下ろす間もなく、胴を深く深く斬り裂かれたのだ。

 「─────返しッッ!」

その矮躯がぐらりと傾ぐ。
崩れ落ち、地に伏せる――刹那、最後に呟いた言葉は何であったのか。
世間を騒がせた賊の一味、最後の一人たる名無ヶ原という男は……ここに、その生涯へと幕を下ろしたのだった。

111医者36:2019/10/16(水) 22:31:55

 「飛燕 一心一刀 ───」
 
 見開いた黄金の瞳が姿を凝視し捉えすれば、着物の女は刃を鞘に納め、腰を深く落とす。艶のある漆黒の鞘を握り、納められた刀の柄に手を添える。―――気迫に圧される事無く、己の刃圏に干渉される寸前まで静謐に瞳を閉じた。

 対峙する両者の間に、一陣の強い風が吹き抜けた。
 どこからか舞いこんだ緑葉が宙に踊り、ひらひらと地面に落ちた。―――刹那。


 「─────“燕」

 闇を切り裂き、桜色が閃く。
疾風の如き居合いは、勢いが乗った刀身は一文字に振り抜いた。



男は手にした剣を振り下ろす間もなく、胴を深く深く斬り裂かれたのだ。

 「─────返し”」

その矮躯がぐらりと傾ぐ。
崩れ落ち、地に伏せる――刹那、最後に呟いた言葉は何であったのか。
世間を騒がせた賊の一味、最後の一人たる名無ヶ原という男は……ここに、その生涯へと幕を下ろしたのだった。

112名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/23(水) 22:17:17
 同時刻。

 ー――路地の隙間に、一人の女が必死の形相で駆けてくる。
目は血走り、呼吸は荒く、足は縺れ、今にも倒れてしまいそうな気配を漂わせながらそれでも何かがその背を押しているかのように走っていた。
それは恐怖だった。それは焦燥だった。絶対の死に晒されている者特有の、生にしがみつく壮絶な熱量がそこにあった。
目の前に立つ少女も地べたに転がる破落戸たちも、もはやその目に入っていない。進路上にいる彼女を突き飛ばす勢いで突進する。

――しかし瞬間、金の残光を引き連れた刃がその背を斬り裂いた。
断末魔が響き渡る。袈裟に振るわれた一太刀は一撃でその心臓を破壊した。即死だ、生存など望めない。
涙と涎を撒き散らし、あらゆる負の感情に染まった表情が力を失う。最後の抵抗すらできないまま、裏社会の頂点の一角に立った男は汚らしい路地裏で絶命した。

「ーーー」

……その向こうには、巨悪を討った男が独り、立っていた。
その男は全身傷だらけだった。至る所に切傷や擦過傷を刻んでおり流血しているが、しかしいずれも深くはない。
長身を包むのは薄手の黒いハーフコート。同色のスラックス。北欧人種の白い肌、眩い金髪に壮絶な意志力を秘めた碧眼。手には黄金色の光を放つ無骨な長剣を携える。
第一印象は燃え上がる鋼だった。金属のような硬質の気配を纏っているが決して冷たくはなく、一目で分かるほど異様な精気を発散している。

……その男と少女の目が合った。


//これでおしまいです。クッソ長くなりましたが、よろしくお願いしますー

113名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/24(木) 22:12:35

 「……随分と手癖が悪い狂犬の様だな。
  どうだ?飼い主に手枷でも繋いで貰うと提案してみるのも一興だぞ。」

 迫り来る驚異に物怖じもせず、試す様な威圧感ある面構えで、飛来して来た正体を一瞥をすれば、それに“合わせる”様に右脚の履いている“下駄”を投げ蹴り。その勢いのまま〇と衝突する。
 その下駄は呆気ない程に打ち勝つ事無く宙を舞う。―――然し、僅かに軌道を逸らせばそれで事足りる。 着物の女が顔を横に逸らせば、そのまま〇は素通りし虚空へと追進し、それを興味無さ気に眺める。

 「……本気か?」

 

