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かやわら
15
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/07(日) 08:14:23
昨日は珍しく────夢を、見た。
───“それ”は昔の話だ。〝清村渡季也〟という存在に出会った日の夢だ。
自分とは鏡写しの様な正反対な性格の 彼の口から語る理想は『御伽噺』の様で純粋で滑稽だった。ホントは、“刺激”が欲しかっただけなのかも知れない。―――ただ、それでも良かった。
気付けば、俺は渡季也に惚れ。その“陽だまり”に手を掴んだ。 ───最初は〝正しい〟だけの“理想”が眩しくて羨ましかった。俺も渡季也の傍に入れば、何か『変われる』気がした。
『正義』の英雄(ヒーロー)の真似事で“大切な人”を喪った俺に、渡季也は別の『正義』の在り方を提示してくれた―――あの日を境に俺の世界は反転し、燻っていた心(ハート)が鼓動し音を刻んだ。
―――初めて人を好きになれそうな気がしたんだ。
―――好きでいたかったんだ。
切っ掛けは些細な“ズレ”だった。
正確には一方的に俺が「理想」とする〝清村渡季也〟が神聖視して傾倒し啓蒙し過ぎて「現実」の〝団長〟が掛け離れていく。―――今は、〝間違え〟だけの〝現実〟が鈍く嫉ましかった……。
あの日、紡いだ手は意図も容易く簡単に滑り落ちて―――いつから、俺は渡季也の“横”では無く“逆方向”を向いてたんだろうな…。
――――――――
―――――
――
───泡沫の泡が、弾けた。
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