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なぞ
123
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/02(土) 06:57:42
「ふ、はははははははッ!!」
「オレを斃す事さえ諦めよもや笑い殺すつもりか!?」
久々に快活に笑い飛ばし、目尻溜まる雫を億劫そうに拭えば片目を閉じ、片手で妖刀を構えれば、相手の手元を凝視する。
そして、相手の狙い目を容易に見据えれば、その刃の切っ先を“柄尻”で防げば金属同士が接触し合う喧しい音が耳を擽り、体勢を整える為に一歩だけ後退する。
金属を打つような音に一瞬だが手が止まった。朧気だが何処か馴染み深い音だ。 記憶の底の奥底に眠る記憶。ーーー不思議と自然と口角が上がる。
ステンレスも溶かす腐食し錆びた心。忘れてはいけない記憶までも蝕んでいく。
ても感慨深い深い音だ。
口角が上がっていく。
懐へと飛び込んできた少女が新たに刃を繰り出す。
それを、柄尻で抑えていく。
少女自身の能力は速度に特化している。
筋力の量はそれほどなく、単純な腕力に任せない数手先を行く数の攻撃だ。
重さはあるが、まだ抑えられないものではない。
だからこそ、
『……――――――――――――我流・螳螂流し』
二刀流での攻撃には対応ができなかった。
もっとも威力の高い小太刀の攻撃は凌ぐが、鞘による乱撃には手が足りなかった。
必殺ではないが、腕や足に鈍痛が響く。
「少しは、女らしい洗練さがあると思ったが、なかなか荒っぽいなぁオイ」
打ってくる攻撃は確かに乱雑だ。
だが、体の動きは相手に動きを読ませない考えられたものだ。
荒っぽいとは言ったが、考えられた技だ。
だが、少女にも気付くことがあるだろう。
幾手もの攻撃、数十手もの攻撃。無論全てを防げていない男の、いやこの小太刀の異常に。
必殺となり得る小太刀の切っ先をほぼ防いでいるが、体を斬り付けた攻撃もある。
その手応えが、『まるで金属を斬っているかのようなもの』に思えるだろう。
そして、
「そろそろこっちからも行くぞ」
乱撃を繰り出してくるなか、男の手が、少女へと伸びる。
その手を刃や鞘が傷付けるが、やはり金属を斬っている感触があるだろう。
もし、男の手が少女へと届くことがあれば、目の前に手繰り寄せ、袈裟斬りに斬ろうとするだろう。
124
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/02(土) 07:26:49
「ふ、はははははははッ!!」
「オレを斃す事さえ諦めよもや笑い殺すつもりか!?」
久々に快活に笑い飛ばし、目尻に溜まった雫を億劫そうに拭えば片目を閉じ、片手で妖刀を下段に構えれば、相手の手元を凝視する。
相手の狙い目を容易に見据えれば、その刃の切っ先を“柄尻”で防げば金属同士が接触し合う喧しい音が耳を擽り、体勢を整える為に一歩だけ後退する。
金属を打つような音に一瞬だが手が止まった。朧気だが何処か馴染み深い音だ。 記憶の底の奥底に眠る記憶に不思議と自然と口角が上がる。ーーーステンレスも溶かす腐食し錆びた心。忘れてはいけない記憶までも蝕んでいく。
「」
腕や足に鈍痛が響く。
125
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/02(土) 13:51:30
深夜―ー―人通りの絶えた海沿いの埠頭。
深夜となればそれなりの賑わいを見せる観光客もおらず、 コンクリートの道と防波ブロックしか存在して無いこの一帯を歩く者など地元民或いは、傾奇者かーーー。
遊べる場所もなければ、通りを歩く人間に至っては絶無である。ここにある音は潮騒のみ。
「――――。」
但し、何事にも例外は在る。
夜闇に浮かび上がるのは長身の影。 褪せた金髪を揺らし金眼から鋭い眼光を覗かせ、眉間には皺が刻まれている。
精悍な顔つきから察せる年の頃は二十代の入りか前半といったところ。ーーーそして、雅な桜色の着物を着ている。
「ーーーーー疾(し)ッ!」
掛け声と共に虚空に刀を突く。
迸る風圧に髪が揺れ、玉のような汗が次々と一歩一歩を踏み出すたびに水滴が飛び散っている。
男の息遣いがそれほど乱れていないことだった。
そして走るスピードが緩まない。明らかに常人のそれよりも早い速度を維持している。
何よりも目立つのは、腰に吊られた一振りの長剣だった。無骨な柄に無骨な鞘、それだけ見れば単なる武器であるが、走り込みをしようと思った人間が持っている物ではない。
やがて男の走りは小さな公園に差し掛かる。
公園に近づくにつれて走る速度を落としていき、遊具も何もない小さな空き地めいた場所にぽつんと備え付けられたベンチに腰を掛けた。
上着を置き、剣を立て掛け、膝と肘を合わせて俯くような姿勢を作り、目を閉じて僅かに乱れた呼吸を整え始める。
――ここにはこの男意外、誰もいない。
そう、おそらくは。
//【白黒聖戦】さん待ちです
126
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/02(土) 17:49:35
深夜―ー―人通りの絶えた海沿いの埠頭。
深夜となればそれなりの賑わいを見せる観光客もおらず、 コンクリートの道と防波ブロックしか存在して無いこの一帯を歩く者など地元民或いは、傾奇者かーーー。
遊べる場所もなければ、通りを歩く人間に至っては絶無である。ここにある音は潮騒のみ。
「――――。」
但し、何事にも例外は在る。
満月が夜闇を照らし浮かび上がるのは長身の影。 褪せた金髪を揺らし金眼から鋭い眼光を覗かせ、眉間には皺が刻まれている。
精悍な顔つきから察せる年の頃は二十代の入りか前半といったところ。ーーーそして、雅な桜色の着物を着ている。
「ーーーーー疾(し)ッ!」
掛け声と共に虚空に刀を突く。
迸る風圧に髪が揺れ、玉のような汗が次々と一歩一歩を踏み出すたびに水滴が飛び散っている。 然し、少女の息遣いは差程に乱れておらず目を閉じて僅かに乱れた呼吸を整え始める。
ここにはこの少女意外、誰もいない。
そう、おそらくはーーー。
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