 宙を舞った下駄が漸(ようや)く地面に着地すれば、軽快な音を鳴らし縦に真っ二つに割れる。その音を合図に着物の女は地を力強く踏み込めば、次いで先程と同じ様に左脚の下駄を〇に目掛け投げ蹴り上げる。
 勿論、それは『陽動』であり一瞬でも其れに気取られたならば、彼女の姿は消えているだろう。

 その姿を捉えていたのならば、尋常な位の殺気が〇の背中に伝わるだろう。
 それは、遊び心すら一切捨てた暗殺による

114名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/24(木) 23:40:30
>>69

 「ーーー〝気狂い〟か〝気位い〟か。
 ……或いは両方か?」

 カラン!
   カラ…カラン…ッ!

 この空間の支配を打破するかの如く。耳障りな『珈琲の缶』の音が鳴り響けば、その後、現代社会には久方振りな下駄な音が伝播する。
 その声の主は、艶やかな桜色の着物の装いをしているにも関わらず、帯に“漆塗りの刀”を帯刀しているという。なんとも時代錯誤の傾奇いた装いだった。


 「ん、何だ。訝しがるか。
 ……血を啜るより泥水(珈琲)を啜れと云う意味合いを兼ねているーーーが。オレの茶目っ気全開の冗談を理解できなかったか?」
  「因みに、百二十円だそうだ。」

 一瞬の思考では至らない程の支離滅裂した言葉運びは、それだけで“常人”とは掛け離れた存在だと嫌でも噛み締めるだろうか。ーーーだが既にこの様子を見ても、眉一つ動かさない態度で只者で無いと伝わるだろう。
 
 「」

115名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/24(木) 23:42:27
>>69

 「ーーー〝気狂い〟か〝気位い〟か。
 ……或いは両方か?」

 カラン!
   カラ…カラン…ッ!

 この空間の支配を打破するかの如く。耳障りな『珈琲の缶』の音が鳴り響けば、その後、現代社会には久方振りな下駄な音が伝播する。
 その声の主は、艶やかな桜色の着物の装いをしているにも関わらず、帯に“漆塗りの刀”を帯刀しているという。なんとも時代錯誤の傾奇いた装いだった。


 「ん、何だ。訝しがるか。
 ……血を啜るより泥水(珈琲)を啜れと云う意味合いを兼ねているーーーが。オレの茶目っ気全開の冗談を理解できなかったか?」
  「因みに、百二十円だそうだ。」

 一瞬の思考では至らない程の支離滅裂した言葉運びは、それだけで“常人”とは掛け離れた存在だと嫌でも噛み締めるだろうか。ーーーだが既にこの様子を見ても、眉一つ動かさない態度で只者で無いと伝わるだろう。
 
 「別に正義を気取る程、
 何故オレに会いに来ない」

116名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/27(日) 06:57:05


 「……塵芥(あくた)の掃除なんて数だけは蔓延した醜悪な人間におあつらい向きの職務だが。」
 「いいだろう」

 刀の柄に手を添え―――るが。鞘から抜く迄には至らず、距離を測る様に片目を閉じれば、右掌を〇の前に晒す様にして構える。

 地に手が着く程の前傾姿勢を取り、常にイメージは踏み込むのではなく、次に足を置くべき空間に向けて移動するような感覚。 体勢は四足獣を思わせ、左右方向に動きながら独特な足運びは相手の視覚を惑わす様に彷徨し進軍する。
 着物の女の瞳孔が、徐々に真っ赤な鮮血に染まり上がり、それと同調する様に足運びの速度も増していく。



 相手の心臓部分を的確に掌底することによって、心臓停止の状態にさせる。 その際に発する衝撃波によって横隔膜も停止させる。要するに心肺停止にさせる技。 強靭な筋肉を持った相手には通用しない。

