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南米

5NAME:2018/11/27(火) 16:22:54
「必ずしも日本でなくてもいいんです」

 これまで、日本に出稼ぎをしてきた日系ブラジル人の中には、長時間労働や扱いのひどさなどで、日本の出稼ぎに悪い印象を抱いた人もいます。しかし、帰国後に家を建てた人もおり、多くの人とっては、日本は「とにかく稼げる」場所でした。 低成長が続いているブラジルでは、大学を出てもよい仕事に就ける保証はなく、外国を目指す人は少なくありません。また、残業代がきちんと支払われないなどの問題もあります。 日本にも問題となる「ブラック企業」はありますが、日本の多くの工場などは「ブラジルよりも安全に働けて、残業代もちゃんと出る良い職場」なのだといいます。 渡辺さんが働く人材派遣会社には、日系人はもちろん、非日系人からも日本への出稼ぎの問い合わせが相次いでいます。 けれど渡辺さんは「日本ではなくアイルランドやドイツに行った人もいます。必ずしも日本でなくてもいいんです」と話します。

「移民ではなく棄民」の歴史

 必ずしも日本でなくてもいいーー。そう聞いた時、私は少し悲しい気持ちになりました。そして、110年以上になる日本からの移民の歴史を振り返れば、当然だという思いにもなります。 「移民ではなく棄民」。日本が外国に送り出した政策を、そう批判する人もいます。 「南米の広大な大地で一旗あげよう」。甘い言葉で夢を抱かせて、国策として南米に送り出されましたが、実際は、アマゾンの奥地や枯れた土地で過酷な生活を強いられました。 風土病で亡くなった人たちも少なくありません。それでも、多くの人たちはいつか日本に帰ろう、故郷に錦を飾ろうと力を合わせてきました。 しかし、なかなかそれはかなわず、移民した国に根を下ろしていきました。

送り出す時も、受け入れる時も……

 2世、3世となると、現地社会で成功する人も出てきました。日本の高度経済成長も重なり、日本への憧れやルーツへの誇りを持った人たちもいます。 しかし、日系3世までのビザで起きたことは、社会への受け入れ政策もないまま「安価な単純労働者」として利用することでした。実際に起きた摩擦の解決は、地元の自治体や住民まかせでした。 国策として送り出す時も、労働者として再び受け入れる時も、一人ひとりの暮らしや人生がどうなるのかなど考えられていなかったとしか思えません。 日系人はやっぱり日本が好きです。外国に住む人たちに日本を好きになってもらうことは、とても大変です。 映画や音楽などの文化による「ソフトパワー」が国の印象を左右しますが、そうしたプロモーションを通じて、日本に好感を持ってもらおうとすると、とてもお金と時間がかかります。 でも、日系人はそんなことをしなくても、日本を好きでいてくれる存在でした。そうした人たちを、日本政府は大切にしてきたと言えるのでしょうか。 日本政府が「日系社会との関係強化」をいい始めたのは、ここ数年のことです。しかし、そこでも「日系社会の若手リーダー」や高度人材など、「おいしいところ」ばかりを狙っているように見えます。

自分が日系人だったら?

 ブラジルやペルーで取材をしていると、日本の親戚を知っているという日系人はとても少ないです。 ある人は、日本に旅行した際、先祖の出身地を訪ねたら、親戚に露骨に嫌な顔をされたと言いました。金の無心に来たと誤解されたといい、とても悲しそうでした。 このエピソードは、日系人を労働者として受け入れる姿勢や、4世ビザに見られる考え方に共通したものを感じます。そして、日本を好きな人たちに、日本に対して複雑な感情を抱かせています。 日本で働いている日系人の中には、もしかしたらあなたと血のつながった親戚がいるかもしれません。もしかしたら、あなたの先祖も移民していたかもしれません。そして、あなたも日系人として南米で生まれていたかもしれません。 自分が日系人だったら、同じように扱われたいでしょうか。


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