日本中を震撼させた「秋葉原通り魔事件」から早くも14年。当時、逮捕された加藤智大が母親から虐待ともとれるスパルタ教育を受けていたこと、派遣労働や格差問題、ネットを通じた人間関係の稀薄さが浮き彫りとなり、そんな加藤を“神格化”する声も挙がった。人を凶行にまで走らせる“生きづらさ”とはーー? これまで2000件以上の加害者家族を支援してきたNPO法人『World Open Heart』理事長・阿部恭子さんが伝える。
阿部恭子(あべ・きょうこ) NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて、犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)、『家族間殺人』(幻冬舎新書、2021)など。