117名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/27(日) 09:10:45


 「ーーー刀の抜かせる程の力量か否か
 一つ、測らせて貰おうか。」

 刀の柄に手を添え―――るが。鞘から抜く迄には至らず、距離を測る様に片目を閉じれば、右掌を〇の前に晒す様にして構える。
 着物の女の瞳孔が、徐々に真っ赤な鮮血に染まり上がり、その瞳の見据えた〇の頭蓋 肩関節 手先 爪先 視線。―――僅かな傾きで次の動作を予測し、眉一つさえ動かずに的確に、かつ迅速に身体を傾け受け凌いでいく。
 

 
 「ーーー読み違えたな。
 それとも、気を急いだか……。」
 「何とも他愛も無い。もう少し、手応えが在ると思ったが検討違いだった様だ。」


 無愛想に呟けば、赤い瞳が見据える先は相手の心臓部。その一打は的確に目掛け風を切る音と共に重く速い掌底が襲い掛かる。

118名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/27(日) 09:22:37

 「挨拶代わりだ。」

   “ガシャリ”。

 金属の重みが増したのが素人でも判断出来る程に、鈍い金属音が周囲に伝播し、辺りの雰囲気が背筋が凍る程に冷たく、鋭く。

―――彼女は薄く目を綴じる。

 両手で妖刀を天に掲げると、辺りに禍々しく嫌悪感すら抱く“紫紺の渦”が妖刀を包み込む。―――これこそ妖刀の本来の本領であり、身震いする程の纏気を包む妖刀は、この世の言葉で表せない位に『美しい』
 手始めに軽く薙ぎ払う様に横に線の軌跡を描けば、それに呼応する様に妖刀に纏う紫紺の渦が形を変えて、斬撃の如く飛来する。


 「……他愛も無い。
 もう少し手応えが有るのかと期待した───が。全くの見当違いとは思わなんだ。」
 「精々、藁人形程度には私を享楽に耽させて貰いたいものだな。」

 激しい衝突音共に、瓦礫が一斉に崩壊する瓦解の如く。硬い地面のコンクリート片が辺りに礫が飛散し、焼き焦げた硝煙が充満しながらも立ち尽くす着物の女。

119名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/27(日) 09:52:23

 「ーーーーーーーーー。」


 顳莵(こめかみ)の奥を“キリキリ”と繰り返し苛む軽い痛み。―――その痛みは、己が課した時間経過を報せる様なモノで在り、波紋の様に拡がっていけば、軈て一瞬だが身体が“痙攣”し動きが完全に静止した。
 経験から時間が長引けば、長引く程にその痛みは広がり続け頻繁に痙攣を起こし天秤は、此方に傾く事は無く地に伏せる事に為る事は理解していた。

 ならば、決めるのならば〝次の一手〟

120名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/27(日) 20:23:30

 「心の底の底に在るソコの真意を窺える訳では無いがーーー中々どうして酷い面構えだな。」  
 「その面は何百年前かの陰気なオレを姿重ねる程だぞ。……ハハハハハッ!!」


 血が滴る木刀。
それを隠す事も臆する事もせずに片手に添えながら、軽快に下駄の音を鳴らす。それでいて何処か威厳ある振る舞いで闊歩する着物の女。
 薄く口角が吊り上がり、その瞳はただ一人を見据えていた。

 「飛燕────木啄」

 突如として後方に振り向けば、軸足を起点とし大きく身体を捻る。
そのまま遠心力を利用した勢いで着物の女の手に持つ木刀が、無遠慮に直線的に鼻っ柱を狙い穿たれた。ーーー確認も何もせずにいきなり穿たれた凶弾。然し、彼女は己の欲求さえ充たされれば不意打ち等気にしない。究極的に自己中心的な性格なのだ。


 「ふ、ふふ。」
 「まさか朽ちた訳でも在るまいな? ーーー選手交代だ。
 井の中の蛙め、オレが少し興じてやろう。」

121名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/27(日) 22:33:25


 「ふ、……そう気構えるな。陽が登ってる内はオレとてただの流浪人。
 詰まる所、私用で気ままに彷徨しているだけだ。」
 「うん? そう驚く事もあるまい。……いやはや存外、人間観察とは中々どうして面白いモノだぞ。」


