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なぞ

126名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/11/02(土) 17:49:35

 深夜―ー―人通りの絶えた海沿いの埠頭。


 深夜となればそれなりの賑わいを見せる観光客もおらず、 コンクリートの道と防波ブロックしか存在して無いこの一帯を歩く者など地元民或いは、傾奇者かーーー。
 遊べる場所もなければ、通りを歩く人間に至っては絶無である。ここにある音は潮騒のみ。

 「――――。」

 但し、何事にも例外は在る。

満月が夜闇を照らし浮かび上がるのは長身の影。 褪せた金髪を揺らし金眼から鋭い眼光を覗かせ、眉間には皺が刻まれている。
 精悍な顔つきから察せる年の頃は二十代の入りか前半といったところ。ーーーそして、雅な桜色の着物を着ている。


 「ーーーーー疾(し)ッ!」


 掛け声と共に虚空に刀を突く。
迸る風圧に髪が揺れ、玉のような汗が次々と一歩一歩を踏み出すたびに水滴が飛び散っている。 然し、少女の息遣いは差程に乱れておらず目を閉じて僅かに乱れた呼吸を整え始める。


 ここにはこの少女意外、誰もいない。
そう、おそらくはーーー。


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