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かやわら
23
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/09(火) 11:57:38
「―――来たか。
……下らねェ正義の味方気取り共。」
〝来るとは思っていた〟───が。正直ここ迄、阿呆が蔓延っているとは思わなかった。
そんな間抜け共を横目に偶像(アイドル)の肌に触れれば、恐怖の顔で引き攣り喋る事も無ければ肩を震わせる姿に、無表情で喉笛を小刀で横に引けば、呆気なく崩れる。
滴る血溜まりに、これまた興味を示さず。喚く子供に刃物を向ければ〝正義の味方〟の方に顔だけを向く。
「これが〝解放師団〟の本来の在り方だ。―――不必要な無能を間引く『選別』って訳よ。」
「この女は〝舟〟に乗る必要な、『チケット』を持ってなかった。ただそれだけの話だ。」
「……さて、オマエらどうだろうな?
来いよ……! 貴様等に資格が在るか否か直々に測ってやっからよ。」
「―――名は解放師団第四旅団長鏑木宗介。……脳に刻んだか?」
言い終わると測った様に、“防火シャッター”と“スプリンクラー”が同時に作動し始める。それは『逃がしはしない』と言う鏑木の意志の様に。
次いで、泣き喚く少年の頭部を掴めば、髪を引き摺る様にして移動し、下の階に目掛けて躊躇無く振り落とす。―――その間に鏑木が軽やかに指鳴らせば刹那。突如として少年の肢体が所々と光輝き、血飛沫が飛び散る。
ダスト・ブレイカー
「―――人屑、束ねしの光砲……。」
少年の御体を媒体に、光のエネルギーが濃縮し“小さな光球”に形を変え―――反撥し、弾ける。
強烈な眩い光で辺りを包み込み、数秒後、熱量を持った貫通性のある光線が東西南北と無差別に放たれれば。更に周囲に被害を与える。
もしも、落ち行く少年を助けに行こうと目論んだ者が存在するならば、その行動はまさに鏑木が言う「正義の味方気取り」と嘲笑うだろ。
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