 そこに声を掛けたのは、〇にとっては思い出したくない相手なのかも知れない。桜色の傾いた着物で道を我がモノ顔で闊歩し、まるで親しい友人に話し掛ける。
 然し、流石に妖刀を腰に携えるのは色々面倒事が在るのか、恐らく背中の竹刀袋の様なモノに収納されているのだろう。ーーー手持ち無沙汰な代わりに何故か〝傘〟を帯に携えている。


 「何だ。……殺し合った奴でも“気に入った”奴を憎む理由なんて無いだろう。
 と、云うのは半分冗談だ。」
 「……………オレは昼餉を食していない。ーーーつまり、分かるな?」

 半分冗談。半分本気。
この真偽を問おうとすれば、適当に流されるだろう。現にその問いを躱す様に、華奢な身体からは予想も出来ない程に大きな『お腹の音』が周囲に響く。
 そして、催促する様に鳴らした激しい主張の主は、〇を一瞥すれば当然のように何かを強請る様に手を差し出す。ーーー此処で話し掛けのも実は、ご飯が食べたかっただけなのかもしれない。

122名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/11/01(金) 16:44:46

 「───少しは出来そうだな。」

ーーー片目を瞑る。
ーーー手を伸ばす。
ーーーそして握る。

 それだけの動作で、着物の女の手には妖刀が“握られている”。
 何処から無く、まるで初めから其処に会ったかのようにそれは存在した。ーーー妖刀の呪い。何時如何なる時でも此れを離すことは許されない。自らの意思で所有者から絶対に『離れず』この呪(まじな)いが消える事は永劫無い。

123名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/11/02(土) 06:57:42

 「ふ、はははははははッ!!」
 「オレを斃す事さえ諦めよもや笑い殺すつもりか!?」

 久々に快活に笑い飛ばし、目尻溜まる雫を億劫そうに拭えば片目を閉じ、片手で妖刀を構えれば、相手の手元を凝視する。
 そして、相手の狙い目を容易に見据えれば、その刃の切っ先を“柄尻”で防げば金属同士が接触し合う喧しい音が耳を擽り、体勢を整える為に一歩だけ後退する。

 金属を打つような音に一瞬だが手が止まった。朧気だが何処か馴染み深い音だ。 記憶の底の奥底に眠る記憶。ーーー不思議と自然と口角が上がる。
 ステンレスも溶かす腐食し錆びた心。忘れてはいけない記憶までも蝕んでいく。


ても感慨深い深い音だ。
 口角が上がっていく。

 懐へと飛び込んできた少女が新たに刃を繰り出す。
 それを、柄尻で抑えていく。
 少女自身の能力は速度に特化している。
 筋力の量はそれほどなく、単純な腕力に任せない数手先を行く数の攻撃だ。
 重さはあるが、まだ抑えられないものではない。

 だからこそ、

『……――――――――――――我流・螳螂流し』

 二刀流での攻撃には対応ができなかった。
 もっとも威力の高い小太刀の攻撃は凌ぐが、鞘による乱撃には手が足りなかった。
 必殺ではないが、腕や足に鈍痛が響く。

「少しは、女らしい洗練さがあると思ったが、なかなか荒っぽいなぁオイ」

 打ってくる攻撃は確かに乱雑だ。
 だが、体の動きは相手に動きを読ませない考えられたものだ。
 荒っぽいとは言ったが、考えられた技だ。

 だが、少女にも気付くことがあるだろう。
 幾手もの攻撃、数十手もの攻撃。無論全てを防げていない男の、いやこの小太刀の異常に。
 必殺となり得る小太刀の切っ先をほぼ防いでいるが、体を斬り付けた攻撃もある。
 その手応えが、『まるで金属を斬っているかのようなもの』に思えるだろう。

 そして、

「そろそろこっちからも行くぞ」

 乱撃を繰り出してくるなか、男の手が、少女へと伸びる。
 その手を刃や鞘が傷付けるが、やはり金属を斬っている感触があるだろう。
 もし、男の手が少女へと届くことがあれば、目の前に手繰り寄せ、袈裟斬りに斬ろうとするだろう。

