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2708リーフ:2016/12/08(木) 20:36:43 ID:gmV6flx6
そう、嫌われ者Gです(´▽`*)

ヤツの名はG

ナツメさんの記憶の中にデリートしたくても出来ない記憶がある。

ヤツの名はG。
正確には奴らの名はG。
黒光りしてる奴らだ。赤茶も居るらしい。
色はこの際どうでもいい。

小さなころのナツメさんは田舎暮らしで、貧乏を極めていた。窓ガラスが割れたら、下敷きとガムテープで暫く補強して過ごして近所の同級生にからかわれたりしたものだ。トイレは外に行かなくてはいけないし、庭にはリアルなカエルの像があったりと、宮崎駿が飛びつくような不思議な家に住んでいた。学校帰りの道の途中にある阿修羅像が怖くて、いつも早足で駆け抜けた。

ナツメさんちの風呂場は、土壁で出来て、木樽だった。
壁の隙間から時々、小さな訪問者がやってきては風呂の蓋のトタンの上で、蜷局を巻いて威嚇されたのも、風呂が遂に壊れたのは、木樽の底が抜けたせいだったのも、笑い話になるいい思い出だ。

野性味溢れる、戦中か戦後なのか、よくわからないその物件を直し直し住んでいたナツメさん一家の微笑ましい思い出の話をすると、何故か皆がドン引きする。理解のある夫さえも、「一体お前はいくつなんだ……」と遠い目をする。愛国と書かれた鉢巻を握りしめて掃除に励む小学校に通っていた話は、マボロシ扱いだ。
楽しかったし、いい小学校生活だったのになあ?
首を傾げる、ナツメさん。
貧乏というより、極貧に近いらしいので、子供の頃の話をあまりしたがらないそうだ。
だが、彼女は思い出していた。ついに遭遇する思い出の蓋を開けるのだった。

面白いことに、奴らがそこにいると
空気が凍り付くのだ。
いる。
確かにそこにいる。

暗闇にうごめく、欄間の上。
ひぃぃやあああー

と、飛んでる!!
し、しかも、こ、交尾しながらだとう?!

二匹のGはドッキングしたまま、飛行を続け、ナツメさんは手にしたキンチョールを噴射することなく、視界から奴らが消え去るのを待った。

居なくなってほっとしたものの
幼いナツメさんはふと、気づいた。

待って……ドッキングって、つまり
増え……

小学校五年生のナツメさんは
その先を考えるのは辞めたそうな。

おそろしやおそろしや
だが、ナツメさんとGの関係は
これで終わらない。

つづく?w


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