124名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/11/02(土) 07:26:49

 「ふ、はははははははッ!!」
 「オレを斃す事さえ諦めよもや笑い殺すつもりか!?」

 久々に快活に笑い飛ばし、目尻に溜まった雫を億劫そうに拭えば片目を閉じ、片手で妖刀を下段に構えれば、相手の手元を凝視する。
 相手の狙い目を容易に見据えれば、その刃の切っ先を“柄尻”で防げば金属同士が接触し合う喧しい音が耳を擽り、体勢を整える為に一歩だけ後退する。

 金属を打つような音に一瞬だが手が止まった。朧気だが何処か馴染み深い音だ。 記憶の底の奥底に眠る記憶に不思議と自然と口角が上がる。ーーーステンレスも溶かす腐食し錆びた心。忘れてはいけない記憶までも蝕んでいく。


 「」

 腕や足に鈍痛が響く。

125名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/11/02(土) 13:51:30

 深夜―ー―人通りの絶えた海沿いの埠頭。


 深夜となればそれなりの賑わいを見せる観光客もおらず、 コンクリートの道と防波ブロックしか存在して無いこの一帯を歩く者など地元民或いは、傾奇者かーーー。
 遊べる場所もなければ、通りを歩く人間に至っては絶無である。ここにある音は潮騒のみ。

 「――――。」

 但し、何事にも例外は在る。

夜闇に浮かび上がるのは長身の影。 褪せた金髪を揺らし金眼から鋭い眼光を覗かせ、眉間には皺が刻まれている。
 精悍な顔つきから察せる年の頃は二十代の入りか前半といったところ。ーーーそして、雅な桜色の着物を着ている。


 「ーーーーー疾(し)ッ!」


 掛け声と共に虚空に刀を突く。
迸る風圧に髪が揺れ、玉のような汗が次々と一歩一歩を踏み出すたびに水滴が飛び散っている。

男の息遣いがそれほど乱れていないことだった。
そして走るスピードが緩まない。明らかに常人のそれよりも早い速度を維持している。
何よりも目立つのは、腰に吊られた一振りの長剣だった。無骨な柄に無骨な鞘、それだけ見れば単なる武器であるが、走り込みをしようと思った人間が持っている物ではない。

やがて男の走りは小さな公園に差し掛かる。
公園に近づくにつれて走る速度を落としていき、遊具も何もない小さな空き地めいた場所にぽつんと備え付けられたベンチに腰を掛けた。
上着を置き、剣を立て掛け、膝と肘を合わせて俯くような姿勢を作り、目を閉じて僅かに乱れた呼吸を整え始める。

――ここにはこの男意外、誰もいない。
そう、おそらくは。


//【白黒聖戦】さん待ちです

126名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/11/02(土) 17:49:35

 深夜―ー―人通りの絶えた海沿いの埠頭。


 深夜となればそれなりの賑わいを見せる観光客もおらず、 コンクリートの道と防波ブロックしか存在して無いこの一帯を歩く者など地元民或いは、傾奇者かーーー。
 遊べる場所もなければ、通りを歩く人間に至っては絶無である。ここにある音は潮騒のみ。

 「――――。」

 但し、何事にも例外は在る。

満月が夜闇を照らし浮かび上がるのは長身の影。 褪せた金髪を揺らし金眼から鋭い眼光を覗かせ、眉間には皺が刻まれている。
 精悍な顔つきから察せる年の頃は二十代の入りか前半といったところ。ーーーそして、雅な桜色の着物を着ている。


 「ーーーーー疾(し)ッ!」


 掛け声と共に虚空に刀を突く。
迸る風圧に髪が揺れ、玉のような汗が次々と一歩一歩を踏み出すたびに水滴が飛び散っている。 然し、少女の息遣いは差程に乱れておらず目を閉じて僅かに乱れた呼吸を整え始める。


 ここにはこの少女意外、誰もいない。
そう、おそらくはーーー。


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